旅行業務取扱管理者の定期研修|5年ごとに受ける研修の中身

旅行業務取扱管理者の定期研修の対象者と5年ごとの受講を解説する記事のアイキャッチ

当サイトの記事は編集部が観光庁・日本旅行業協会(JATA)・全国旅行業協会(ANTA)などの公開情報を調べて独自に執筆しています。試験の日程・受験手数料・法令は変更されることがあるため、最新の情報は各試験の実施機関のサイトで確認してください。

旅行業務取扱管理者に選任されたら、5年ごとに定期研修を受けると聞いた。でも、自分が対象なのか、何のための研修なのかがよく分からない。そんな方も多いはずです。

結論から言うと、定期研修は選任されている管理者が5年ごとに受ける研修で、合格しただけの人は対象ではありません。

この記事を読むと、自分が受ける必要があるかの判定と、受けない時に会社が困ることが分かります。

目次

旅行業務取扱管理者の定期研修とは?選任された人のための研修

先に結論

旅行業者等は、選任した旅行業務取扱管理者に、5年ごとに旅行業協会が実施する研修を受けさせなければなりません(旅行業法第11条の2第7項・施行規則第10条の6)。これが定期研修です。

『資格に更新はないと聞いたのに、研修はあるの?』と混乱しますよね。

実は、ここがいちばんの勘違いポイントなんです。資格そのものには更新制度がなく、合格は有効のままです(ANTA)。定期研修が求められるのは、営業所で管理者として選任されている立場に対してです。

資格の全体像を先に知りたい方は、旅行業務取扱管理者とは?から読むと分かりやすいですよ。

研修の目的と実施する団体

ANTAの説明では、定期研修は選任された管理者が職務に必要な知識と能力を高めるための研修です。実施するのは旅行業協会で、ANTA(全国旅行業協会)とJATA(日本旅行業協会)が行っています。

項目中身
根拠旅行業法第11条の2第7項・施行規則第10条の6
受けさせる側旅行業者・旅行業者代理業者
受ける人営業所で選任されている管理者(選任見込みを含む)
間隔5年ごと
実施する団体旅行業協会(ANTA・JATA)
受けていない時旅行業の更新登録の拒否事由に当たる

表の「受けさせる側」に注目してみてください。法律が義務を課しているのは、管理者本人というより、管理者を選任した旅行業者等なんです。

研修の中身はどう確かめる?

タイトルの「研修の中身」が気になって読んでいる方もいますよね。

ANTAの案内では、研修の目的は「職務に関し必要な知識及び能力の向上」とされています。日程や受講の方法、受講料、詳しいカリキュラムは年度ごとに変わることがあるので、各協会の受講案内で確かめてみてください。

受講案内の見つけ方

ANTAのサイトでは、「試験・研修」の中に「旅行業務取扱管理者定期研修受講案内」があります。制度の説明はANTA 旅行業務取扱管理者定期研修とはで読めます。

自分は受ける?受けなくていい?定期研修の判定表

「選任されているか」と「直近5年に合格・修了したか」で決まる

定期研修の対象かどうかは、選任されているかどうかと、直近5年以内に試験に合格したか、定期研修を修了したかで判断できます。

『自分は対象なのかどうか、それだけ知りたい』という方のために、状況ごとに判定表を作りました。上から順に、自分に当てはまる行を探してみてください。

あなたの状況定期研修理由
合格したが、どの営業所にも選任されていない対象外受講資格は選任されている人(見込みを含む)だから
選任されていて、直近5年以内に試験に合格した対象外直近5年以内の合格者は除かれるため
選任されていて、5年以内に定期研修を修了した対象外5年以内の修了者は除かれるため
選任されていて、合格も修了も5年より前対象5年ごとの受講が必要
これから選任される予定(選任見込み)対象になりうる選任見込みの人も受講資格に含まれる
新しく旅行業の登録を受ける会社の管理者対象になりうる新規登録の旅行業者等の選任管理者も対象
旅行業務取扱管理者の定期研修が必要かどうかを、選任の有無と直近5年の合格・修了で判定する流れの図解

判定する時に見る書類

判定に迷ったら、手元の書類で日付を確かめると早いです。

判定の前に確かめること
  • 合格証で、旅行業務取扱管理者試験に合格した年度を確かめる
  • 前回の定期研修の修了日を確かめる
  • 今どの営業所の管理者に選任されているかを会社に確かめる
  • 会社の旅行業の登録がいつ更新になるかを確かめる

例えば、5年以上前に国内の試験に合格し、この春から営業所の管理者に選ばれた場合を考えてみてください。

「管理者になったので、定期研修の対象か確かめたいです」
「合格から5年を超えていて、研修もまだなら対象の行ですね」

このように、合格年度と選任の時期をそろえて見るのがコツです。

旅行業者代理業者で働いている場合

旅行業者代理業者の管理者は、所属している旅行業者の更新登録の時期に合わせて受講することになっています(ANTA)。

自分の会社の登録ではなく、所属先の旅行業者のスケジュールに合わせるんですね。時期は社内の担当者に確かめておきましょう。

受けないとどうなる?更新登録で困ること

困るのは本人より、会社の登録の更新

定期研修を受講修了していない場合、旅行業の更新登録の拒否事由に当たるとANTAは案内しています。会社にとって大きな影響が出る決まりです。

『受けなかったら、自分の資格がなくなるの?』と心配になりますよね。

資格は取り消されるわけではありません。困るのは、管理者を選任している会社のほうなんです。旅行業の更新登録を受けられないと、会社は旅行業を続けにくくなってしまいます。

立場研修を受けていない時に起きること
管理者本人合格そのものは有効のまま
旅行業者更新登録の拒否事由に当たる
旅行業者代理業者所属旅行業者の更新登録の時期に合わせた受講が求められる
これから登録する会社登録申請中の事業者に従事し、選任管理者一覧表に記載した人が受講対象になる

受講が集中する時期がある

ANTAの案内には、受講希望者が一時期に集中するおそれがあり、観光庁の通達で受講の優先順位を考えることがある、と書かれています。

つまり、更新の直前になって申し込もうとしても、希望どおりに受けられないことも考えられます。早めに動いておくと安心ですよね。

「登録の更新は来年だから、研修はまだ先でいいかな」
「受付が混むこともあるので、対象者だけでも今のうちに洗い出しておきましょう」

社内でこんなやりとりができていれば、直前に慌てずに済みます。

更新登録に間に合わせる流れの例
  1. 会社の旅行業の登録がいつ更新になるかを確かめる
  2. 選任している管理者ごとに、合格年度と前回の修了日を一覧にする
  3. 対象になる管理者を判定表で洗い出す
  4. 協会の受講案内で、受付の時期と方法を確かめる
  5. 修了したら、修了を示す書類を社内で保管する
よくある失敗

「資格に更新はない」と聞いて、定期研修も要らないと思い込んでしまうことがあります。選任されている管理者は別、と覚えておきましょう。

名前が似ている研修と、どう見分ける?

定期研修以外の研修は、目的がまったく違う

旅行業務取扱管理者の周りには、名前の似た研修がいくつかあります。試験の科目免除のための研修や、添乗員のための研修と混ぜないことが大事です。

『国内旅行業務取扱管理者研修と定期研修は同じもの?』という質問もよく見かけます。実は、目的も受けられる人も違うんです。

研修の名前目的受けられる人
旅行業務取扱管理者定期研修選任された管理者の知識と能力の向上選任されている管理者(見込みを含む)
国内旅行業務取扱管理者研修(ANTA)修了年度と次年度の国内試験で国内旅行実務が免除最近5年以内に3年以上国内旅行業務に従事し、今も従事している人
総合旅行業務取扱管理者研修(JATA)総合試験の科目免除直近5年以内に3年以上の海外旅行業務の経験がある旅行会社勤務の人
地域限定旅行業務取扱管理者研修(ANTA)地域限定試験の科目免除受講案内で確認
旅程管理研修主任添乗員の要件の一部旅行業務の従事者または従事予定者
旅行業務取扱管理者の定期研修と、科目免除の研修や旅程管理研修の目的の違いを並べた図解

国内旅行業務取扱管理者研修は、例年5月中・下旬頃に行われる試験対策寄りの研修です。一般の人は受講できず、修了テストもあります。

科目免除のしくみは国内旅行業務取扱管理者の科目免除で詳しく紹介しています。添乗員の研修については旅程管理主任者との違いで比べています。

旅行業務取扱管理者の定期研修でよくある相談

相談の多くは「自分が対象か」と「受講に何が要るか」

定期研修の相談では、選任前の受講や、昔の合格者の扱い、研修のイメージについてよく聞かれます。代表的なものに答えます。

登録前で、管理者の証明書をまだ持っていない

5年ごとの定期研修を受ける予定だが、受講に管理者の証明書が要るらしい。まだ旅行業の登録をしておらず持っていない、という相談です。

ANTAの案内では、これから登録を取る予定の場合、登録申請中の事業者に従事し、行政庁に出す選任管理者一覧表に記載した人が受講資格を持ちます。管理者の証明書は、所属する旅行業者等が発行するものだとANTAは説明しています。

受講に必要な書類は年度の受講案内で決まるので、申し込む前に協会へ問い合わせてみてください。

30年ほど前に合格し、今は旅行業と関係ない仕事をしている

昔、国内旅行業務取扱主任者の資格を取ったが、旅行業とは関係ない職場にいる。定期研修を受けないと資格が切れるのか、という相談です。

資格そのものに更新制度はなく、合格は有効のままです。旧名称の合格者も、手続きや受け直しは要りません。定期研修は選任されている管理者が受けるものなので、今選任されていなければ対象ではないんです。

ただ、これから旅行会社で管理者に選任されることになったら、その時点で判定表を見直してみてください。資格取得後の扱いは資格取得の流れ|合格証・更新・再交付でもまとめています。

高校生でも受験できる?研修も受けないといけない?

旅行業務取扱管理者の資格は高校生でも受けられるのか、研修はどんな感じなのか、という相談です。

試験には、年齢・学歴・国籍などの制限がありません。研修を受けていなくても、試験に申し込めます。

定期研修は、合格して旅行会社の営業所で管理者に選任されてから関わってくるものです。高校生のうちに気にする必要はないので、まずは試験の勉強に集中して大丈夫ですよ。

独学でいくか、講座を使うかの考え方

定期研修の話を読んで、「まずは試験に受からないと始まらない」と感じた方もいますよね。試験に受かってから5年以内に選任されれば、その間は定期研修の対象外です。

独学で合格を目指す方もたくさんいます。ただ、仕事と両立しながら計画を立てるのが不安な方は、講座の資料を見比べてから決めると安心です。

旅行業務取扱管理者ガイド

講座を使って効率よく合格を目指したい方へ

旅行業務取扱管理者試験は、法令・約款の暗記に加えて、運賃・料金の計算や地理など範囲が広いのが特徴です。独学で進めるか、通信講座やスクールで質問や模試の機会を得ながら学ぶか。講座の種類と比べ方、資料請求で確かめたい点をまとめました。

無料旅行業務取扱管理者の講座の選び方を見る

試験の日程・受験手数料は各試験の実施機関(JATA・ANTA・観光庁)の案内で最新情報を確認してください。

よくある質問

旅行業務取扱管理者の定期研修は誰が受けるのですか?

旅行業者や旅行業者代理業者の営業所で、管理者として選任されている人(選任見込みを含む)です。合格しただけで選任されていない人は対象ではありません。

定期研修は何年ごとですか?

5年ごとです。直近5年以内に試験に合格した選任管理者や、5年以内に定期研修を修了した選任管理者は除かれます。

定期研修を受けないと資格がなくなりますか?

資格そのものは有効のままです。ただ、受講修了していない場合は、会社の旅行業の更新登録の拒否事由に当たります。

定期研修はどこが実施していますか?

旅行業協会のANTA(全国旅行業協会)とJATA(日本旅行業協会)です。日程や申し込み方法は各協会の受講案内で確かめてみてください。

国内旅行業務取扱管理者研修と定期研修は同じですか?

別のものです。国内旅行業務取扱管理者研修は、国内試験の国内旅行実務を免除するための研修で、旅行業務の実務経験がある人だけが受けられます。

まとめ

この記事の要点
  • 定期研修は、選任された旅行業務取扱管理者が5年ごとに受ける研修
  • 義務を負うのは、管理者を選任した旅行業者等
  • 直近5年以内の試験合格者や、5年以内の修了者は対象外
  • 受講修了していないと、旅行業の更新登録の拒否事由に当たる
  • 科目免除の研修や旅程管理研修とは目的が違う

営業所ごとの管理者の人数や、兼務の決まりは旅行業務取扱管理者の選任義務で確かめられます。まずは判定表で、自分と会社の管理者の状況を見てみてください。

旅行業務取扱管理者ガイド

旅行業務取扱管理者ガイド 編集部

総合・国内・地域限定の旅行業務取扱管理者試験の仕組み、合格率と科目ごとの対策、過去問や講座を使った勉強法、資格を仕事に活かす方法までを、はじめて受験する人の目線で整理している情報サイトです。 公式サイト

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次