学生が旅行業務取扱管理者を取るには?受験者の3割が学生のデータから

学生が旅行業務取扱管理者を取るための試験の選び方と勉強の進め方を解説する記事のアイキャッチ

当サイトの記事は編集部が観光庁・日本旅行業協会(JATA)・全国旅行業協会(ANTA)などの公開情報を調べて独自に執筆しています。試験の日程・受験手数料・法令は変更されることがあるため、最新の情報は各試験の実施機関のサイトで確認してください。

旅行や観光の仕事に興味があって、学生のうちに旅行業務取扱管理者を取れないか考えている。そんな方も多いはずです。

結論から言うと、旅行業務取扱管理者は年齢や学歴の制限なく受けられ、国内試験では申込者の約3割が学生です。学生が受けるのは珍しいことではなく、日程の組み方さえ押さえれば十分に挑戦できます。

この記事を読むと、学生が受ける試験の選び方と、夏休みを活かした受け方、授業と両立する勉強の進め方が分かります。

目次

旅行業務取扱管理者を受ける学生はどのくらい?

先に結論

令和7年度(2025年度)の国内試験では、申込者12,376人のうち学生が3,715人(30.0%)でした。会社員の3,894人(31.4%)とほぼ同じくらい、学生が受けている試験なんです。

『学生で受けるのは、自分くらいなんじゃないか』と不安に思う方もいますよね。実は、そんなことはありません。

ANTAが公表している令和7年度の国内試験の申込者を、職業別に表にしました。

職業申込者割合
会社員3,894人31.4%
学生3,715人30.0%
旅行業1,821人14.7%
無職・その他1,154人9.3%
運送業626人5.1%
観光業626人5.1%
宿泊業540人4.4%

前の年の令和6年度(2024年度)も、申込者13,316人のうち学生が4,338人(32.6%)で、職業別でいちばん多い層でした。2年続けて、学生がまとまって受けている資格だと言えますね。

国内試験の令和7年度の申込者を職業別に並べ、学生が約3割を占めることを示した図解

年齢で見ると、10代・20代前半も多い

令和7年度の申込者を年齢別に見ると、19歳以下が1,915人(15.5%)、20〜24歳が2,214人(17.9%)でした。高校生や大学生の年代が、合わせて3割を超えています。

合格者3,675人のうち、学生は870人(23.7%)でした。学生のうちに合格している人も、たくさんいるんです。

データの見方

ここで紹介した数字は、国内試験(ANTA)の公表データです。総合や地域限定の試験は、実施機関も受験者の顔ぶれも違います。国内試験そのものについては国内旅行業務取扱管理者とは?で紹介しています。

学生が受けるなら、国内・総合・地域限定のどれから?

迷ったら国内から

はじめて受ける学生なら、科目が3つで日程を選べる国内試験から始めるのが進めやすい方法です。国内に合格すると、次の年度以降の総合で業法と国内旅行実務が免除になります。

旅行業務取扱管理者には、総合・国内・地域限定の3種類があります。『いきなり総合を受けてもいいの?』と迷いますよね。

受験資格の制限はないので、どれから受けても構いません。ただ、範囲と試験の形が違うので、学生の生活に合わせて選ぶのがおすすめです。

比べる点国内総合地域限定
実施機関ANTAJATA観光庁
試験の形CBT(パソコン)マークシートマークシート
試験日(令和8年度)9月3日〜25日から選ぶ10月25日(日)9月27日(日)
科目法令・約款・国内旅行実務業法・約款・国内旅行実務・海外旅行実務法令・約款・国内旅行実務(範囲が狭い)
受験手数料(令和8年度)8,000円+システム利用料660円13,000円+システム利用料660円5,500円(収入印紙)
試験地全国47都道府県のテストセンター全国8か所東京・大阪
合格率(令和7年度)35.6%26.1%49.0%

国内から始めるよいところ

国内試験は、全国のテストセンターで、決められた期間の中から日時を選んで受けます。授業やアルバイトの予定に合わせやすいのは、学生にはうれしいところですよね。

科目も3つで、総合の海外旅行実務のような広い範囲はありません。まず国内で合格の手応えをつかんでから、総合に進む考え方もあります。

国内から受けるよいところ
  • 日時を選べるので予定に合わせやすい
  • 科目が3つで範囲を絞りやすい
  • 合格すると総合の2科目が免除になる
気をつけたいところ
  • 海外旅行を扱う営業所の管理者にはなれない
  • 運賃・料金の計算に慣れるまで時間がかかる
  • 申込期間が6月から7月で、春に準備を始めたい

地域限定から受ける場合

地域限定は、範囲が3種類の中でいちばん狭い試験です。令和7年度(2025年度)の合格率は49.0%でした。

ただ、試験地は東京と大阪の2か所だけで、願書は写真を貼って簡易書留郵便で送ります。地方に住んでいる学生は、移動の負担も含めて考えてみてください。

地域限定に合格すると、国内試験では法令が免除になる区分で受けられます。地元の観光に関わりたい学生には、こうした順番もありです。

同じ年度に国内と総合を両方受けることもできる

同じ年度に、国内と総合の両方を受けることはできます。ただし、同じ年度に国内に合格して、その結果で総合を一部免除で受けることは、受付締切の関係でできません。

両方を一度に受けると、総合は全科目で受けることになります。令和7年度の総合の全科目受験(区分A)の合格率は11.7%だったので、時間に余裕があるかで決めてみてください。

学生が受けるタイミングは?夏休みとCBTの日程から考える

国内のCBTは9月で、大学の夏休みと重なりやすい

令和8年度の国内試験は9月3日から25日の間で日時を選べます。申込期間は6月から7月なので、春に勉強を始めて夏休みで仕上げる流れが組みやすいんです。

学生が受ける時に気になるのが、試験と授業・テストの時期の重なりですよね。令和8年度(2026年度)の日程を表にしました。

試験申込期間(令和8年度)試験日合格発表
国内6月18日(木)10:00〜7月15日(水)23:599月3日(木)〜25日(金)から選ぶ10月16日(金)午前11時以降
総合7月16日(木)〜8月7日(金)10月25日(日)12月10日(木)予定
地域限定7月6日(月)〜7月31日(金)消印有効9月27日(日)11月13日(金)予定

日程は毎年変わる可能性があります。最新の日程は各実施機関の案内で確認してみてください。国内試験の受験案内はANTAの試験・研修のページから見られます。

申込は、前期のテストの時期と重なりやすい

国内試験の申込期間は6月中旬から7月中旬です。大学では前期のテストやレポートが重なる時期なので、申し込み忘れに気をつけたいところです。

国内試験を受けるまでの流れ(令和8年度の例)
  1. 4月から5月に、教材をそろえて勉強を始める
  2. 6月18日からの申込期間に、インターネットで申し込む
  3. 申し込みと一緒に、テストセンターと受験日時を予約する
  4. 7月から8月の夏休みに、過去の出題例で仕上げる
  5. 9月3日から25日のうち予約した日時に受験する
  6. 10月16日午前11時以降に、マイページで結果を確かめる

試験当日は、顔写真付きで有効期限内の本人確認書類の原本がいります。受付は試験開始の30分前から15分前までなので、時間に余裕を持って向かいましょう。CBTの当日の流れは国内旅行業務取扱管理者のCBT試験とは?で紹介しています。

『パソコンで受ける試験は初めてで不安』という方もいるかもしれませんね。ANTAによると、マウスの操作ができれば受験でき、CBTの体験試験で練習することもできます。

試験中は電卓やスマホは使えず、メモ用紙と筆記用具は会場で貸し出されます。計算問題は、普段から手で計算する練習をしておくと本番で慌てません。

よくある失敗

申込と予約は日程内で1回限りで、受験手数料は返還されません。ゼミの合宿や旅行の予定を確かめてから、受験日時を予約するようにしましょう。

総合を受けるなら、秋の日曜日

総合は、令和8年度は10月25日(日)に全国8か所の試験地で行われます。申込期間は7月16日から8月7日で、インターネットのみの受付です。

国内のCBTと違い、決まった日時に会場でマークシートの試験を受けます。後期の授業が始まっている時期なので、9月の間に仕上げておく計画が向いています。

学年ごとの考え方

学生といっても、学年によって使える時間や就職活動との距離が違います。学年ごとの考え方の例を表にしました。

学年の例考え方の例
高校生受験資格の制限はないので受けられる。大学受験との兼ね合いで年度を選ぶ
大学1年・専門学校1年新しい生活に慣れてから、翌年の受験を目標にするのも1つの方法
大学2年・専門学校2年夏休みを使いやすく、就職活動の前に結果が出る
大学3年就職活動の準備と重なるので、勉強の時間を先に確保する
大学4年内定先が旅行業なら、入社前に受けておく考え方もある

授業・サークル・アルバイトと両立する勉強の進め方

計画は「週に使える時間×週の数」で考える

勉強に必要な時間は、人によって違います。まず試験日から逆算して、週に何時間使えるかと、何週あるかを書き出してみるのが出発点です。

『授業もアルバイトもあるのに、勉強の時間なんて取れるかな』と心配になりますよね。

学生は、まとまった時間が取れる時期と取れない時期の差が大きいのが特徴です。だからこそ、時期ごとに勉強の量を変える計画が合っています。

計画表の例

4月に始めて9月に国内試験を受ける場合の、計画の立て方の例です。週の時間は自分の生活に合わせて置き換えてみてください。

時期週に使う時間の例週の数の例やること
4月〜6月(授業期間)週4時間12週法令と約款のテキストを読み、章ごとの問題を解く
7月(テスト期間)週2時間4週覚えた所の復習だけにする
8月〜9月(夏休み)週10時間5週運賃・料金の計算と、過去の出題例を繰り返す

この例だと、4時間×12週、2時間×4週、10時間×5週で、合わせて106時間になります。これが目安というわけではなく、自分の時間を数字にすると計画が立てやすくなる、という例です。勉強時間の考え方は旅行業務取扱管理者の勉強時間とスケジュールで詳しく紹介しています。

授業期間・テスト期間・夏休みで勉強の量を変える、学生向けの計画の立て方を示した図解

公式の出題例と過去問を使う

ANTAは国内試験の年度別の出題例と解答を、JATAは総合の過去5年分の試験問題と正解を公開しています。どちらも無料で見られるので、学生にはありがたい教材ですよね。

ただし、試験はその年の基準日の法令で作られています。古い年度の問題には、法改正の前の内容が含まれていることもあるので、解説はテキストの最新版で確かめておきましょう。

学生がつまずきやすい所

学生がつまずきやすいのは、旅行の取引の経験がない分、約款の言葉がイメージしにくいことです。取消料や契約書面と言われても、場面が浮かびにくいんですよね。

そんな時は、自分が旅行を申し込む側になったつもりで読んでみてください。

「家族旅行をキャンセルしたら、いつからお金がかかるんだろう?」

こう考えると、約款の条文が身近な話に変わります。運賃・料金の計算は慣れが大きいので、夏休みに時間をかけて練習するのがおすすめです。

学生の勉強を続けるためのチェック
  • 試験日と申込期間をスケジュール帳に書き込む
  • 授業期間・テスト期間・夏休みで、週の勉強時間を分けて決める
  • 法令と約款は授業期間に、計算は夏休みにまとめて進める
  • 同じ試験を受ける友だちがいれば、問題を出し合う
  • 公式の出題例で、本番の形式に慣れておく

就職活動で、資格をどう伝える?

資格の名前より、学んだことと使いたい場面を話す

採用で資格をどう見るかは、会社や職種によって違います。面接では、資格を持っていることより、学んだ知識を仕事のどんな場面で使いたいかを話せると伝わりやすくなります。

『資格があれば、旅行会社の就職に有利になるの?』と気になりますよね。

旅行会社は、法律で営業所ごとに旅行業務取扱管理者を選任しなければなりません。資格を持つ人が営業所に必要なのは確かですが、採用の判断は会社ごとに違います。

例えば、面接ではこんな伝え方ができます。

「国内旅行業務取扱管理者の勉強で、取消料や契約書面のルールを学びました」
「窓口でお客さまに説明する時に、その知識を使いたいと考えています」

勉強の計画をどう立てて、どこでつまずき、どう乗り越えたかも話の材料になります。職種ごとの資格の見られ方は、旅行業務取扱管理者は就職に役立つ?で紹介しています。

学生のうちに取っておくと楽になること

旅行業務取扱管理者には更新制度がなく、合格は有効のままです。学生のうちに合格しておけば、働き始めてから試験勉強の時間を作らなくて済みます。

入社後は、仕事を覚えながら勉強することになります。時間を取りやすい学生のうちに挑戦しておく、という考え方もできますね。

結果待ちの時期の書き方

国内試験の合否は10月中旬に出ます。それより前にエントリーシートを書く時は、「受験予定」「受験済み・結果待ち」と正直に書いて大丈夫です。

学生の旅行業務取扱管理者でよくある相談

相談は「学生でも取れるか」と「どれを取るか」に集まる

学生からの相談では、学生のうちに取るのは難しいのか、国内と総合のどちらを取るか、高校生でも受けられるかがよく聞かれます。代表的な3つに答えます。

大学生で取るのは難しい?

観光系の国家資格を大学生のうちに取るのは難しいのか、という相談です。

令和7年度の国内試験の合格率は35.6%で、準備なしで受かる試験ではありません。ただ、合格者のうち学生は870人いて、学生のうちに合格している人はたくさんいます。

学生は、社会人に比べて夏休みなどのまとまった時間を取りやすいのが強みです。計画表を作って、時期ごとに勉強の量を変えてみてください。

国内と総合、どちらを取ればいい?両方取るべき?

大学に入ったばかりで、国内と総合のどちらを取るか、両方取るかで悩んでいる、という相談です。

海外旅行を扱う営業所の管理者になれるのは総合の合格者だけなので、両方取れればできることは広がります。ただ、総合は範囲が広く、令和7年度の全科目受験の合格率は11.7%でした。

国内に合格すると、次の年度以降の総合で業法と国内旅行実務が免除になります。例えば、2年生で国内、3年生で総合という順なら、無理なく両方を目指せますよ。

高校生でも受けられる?研修はどんなもの?

旅行業務取扱管理者は高校生でも受けられるのか、研修とは何か、という相談です。

受験資格に年齢や学歴の制限はないので、高校生も受けられます。令和7年度の国内試験では、19歳以下の申込者が1,915人いました。

一方、国内旅行業務取扱管理者研修は、旅行業者等で一定の期間働いている人が受けるものです。学生は受講できないので、全科目で受験することになります。

独学でいくか、講座を使うかの考え方

学生の場合、市販のテキストと公式の出題例を使って、独学で合格を目指す人もたくさんいます。費用を抑えられるのも、独学のよいところです。

一方で、運賃・料金の計算でつまずきやすい方や、一人だと計画が続かない方は、講座を使うのも1つの方法です。学び方の比べ方は講座の選び方で紹介しています。

旅行業務取扱管理者ガイド

講座を使って効率よく合格を目指したい方へ

旅行業務取扱管理者試験は、法令・約款の暗記に加えて、運賃・料金の計算や地理など範囲が広いのが特徴です。独学で進めるか、通信講座やスクールで質問や模試の機会を得ながら学ぶか。講座の種類と比べ方、資料請求で確かめたい点をまとめました。

無料旅行業務取扱管理者の講座の選び方を見る

試験の日程・受験手数料は各試験の実施機関(JATA・ANTA・観光庁)の案内で最新情報を確認してください。

よくある質問

学生でも旅行業務取扱管理者を受けられますか?

受けられます。3つの試験とも、年齢・学歴・国籍などの受験資格の制限はありません。令和7年度の国内試験では、申込者の30.0%が学生でした。

学生が受けるなら、いつがよいですか?

国内試験は9月に日時を選んで受けるCBT方式なので、大学の夏休みと重なりやすいです。申込期間は6月から7月なので、春から準備を始めておくと安心です。

大学1年生から受けても大丈夫ですか?

受験資格の制限はないので受けられます。新しい生活に慣れてから翌年に受ける考え方もあるので、使える時間で決めてみてください。

学生のうちに取ると、就職に有利になりますか?

採用で資格をどう見るかは会社ごとに違うので、一概には言えません。学んだ知識を、志望する仕事のどんな場面で使いたいかを話せるようにしておきましょう。

学生も研修を受けて科目を免除できますか?

国内旅行業務取扱管理者研修は、旅行業者等で一定の期間働いている人が対象で、学生は受講できません。全科目で受けることになります。

まとめ

この記事の要点
  • 令和7年度の国内試験では、申込者の約3割が学生だった
  • はじめて受けるなら、日時を選べて科目が3つの国内試験から始めやすい
  • 国内のCBTは9月で、申込は6月から7月なので、春に始めて夏休みで仕上げる
  • 計画は「週に使える時間×週の数」で時期ごとに組む
  • 就職活動では、資格の名前より学んだ知識と使いたい場面を話す

資格を取るメリットを詳しく知りたい方は、旅行業務取扱管理者を取るメリットも参考にしてみてください。

まずは今年の申込期間を確かめて、計画表に自分の週の時間を書き込んでみましょう。

旅行業務取扱管理者ガイド

旅行業務取扱管理者ガイド 編集部

総合・国内・地域限定の旅行業務取扱管理者試験の仕組み、合格率と科目ごとの対策、過去問や講座を使った勉強法、資格を仕事に活かす方法までを、はじめて受験する人の目線で整理している情報サイトです。 公式サイト

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