旅行業務取扱管理者試験とは?総合・国内・地域限定の違いを比較

旅行業務取扱管理者試験の総合・国内・地域限定の3種類の違いを比べる記事のアイキャッチ

当サイトの記事は編集部が観光庁・日本旅行業協会(JATA)・全国旅行業協会(ANTA)などの公開情報を調べて独自に執筆しています。試験の日程・受験手数料・法令は変更されることがあるため、最新の情報は各試験の実施機関のサイトで確認してください。

旅行業務取扱管理者を取りたいと思って調べ始めたら、試験が3種類もあって、どれを受ければいいのか分からなくなった。そんな方も多いはずです。

結論から言うと、旅行業務取扱管理者試験は「総合」「国内」「地域限定」の3つで、実施機関も日程も受け方も別々です。

この記事を読むと、3つの試験の違いと、今の自分がどれから受ければいいかが分かります。

目次

旅行業務取扱管理者試験とは?どんな試験なの?

先に結論

旅行業務取扱管理者試験は、旅行業法にもとづく国家試験です。試験は観光庁長官が行い、総合・国内・地域限定の3種類があります。

旅行会社などの旅行業者は、営業所ごとに旅行業務取扱管理者を選ぶことが旅行業法で決められています(第11条の2)。

その管理者になるための国家試験が、旅行業務取扱管理者試験なんです。「旅行業務取扱管理者資格試験」と呼ばれることもありますが、同じ試験を指しています。

誰でも受けられる?

『学生でも、旅行業界で働いていなくても受けられるの?』と気になりますよね。

実は、3つの試験とも年齢・学歴・国籍などの受験資格はありません。不正行為で受験を止められている人を除けば、誰でも申し込めます。

国内試験の令和7年度(2025年度)の申込者12,376人を見ると、学生が3,715人で30.0%でした。会社員も3,894人で31.4%いて、旅行業で働く人だけの試験ではないことが分かります。

3種類あるのは、扱える旅行の範囲が違うから

3つの試験は、合格した後に管理者として担当できる営業所の範囲が違います。観光庁の説明をもとに表にしました。

合格した試験管理者になれる営業所
総合海外旅行も国内旅行も扱う営業所
国内国内旅行だけを扱う営業所
地域限定主たる営業所の所在地と、その隣の市町村までの旅行だけを扱う営業所

つまり、扱える範囲が広い順に「総合」「国内」「地域限定」と並んでいます。範囲が広いほど、試験で問われる内容も増えるんです。

資格そのものの役割や仕事の中身は、旅行業務取扱管理者とは?3種類の資格と仕事・試験で詳しく紹介しています。

総合・国内・地域限定の違いを1枚の表で比べると?

違いは「誰が実施し、いつ、どう受けるか」

3つの試験は、実施機関・試験日・申込の方法・受験手数料がすべて違います。特に国内はパソコンで受けるCBT方式、総合と地域限定はマークシートという点が大きな違いです。

『国内と総合って、同じ団体がまとめてやっているんじゃないの?』と思っていた方もいるかもしれません。

ここは混同しやすいところなので、令和8年度(2026年度)の受験案内をもとに1枚の表にまとめました。

比べる点総合国内地域限定
実施機関日本旅行業協会(JATA)全国旅行業協会(ANTA)観光庁
試験の方式マークシートCBT方式(テストセンターのパソコン)マークシート
試験日令和8年10月25日(日)令和8年9月3日(木)から25日(金)のうち自分で選んだ日時令和8年9月27日(日)
申込期間7月16日(木)から8月7日(金)6月18日(木)10:00から7月15日(水)23:597月6日(月)から7月31日(金)消印有効
申込の方法インターネットのみインターネットのみ願書を簡易書留郵便で郵送のみ
受験手数料13,000円(非課税)+システム利用料660円8,000円(非課税)+システム利用料660円5,500円(収入印紙)
試験地北海道・宮城・東京・愛知・大阪・広島・福岡・沖縄全国47都道府県のテストセンター東京・大阪の2か所
合格発表令和8年12月10日(木)予定令和8年10月16日(金)11時頃令和8年11月13日(金)予定
総合・国内・地域限定の3つの試験について、実施機関・方式・試験日・受験手数料を並べて比べた図解

「総合国内旅行業務取扱管理者試験」という1つの試験はない

検索していると「総合国内旅行業務取扱管理者試験」という言い方を見かけることがあります。ただ、総合と国内をまとめて受ける1つの試験があるわけではありません。

総合はJATA、国内はANTAが、それぞれ観光庁長官の代わりに試験事務を行っています。申込先も受験票の届き方も別なので、両方受けたい時はそれぞれ申し込みます。

国内だけ「日時を自分で選ぶ」試験

国内試験は、令和6年度から筆記をやめて、すべてCBT方式になりました。全国のテストセンターでパソコンを使って解きます。

試験期間の中から、自分の都合のいい日時と会場を選んで予約する形です。ただし、申込と受験は日程内で1回だけです。

『パソコンが苦手だけど大丈夫?』という声もありますよね。ANTAのよくある質問では、マウスの操作ができれば受験でき、CBT体験試験で練習もできると案内されています。

国内試験の科目や当日の流れは、国内旅行業務取扱管理者試験とは?CBT方式の日程・科目・合格基準で詳しく紹介しています。

日程は毎年変わります

ここで紹介した日付は令和8年度の受験案内のものです。最新の日程は、各実施機関の案内で確認してみてください。

科目と合格基準は、試験ごとにどう違う?

総合だけ「海外旅行実務」がある

国内と地域限定は、法令・約款・国内旅行実務の3科目です。総合はそこに海外旅行実務が加わり、しかも200点満点と配点が大きいのが特徴です。

『総合って、国内に海外の科目が1つ足されただけ?』と思うかもしれません。科目の名前だけ見るとそうなんです。

ただ、配点を見ると、海外旅行実務の重さがよく分かります。

科目総合国内地域限定(令和7年度)
法令(総合は業法)100点100点100点
約款100点100点96点(航空運送の約款を除く)
国内旅行実務100点100点40点(航空運送の料金・国内地理などを除く)
海外旅行実務200点なしなし
合格の基準各科目で満点の60%以上各科目60点以上(令和7年度)法令60点以上・約款58点以上・国内旅行実務24点以上(令和7年度)

3つとも「科目ごとに基準を超える」形です。合計点が高くても、1科目でも基準に届かないと合格になりません。

合格率はどのくらい?

令和7年度(2025年度)の合格率を並べると、次のとおりです。合格率は、合格者を受験者で割った数字です。

試験受験者合格者合格率
総合(令和7年度)4,519人1,179人26.1%
国内(令和7年度)10,329人3,675人35.6%
地域限定(令和7年度)643人315人49.0%

総合の合格率は、科目免除を使った人も含めた数字です。免除なしで全科目を受けた区分Aに限ると、令和7年度は11.7%でした。

数字だけ見ると不安になるかもしれません。ただ、総合は国内の合格者が科目免除で受けるルートもあるので、順番を工夫すれば負担を分けられます。

年度ごとの推移は、旅行業務取扱管理者の合格率|国内・総合・地域限定の推移を比較にまとめています。

過去問は公式サイトで見られる

試験の中身を早めに見ておきたい方は、公式の過去問や出題例をのぞいてみてください。

  • 総合: JATAが過去5年分の試験問題と正解を公開
  • 国内: ANTAが年度ごとの問題や出題例と解答を公開
  • 地域限定: 観光庁が年度ごとの試験問題と正解及び配点を公開

国内試験の出題例と実施状況は、ANTAの各年度の実施状況・出題例と解答のページで確認できます。

自分はどれを受ける?3つの質問で決める判定表

「将来どの範囲の旅行を扱いたいか」から決める

迷った時は、合格した後にどんな仕事に使いたいかを考えてみてください。海外旅行に関わりたいか、地元の旅行だけでいいかで、受ける試験の候補が絞れます。

『結局、私はどれを受ければいいの?』というのが、いちばん知りたいところですよね。

ここでは、3つの質問に順に答えていくと、受験先の候補が決まる流れを作りました。

受験先を決める3つの質問
  1. 海外旅行の手配や販売に関わりたい、または関わる可能性がある。はいなら総合が最終目標です
  2. 総合が最終目標なら、まず国内から受けるか、いきなり総合を受けるかを決める。勉強の期間に余裕があるなら、国内で土台を作ってから総合へ進む道も選べます
  3. 地元の体験型ツアーなど、近くの地域の旅行だけを扱う予定がある。はいなら地域限定も候補になります
海外旅行に関わるか、地元の旅行だけかなどの質問に答えて、総合・国内・地域限定のどれを受けるかを決める流れの図解

状況別の判定表

もう少し具体的に、よくある状況ごとに受験の候補を表にしました。

今の状況最初に受ける候補次のステップ
旅行業界に就職したい大学生・専門学校生国内余裕があれば同じ年度か翌年度に総合
旅行会社の窓口で働いて2年目国内国内合格後、科目免除を使って総合
海外旅行の部署で働いている総合(国内合格者なら免除を使う)合格後は5年ごとの定期研修の対象になる場合がある
地元で体験・交流型のツアーを企画したい地域限定扱う範囲を広げたくなったら国内
会社で管理者が必要になり、国内旅行だけ扱う国内海外を扱う予定ができたら総合
高校生で、旅行の仕事に興味がある国内進路が決まってから総合を考える

地域限定から始めるメリット

地域限定に合格すると、その後の国内試験で法令の科目が免除になります(国内の免除B)。総合を受ける時も、法令が免除になります。

『地域限定は、範囲が狭いから意味がないんじゃない?』と思う方もいるかもしれません。実は、法令を先に片づけておけるので、段階を踏んで進みたい人には使いやすい入り口なんです。

地域限定試験の科目や免除については、地域限定旅行業務取扱管理者試験とは?日程・科目・免除と合格率を見てみてください。

いきなり総合を受ける前に確かめたいこと
  • 海外旅行実務の200点分を勉強する時間が取れるかを確かめる
  • 国内旅行実務(運賃・料金の計算や国内の地理)も同時に勉強する覚悟があるかを確かめる
  • 英語の読解問題に抵抗がないかを、公式の過去問で確かめる
  • 国内に合格して免除を使うルートと、どちらが自分に合うかを比べる

同じ年に国内と総合を両方受ける時の注意

両方受けられるが、国内の合格を総合の免除には使えない

国内と総合は、同じ年度に両方受験できます。ただし、同じ年度に国内に合格して、その結果で総合の科目免除を受けることはできません。

『国内は9月、総合は10月だから、国内に受かってから総合を免除で受ければいいのでは?』と考えた方もいますよね。

ここが、いちばん勘違いしやすいところです。総合の申込締切は8月上旬で、国内の合格発表は10月中旬です。申し込む時点では、まだ国内の合否が出ていないんです。

令和8年度で並べるとこうなる

令和8年度の日程を時系列に並べると、重なり方がよく分かります。

時期(令和8年)国内総合
6月18日から7月15日申込期間なし
7月16日から8月7日なし申込期間
9月3日から25日試験(日時を選ぶ)なし
10月16日合格発表なし
10月25日なし試験
12月10日なし合格発表(予定)

例えば、こんな会話になりがちです。

「国内に受かったら、その年の総合は2科目でいいんだよね?」
「同じ年度だと免除は使えないんだって。総合は全科目で準備しておこう」

この表を見ると、国内の合格発表は総合の申込締切より後です。だから、同じ年度に両方受けるなら、総合は免除なしの全科目(区分A)で申し込むことになります。

よくある勘違い

国内に合格すれば、その年の総合で法令と国内旅行実務が免除になると思い込んでしまうケースがあります。同じ年度の国内合格は、総合の免除に使えません。免除を使いたい場合は、翌年度以降に総合を受けます。

両方受けるなら、勉強の順番はこう考える

同じ年に両方受けると、9月に国内、10月に総合と試験が続きます。範囲が重なる法令・約款・国内旅行実務を先に固め、そのまま海外旅行実務を積み上げる流れが組みやすいです。

例えば、国内試験の日を9月上旬に予約しておけば、総合まで1か月以上あります。その期間を海外旅行実務の追い込みにあてる、という考え方ですね。

受験日を決めたら、申込の手順も早めに確かめておきましょう。3試験の申込方法の違いは旅行業務取扱管理者試験の申込方法|国内・総合・地域限定の手順で紹介しています。

年間の日程をもっと詳しく見たい方は、旅行業務取扱管理者の試験日はいつ?国内・総合・地域限定の年間日程も参考にしてみてください。

独学でいく?講座を使う?

どの試験を受けるかが決まったら、次は学び方です。独学・通信講座・通学スクールのどれも、合格を目指せる方法です。

『独学で大丈夫かな、それとも講座を使った方がいいのかな』と迷う方も多いですよね。

決め手になるのは、使える時間と、分からない所を聞ける相手がいるかです。国内旅行実務の運賃・料金の計算は、一人で解説を読んでもつまずきやすいところなんです。

独学が向きやすい人
  • 毎週、勉強の時間を自分で確保できる
  • 公式の過去問を使って、自分で弱点を探せる
  • 計算問題を何度も解き直すのが苦にならない
講座を考えたい人
  • 一人だと計画が崩れやすい
  • 運賃・料金の計算で、どこで間違えたか分からなくなる
  • 試験日から逆算した計画を立てるのが苦手

講座の種類や選ぶ時の観点は、旅行業務取扱管理者の講座の選び方|通信講座・スクール・独学を比較で紹介しています。

旅行業務取扱管理者ガイド

講座を使って効率よく合格を目指したい方へ

旅行業務取扱管理者試験は、法令・約款の暗記に加えて、運賃・料金の計算や地理など範囲が広いのが特徴です。独学で進めるか、通信講座やスクールで質問や模試の機会を得ながら学ぶか。講座の種類と比べ方、資料請求で確かめたい点をまとめました。

無料旅行業務取扱管理者の講座の選び方を見る

試験の日程・受験手数料は各試験の実施機関(JATA・ANTA・観光庁)の案内で最新情報を確認してください。

旅行業務取扱管理者試験でよくある相談

多いのは「国内と総合の関係」についての相談

試験についての相談で目立つのは、国内と総合のどちらから受けるか、両方必要なのか、という悩みです。代表的な3つに答えます。

総合に合格したら、国内は受けなくていい?

総合旅行業務取扱管理者試験に合格した場合、国内の試験も受ける必要があるのか、という相談です。

結論から言うと、管理者に選ばれる資格という意味では、国内を別に受ける必要はありません。旅行業法では、国内旅行だけを扱う営業所の管理者は、総合か国内の合格者から選ぶことになっています。

つまり、総合の合格者は国内旅行だけの営業所でも管理者になれます。総合は、国内の範囲をカバーしたうえで海外まで扱える資格なんです。

国内を持っていなくても、総合は受けられる?

国内旅行業務取扱管理者の資格がなくても、総合の試験を受けられるのか、という相談です。

はい、受けられます。総合にも受験資格はないので、国内の合格は条件ではありません。

ただ、国内を持っていない場合は全科目(区分A)での受験になります。令和7年度の区分Aの合格率は11.7%で、国内合格者が受ける区分Eの29.6%とは差があります。

『それなら国内から受けた方がいいの?』と迷いますよね。勉強に使える期間に余裕があるなら、国内で法令と国内旅行実務を固めてから総合へ進む道も考えてみてください。

今から勉強して、来年に国内と総合の両方に合格できる?

国内と総合の両方を今から勉強して、来年どちらも合格できる可能性はあるか、という相談です。

両方を同じ年度に受けること自体はできます。範囲が重なる3科目を共通で勉強できるので、まとめて準備するのは理にかなっています。

ただ、総合には200点満点の海外旅行実務があり、英語の読解問題も出ます。勉強時間は人によって大きく違うので、次のように自分に聞いてみてください。

  • 「週にどのくらい、机に向かえる時間を取れる?」
  • 「国内の範囲を夏までに一通り終えられそう?」

どちらも難しそうなら、1年目は国内、2年目に免除を使って総合、という順番も立派な作戦です!

よくある質問

旅行業務取扱管理者試験には受験資格がありますか?

総合・国内・地域限定とも、年齢・学歴・国籍などの受験資格はありません。不正行為で受験を止められている人を除けば、誰でも受けられます。

国内と地域限定は同じ年に両方受けられますか?

令和8年度は、国内が9月3日から25日のCBT方式、地域限定が9月27日で、試験日は重なっていません。申込先と申込方法が別なので、それぞれの受験案内で手続きを確かめてみてください。

旅行業務取扱管理者試験の受験手数料はいくらですか?

令和8年度は、総合が13,000円(非課税)+システム利用料660円、国内が8,000円(非課税)+システム利用料660円、地域限定が5,500円(収入印紙)です。

合格したら資格の更新は必要ですか?

合格の更新制度はなく、合格はそのまま有効です。ただし、管理者に選ばれた人は5年ごとの定期研修の対象になります。

3つの試験の合格率はどのくらいですか?

令和7年度は、総合26.1%、国内35.6%、地域限定49.0%でした。総合で全科目を受けた区分Aに限ると11.7%です。

まとめ

この記事の要点
  • 旅行業務取扱管理者試験は、総合・国内・地域限定の3種類の国家試験
  • 実施機関は総合がJATA、国内がANTA、地域限定が観光庁で、申込も別々
  • 国内はCBT方式で日時を選んで受け、総合と地域限定はマークシート
  • 海外旅行に関わるなら総合、国内旅行だけなら国内、地元の旅行だけなら地域限定が候補
  • 同じ年度の国内合格は、総合の科目免除に使えない

どの試験を受けるか決まったら、まずは公式の過去問を1年分だけ開いてみましょう!

総合試験の受験区分や配点が気になる方は、総合旅行業務取扱管理者試験とは?受験区分A〜Hと日程・配点も読んでみてください。

旅行業務取扱管理者ガイド

旅行業務取扱管理者ガイド 編集部

総合・国内・地域限定の旅行業務取扱管理者試験の仕組み、合格率と科目ごとの対策、過去問や講座を使った勉強法、資格を仕事に活かす方法までを、はじめて受験する人の目線で整理している情報サイトです。 公式サイト

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