国内旅行業務取扱管理者試験とは?CBT方式の日程・科目・合格基準

国内旅行業務取扱管理者試験のCBT方式の日程・科目・合格基準を説明する記事のアイキャッチ

当サイトの記事は編集部が観光庁・日本旅行業協会(JATA)・全国旅行業協会(ANTA)などの公開情報を調べて独自に執筆しています。試験の日程・受験手数料・法令は変更されることがあるため、最新の情報は各試験の実施機関のサイトで確認してください。

国内旅行業務取扱管理者試験を受けてみたいけれど、CBT方式という言葉が出てきて、どんな試験なのかイメージがつかめない。そんな方も多いはずです。

結論から言うと、国内旅行業務取扱管理者試験は、全国のテストセンターで日時を選んでパソコンで解く国家試験です。科目は法令・約款・国内旅行実務の3つで、各科目60点以上が合格の目安です。

この記事を読むと、申込から結果確認までの流れと、合格点から逆算した得点の計画の立て方が分かります。

目次

国内旅行業務取扱管理者試験とは?

先に結論

国内旅行業務取扱管理者試験とは、国内旅行だけを扱う旅行会社の営業所で、管理者になるための国家試験です。全国旅行業協会(ANTA)が、観光庁長官に代わって試験事務を行っています。

旅行会社などは、営業所ごとに旅行業務取扱管理者を選ぶことが旅行業法で決められています。国内旅行だけを扱う営業所なら、総合か国内の合格者が管理者になれるんです。

国内の資格そのものでできることは、国内旅行業務取扱管理者とは?資格でできること・試験・合格率で詳しく紹介しています。

どんな人が受けている?

『旅行会社で働いている人ばかりなんじゃないの?』と思う方もいますよね。

実は、受験資格は年齢・学歴・国籍などの制限がなく、学生や会社員も多く受けています。令和7年度(2025年度)の申込者12,376人の職業別の内訳を見てみましょう。

職業申込者割合
会社員3,894人31.4%
学生3,715人30.0%
旅行業1,821人14.7%
無職その他1,154人9.3%
運送業626人5.1%
観光業626人5.1%
宿泊業540人4.4%

年齢で見ても、19歳以下が1,915人(15.5%)、40〜49歳が2,094人(16.9%)と幅広いです。高校生から社会人まで、いろいろな立場の人が挑戦しているんですね。

総合・地域限定の試験とはどこが違う?

旅行業務取扱管理者の試験は、国内のほかに総合と地域限定があります。国内試験との違いを、令和8年度の受験案内で比べると次のとおりです。

比べる点国内総合地域限定
実施機関ANTAJATA観光庁
方式CBT方式マークシートマークシート
科目法令・約款・国内旅行実務国内の3科目+海外旅行実務国内の3科目から航空と地理などを除いた範囲
受験手数料8,000円+システム利用料660円13,000円+システム利用料660円5,500円(収入印紙)

3つの違いをもっと詳しく知りたい方は、旅行業務取扱管理者試験とは?総合・国内・地域限定の違いを比較を見てみてください。

CBT方式で何が変わった?「日時と会場を自分で選ぶ」試験

試験日が「1日」から「期間」になった

令和6年度から筆記試験がなくなり、すべてCBT方式になりました。決められた1日に全員が受ける形から、期間の中で自分が日時と会場を選ぶ形に変わったんです。

CBT方式とは、テストセンターに行ってパソコンの画面で問題を解く試験のことです。会場は全国47都道府県のテストセンターから選べます。

『パソコンで試験って、操作が不安…』という声もよく聞きますよね。ANTAのよくある質問では、マウスの操作ができれば受験でき、CBT体験試験で練習もできると案内されています。

筆記の時代と比べるとこうなる

国内試験は、令和5年度(9月3日)までは1日だけの筆記試験でした。今のCBT方式と比べると、次のように変わっています。

比べる点筆記の時代(令和5年度まで)CBT方式(令和6年度から)
試験日9月上旬の1日9月の約3週間の中から自分で選ぶ
会場指定された試験会場全国47都道府県のテストセンターから選ぶ
解答紙の問題用紙に解答パソコンの画面で解答
問題全員同じ問題受験者ごとに問題が違う
公開される問題試験問題と解答出題例と出題例の解答
CBT方式のよいところ
  • 仕事や学校の予定に合わせて日時を選べる
  • 近くのテストセンターを選びやすい
  • 結果がマイページで科目別の得点まで分かる
気をつけたいところ
  • 申込と受験は日程内で1回だけ
  • 腕時計や筆記用具も試験室に持ち込めない
  • 試験問題は持ち帰れず、SNSなどでの共有も禁止

日時と会場を選ぶ時のコツ

日時を選べるのは便利な反面、『いつにしよう』と迷って予約が遅れることもあります。予約の前に、次の点を確かめておくと決めやすいですよ。

受験日時を予約する前のチェック
  • 試験期間の中で、仕事や授業がない日を書き出す
  • テストセンターまでの移動時間と、受付の時刻(開始30分前から15分前)に間に合うかを確かめる
  • 総合も同じ年に受けるなら、10月の総合までの勉強時間が残る日を選ぶ
  • 前日に予定を詰め込まない日を選ぶ

例えば、平日に休みが取りやすい職場なら、平日の午前を選ぶのも1つの手です。希望の日時を逃さないよう、申込と同時に予約まで済ませておくと安心ですね。

当日のルールで戸惑いやすい所

「腕時計くらいは持ち込めるよね?」
「試験室には持ち込めないんだって。メモ用紙と筆記用具は貸してもらえるよ」

このように、CBTの会場では所持品はすべて試験室の外に置きます。メモ用紙と筆記用具は貸し出され、終わったら回収されます。

電卓・スマホ・ウェアラブル端末は使えません。顔写真付きで有効期限内の本人確認書類の原本を忘れずに持っていきましょう。

受付は開始の30分前から15分前です。開始から30分までは遅れて入れますが、終了時刻は繰り下がりません。当日の流れは国内旅行業務取扱管理者のCBT試験とは?当日の流れと持ち物で詳しく紹介しています。

国内旅行業務取扱管理者試験のCBT方式について、申込と予約、テストセンターでの受験、マイページでの結果確認までの流れを示した図解

申込から結果確認までの手順は?

申込と同時に「日時と会場の予約」まで済ませる

国内試験はインターネットでのみ申し込めます。申し込む時に、受験する日時とテストセンターも予約する流れです。

『申し込んだら、あとは受験票を待てばいいの?』と思いがちですよね。国内試験では、受ける日時を自分で予約するところまでが申込なんです。

令和8年度(2026年度)の受験案内をもとに、手順を順番に並べました。

令和8年度の申込から結果確認まで
  1. 6月18日(木)10:00から7月15日(水)23:59の間に、インターネットで申し込む
  2. 受験手数料8,000円(非課税)とシステム利用料660円(税込)を、クレジットカードかコンビニ・Pay-easyで支払う
  3. 9月3日(木)から25日(金)の中で、受ける日時とテストセンターを予約する(免除申請者の試験予約は7月23日まで)
  4. 予約した日時に、本人確認書類の原本を持ってテストセンターで受験する
  5. 10月16日(金)午前11時以降、受験者マイページで合否と科目別の得点を確かめる
  6. 合格した人には、10月30日(金)予定で合格証書が簡易書留で届く

受験手数料は返還されません。団体受験の制度は令和6年度で終わっているので、学校や会社でまとめて申し込む予定だった方は注意しておきましょう。

結果はどこまで分かる?

結果の発表日には、マイページで合否・科目合格の有無・科目別の得点を確かめられます。不合格の人には書類は届きません。

ANTAのサイトには、合格者のRSV番号の一覧も掲載されます。自分のRSV番号は、発表日まで控えておきましょう。

日程は毎年変わります

ここで紹介した日付は令和8年度のものです。最新の日程は、ANTAの国内試験の受験案内で確認してみてください。

申込の細かい操作や、ほかの試験との違いは旅行業務取扱管理者試験の申込方法にまとめています。

科目・配点・合格基準は?合格点から逆算する得点計画

3科目それぞれで60点以上を取る

科目は法令・約款・国内旅行実務の3つで、どれも100点満点です。令和7年度は各科目60点以上が合格点で、1科目でも届かないと合格になりません。

『合計で180点取れればいいの?』と考えてしまいがちですが、ここが大事なところです。国内試験は科目ごとに合格点があり、得意科目で苦手科目をカバーすることはできないんです。

「3科目の合計で180点あれば受かるんでしょ?」
「1科目でも60点に届かないと不合格なんだよ。科目ごとに見ておこう」

科目中身配点(令和7年度の出題例)
法令旅行業法とそれにもとづく命令100点(4点×25問)
約款旅行業約款・運送約款・宿泊約款100点(4点×25問)
国内旅行実務運送機関・宿泊施設の料金、旅行業務の実務処理など100点(4点×12問、2点×26問)

試験時間は、全科目を受ける場合で途中休憩なしの120分です。令和8年度の合格基準は、合格発表の時に公表されます。

いつの法令・料金で出題される?

国内試験の問題は、その年の基準日現在の法令で作られます。令和8年度は、根拠法令が6月1日現在です。

航空の出題も、令和8年6月1日に搭乗する時に適用される約款によると案内されています。『春に法改正があったら、どっちで答えればいいの?』と迷った時は、基準日の6月1日を思い出してみてください。

国内旅行実務で問われること

国内旅行実務は、運送機関や宿泊施設の利用料金、その他旅行業務に関係する料金と、旅行業務の実務処理が範囲です。運賃・料金の計算に加えて、国内の観光地や地理についての問題も出ます。

「何問取れば合格か」を数えてみる

令和7年度の配点と合格点60点をもとに、何問正解すれば合格点に届くかを計算してみました。

科目合格点に必要な正解数の目安落としてもいい問題数
法令25問中15問10問
約款25問中15問10問
国内旅行実務例えば4点問題12問中9問と2点問題26問中12問4点問題3問と2点問題14問

法令と約款は、4割まで間違えても合格点に届きます。『全部覚えないと受からない』と思い込まなくて大丈夫なんです!

国内旅行実務は配点が2種類あるので、4点の問題でどれだけ取れるかが効いてきます。例えば4点問題で10問取れれば40点なので、残りは2点問題で10問取れば60点です。

得点計画の立て方

この計算を使うと、自分だけの得点計画が作れます。公式の出題例を1回分解いてから、次の順で考えてみてください。

得点計画を作る時のチェック
  • 3科目それぞれの今の得点を書き出す
  • 60点に足りない科目を、優先して勉強する科目にする
  • 国内旅行実務は、4点問題と2点問題のどちらで落としているかを確かめる
  • 得意科目は「本番で10点下がっても60点に残るか」を目安にする
  • 試験の前に、もう一度出題例を解いて計画を見直す

運賃・料金の計算や国内の地理の進め方は、国内旅行実務の対策|運賃・料金計算と国内地理の勉強法で紹介しています。

国内旅行業務取扱管理者試験の3科目の配点と、各科目60点に届くために必要な正解数の目安を示した図解

合格率はどのくらい?

ANTAの実施結果では、国内試験の合格率は次のように推移しています。合格率は、合格者を受験者で割った数字です。

年度受験者合格者合格率
令和5年度(筆記)8,960人3,270人36.5%
令和6年度(CBT)10,943人3,660人33.4%
令和7年度(CBT)10,329人3,675人35.6%

全科目を受けた人に限ると、令和7年度は34.1%でした。もっと前の年度との比較は旅行業務取扱管理者の合格率の推移にまとめています。

免除A・B・Cは何が違う?自分の区分の見分け方

持っているものによって、受ける科目と時間が変わる

国内試験には、全科目のほかに免除A・B・Cの3つの区分があります。研修の修了や前年度の科目合格、地域限定の資格を持っているかで、どれに当たるかが決まります。

『免除って、誰でも申請できるの?』と気になりますよね。結論から言うと、条件を満たした人だけが使える仕組みです。

区分免除される科目受ける科目試験時間
全科目なし法令・約款・国内旅行実務120分
免除A国内旅行実務法令・約款80分
免除B法令約款・国内旅行実務80分
免除C法令と国内旅行実務約款のみ40分

自分がどれに当たるかの判定

令和8年度の受験案内では、免除の条件は次のとおりです。上から順に当てはめてみてください。

持っているもの当たる区分
どれも持っていない全科目
令和7・8年度の国内旅行業務取扱管理者研修の修了、または令和7年度の国内試験で国内旅行実務の科目合格免除A
地域限定の資格免除B
地域限定の資格と、免除Aの条件の両方免除C

令和7年度の合格率は、免除Aが60.2%、免除Bが60.9%、免除Cが83.3%でした。

研修は、誰でも受けられるわけではない

免除Aにつながる国内旅行業務取扱管理者研修は、例年5月中・下旬頃に行われます。受けられるのは、旅行業者等で最近5年以内に3年以上国内旅行業務に従事し、今も従事している人です。

一般の人は受講できず、派遣で働いている人は従事者と認められません。学生の方や旅行業以外で働いている方は、全科目か、前年度の科目合格を使う道になります。

よくある勘違い

国内旅行実務で合格点を取っても、免除に使えるのは次の年度の国内試験だけです。2年後の試験には持ち越せないので、科目合格した翌年に受ける計画を立てておきましょう。

免除の条件をもっと詳しく知りたい方は、国内旅行業務取扱管理者の科目免除|研修・科目合格・地域限定を見てみてください。

独学でいくか、講座を使うか

区分が分かったら、次は勉強の進め方です。法令と約款は覚える量が多く、国内旅行実務は計算と地理の練習が必要になります。

一人で計画を立てられる方は、公式の出題例を軸に独学で進められます。計算でつまずきやすい方や、何から手をつけるか迷っている方は、講座のカリキュラムに乗るのも1つの方法です。

勉強の進め方全体は旅行業務取扱管理者の勉強方法、講座の選び方は旅行業務取扱管理者の講座の選び方で紹介しています。

旅行業務取扱管理者ガイド

講座を使って効率よく合格を目指したい方へ

旅行業務取扱管理者試験は、法令・約款の暗記に加えて、運賃・料金の計算や地理など範囲が広いのが特徴です。独学で進めるか、通信講座やスクールで質問や模試の機会を得ながら学ぶか。講座の種類と比べ方、資料請求で確かめたい点をまとめました。

無料旅行業務取扱管理者の講座の選び方を見る

試験の日程・受験手数料は各試験の実施機関(JATA・ANTA・観光庁)の案内で最新情報を確認してください。

国内旅行業務取扱管理者試験でよくある相談

CBT方式と教材についての相談が目立つ

国内試験についての相談では、CBT方式の受け方や、手元にある古い教材が使えるかといった悩みがよく見られます。代表的な3つに答えます。

CBT方式だけになったけれど、紙の試験はもうないの?

国内試験がCBT方式だけになったが、紙で受ける方法はないのか、という相談です。

はい、令和6年度の試験から筆記はなくなり、すべてCBT方式で行われています。令和8年度も、全国のテストセンターでパソコンを使って受ける形です。

『画面で長い文章を読むのが不安』という方もいますよね。ANTAのCBT体験試験で、操作の感覚を先に確かめておくと安心です。

家にある数年前のテキストと問題集で勉強してもいい?

何年も前の年度のテキストや問題集が家にあるが、それで勉強しても大丈夫か、という相談です。

基本的な考え方を学ぶのには使えますが、気をつけたい点があります。国内試験は、その年の基準日(令和8年度は6月1日)現在の法令で作られているんです。

ANTAも、古い年度の問題は法改正前の内容のことがあると案内しています。古い教材を使う時は、法令の数字や制度が今と違わないかを、最新の教材や公式の出題例と見比べてみてください。

国内を持っていなくても、総合を受けられる?

国内旅行業務取扱管理者の資格がなくても、総合の試験を受けられるのか、という相談です。

はい、受けられます。総合にも受験資格はないので、国内の合格は条件ではありません。

ただ、国内に合格してから総合を受けると、総合で法令(業法)と国内旅行実務が免除になります。国内を先に取ってから総合に進む道がよく話題になるのは、この仕組みがあるからなんです。

よくある質問

国内旅行業務取扱管理者試験の受験手数料はいくらですか?

令和8年度は8,000円(非課税)と、システム利用料660円(税込)です。支払いはクレジットカードかコンビニ・Pay-easyで、受験手数料は返還されません。

試験中に電卓は使えますか?

使えません。スマホやウェアラブル端末も使用禁止で、腕時計や筆記用具を含む所持品は試験室に持ち込めません。メモ用紙と筆記用具は貸し出されます。

国内旅行業務取扱管理者試験は何回でも受けられますか?

1つの年度の試験日程の中では、申込と受験は1回だけです。不合格だった場合は、次の年度の試験を受けます。

国内旅行業務取扱管理者試験に合格したら、更新は必要ですか?

合格の更新制度はなく、合格はそのまま有効です。住所が変わった時の届出も不要です。ただし、営業所の管理者に選ばれた人は5年ごとの定期研修の対象になります。

過去問はどこで見られますか?

ANTAのサイトで、令和4年度・令和5年度は問題と解答、令和6年度以降はCBTの出題例と解答が公開されています。

まとめ

この記事の要点
  • 国内旅行業務取扱管理者試験は、ANTAが試験事務を行う国家試験で、受験資格はない
  • 令和6年度からCBT方式になり、令和8年度は9月3日から25日の中で日時と会場を選ぶ
  • 科目は法令・約款・国内旅行実務の3つで、令和7年度は各科目60点以上が合格点
  • 法令と約款は25問中15問の正解が合格点の目安
  • 研修修了・科目合格・地域限定の資格があると、免除A・B・Cで受けられる

まずはANTAの出題例を1回分解いて、3科目それぞれの今の点数を書き出してみましょう!

旅行業務取扱管理者ガイド

旅行業務取扱管理者ガイド 編集部

総合・国内・地域限定の旅行業務取扱管理者試験の仕組み、合格率と科目ごとの対策、過去問や講座を使った勉強法、資格を仕事に活かす方法までを、はじめて受験する人の目線で整理している情報サイトです。 公式サイト

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