総合旅行業務取扱管理者の科目免除|国内合格者・研修・科目合格

総合旅行業務取扱管理者の科目免除と受験区分の見つけ方を解説する記事のアイキャッチ

当サイトの記事は編集部が観光庁・日本旅行業協会(JATA)・全国旅行業協会(ANTA)などの公開情報を調べて独自に執筆しています。試験の日程・受験手数料・法令は変更されることがあるため、最新の情報は各試験の実施機関のサイトで確認してください。

総合旅行業務取扱管理者を受けようと調べると、受験区分がAからHまであって、自分がどれなのか分からなくなりますよね。

結論から言うと、総合旅行業務取扱管理者の免除は、持っている資格・研修の修了・前年の科目合格の3種類から決まります。免除される科目を足し合わせれば、自分の受験区分は1つに決まるんです。

この記事を読むと、自分の免除の根拠から受験区分を逆引きする方法と、国内に合格した翌年に総合を受ける計画の立て方が分かります。

目次

総合旅行業務取扱管理者の免除とは?受ける科目が減る仕組み

先に結論

総合の試験は業法・約款・国内旅行実務・海外旅行実務の4科目です。条件を満たすと、このうち業法・国内旅行実務・海外旅行実務が免除になります。約款だけは、どの条件でも免除になりません。

『免除って、点数におまけがつくこと?』と思う方もいるかもしれません。

そうではなく、免除された科目は試験で受けなくてよくなる仕組みです。受ける科目だけで、それぞれ満点の60%以上を取れば合格になります。

旅行業法第11条の3では、旅行業協会の研修を修了した人などは試験の一部を免除できると決めています。どの資格でどの科目が免除になるかは、施行規則第20条に書かれています。

免除の根拠は6つある

令和8年度(2026年度)のJATAの受験案内では、免除の根拠として次の6つが挙げられています。

番号免除の根拠免除される科目
1国内旅行業務取扱管理者の有資格者業法・国内旅行実務
2令和7・8年度の総合旅行業務取扱管理者研修「海外旅行実務」の修了者海外旅行実務
3令和7・8年度の総合旅行業務取扱管理者研修「国内旅行実務」の修了者国内旅行実務
4令和7年度の総合試験で「海外旅行実務」に科目合格した人海外旅行実務
5令和7年度の総合試験で「国内旅行実務」に科目合格した人国内旅行実務
6地域限定旅行業務取扱管理者の有資格者業法

1と6は資格なので、期限はありません。2と3は研修の修了年度と次の年度、4と5は前年度の科目合格だけが対象です。

約款が免除にならない理由

約款の科目には、旅行業約款・運送約款・宿泊約款が入っています。国内でも地域限定でも約款は試験科目にありますが、総合の免除の根拠には約款が含まれていません。

旅行業務取扱管理者の試験免除は、試験ごとに別の決まり

旅行業務取扱管理者の免除は、総合・国内・地域限定の3つの試験でそれぞれ決まりが違います。施行規則第20条の内容を、総合とほかの試験で並べてみました。

持っているもの総合で免除される科目国内で免除される科目地域限定で免除される科目
国内の合格業法・国内旅行実務(受ける必要なし)(受ける必要なし)
地域限定の合格業法法令(受ける必要なし)
前年の国内旅行実務の合格点総合で取った場合だけ免除国内で取った場合だけ免除地域限定で取った場合だけ免除

ポイントは、国内旅行実務の科目合格が「同じ試験の次回」にしか使えないことです。総合で取った合格点は総合に、国内で取った合格点は国内に、とそれぞれの試験の中で完結しているんです。

国内試験の免除A・B・Cについては、国内旅行業務取扱管理者の科目免除で紹介しています。

試験全体の仕組みは、総合旅行業務取扱管理者試験とはで紹介しています。

免除の根拠から受験区分を逆引きする

免除される科目を全部足して、表で探す

自分に当てはまる根拠を書き出し、免除される科目をまとめます。その組み合わせを表で探せば、受験区分が分かります。

ここが、この記事でいちばん使ってほしいところです。受験区分を「区分の説明」から探すと迷いやすいので、逆に「自分の持っているもの」から探していきます。

自分の受験区分を見つける手順
  1. 前の章の6つの根拠のうち、自分に当てはまる番号に丸をつける
  2. 丸をつけた根拠ごとに、免除される科目を書き出す
  3. 同じ科目が重なったら1つにまとめる
  4. まとめた科目の組み合わせを、下の逆引き表で探す
  5. 申し込む前に、JATAの受験案内の区分の説明と見比べる

受験区分の逆引き表

免除される科目の組み合わせと、当てはまる根拠の例を並べました。根拠の番号は、前の章の表の番号です。

免除される科目受験区分受ける科目当てはまる根拠の例
なしA業法・約款・国内旅行実務・海外旅行実務根拠なし
海外旅行実務B業法・約款・国内旅行実務2か4
国内旅行実務C業法・約款・海外旅行実務3か5
国内旅行実務・海外旅行実務D業法・約款3か5と、2か4
業法・国内旅行実務E約款・海外旅行実務1だけ
業法・国内旅行実務・海外旅行実務F約款1と、2か4
業法G約款・国内旅行実務・海外旅行実務6だけ
業法・海外旅行実務H約款・国内旅行実務6と、2か4

例えば、国内の有資格者で前年に海外旅行実務の科目合格をしている場合です。業法・国内旅行実務・海外旅行実務が免除になるので、区分Fで約款だけを受けます。

地域限定の有資格者が、国内旅行実務の研修も修了している場合も考えてみましょう。業法と国内旅行実務が免除になるので、組み合わせとしては区分Eと同じになります。

総合旅行業務取扱管理者の6つの免除の根拠から、免除される科目を足し合わせて受験区分AからHを逆引きする流れを示した図解

区分によって合格率は大きく違う

受ける科目の数が変わると、合格率も変わります。JATAの令和7年度の実施結果を区分ごとに並べました。

受験区分受験者合格者合格率
A(免除なし)1,948人227人11.7%
B(海外旅行実務を免除)101人49人48.5%
C(国内旅行実務を免除)443人26人5.9%
D(業法・約款だけ受ける)507人294人58.0%
E(約款・海外旅行実務を受ける)1,313人389人29.6%
F(約款だけ受ける)201人194人96.5%

『海外旅行実務が残る区分は、合格率が低め?』と気づいた方もいるはずです。表を見ると、海外旅行実務を受ける区分A・C・Eは、免除される区分B・D・Fより低くなっています。

200点の海外旅行実務をどう乗り切るかが、総合の合格を左右するんです。

国内に合格した人の免除は?翌年に区分Eで受ける

国内の合格者は、総合で業法と国内旅行実務が免除になる

国内の有資格者は、総合では約款と海外旅行実務の2科目を受ける区分Eです。令和7年度の区分Eの合格率は29.6%で、区分Aの11.7%より高くなっています。

総合の免除でいちばん多く使われているのが、この国内合格による免除です。令和7年度は1,313人が区分Eで受験しています。

国内の合格に期限はありません。何年前に国内に合格した人でも、総合を受ける時は区分Eで申し込めます。

同じ年の国内合格では、免除を使えない

ここは勘違いしやすいところです。同じ年度に国内と総合の両方を受けることはできますが、その年の国内に合格して同じ年の総合を免除付きで受けることはできません。

令和8年度で見ると、総合の申込期間は7月16日から8月7日です。国内の合格発表は10月16日なので、総合の申込の時点ではまだ合格が分かっていないんです。

よくある勘違い

国内と総合に同じ年に申し込むと、総合は国内の免除なしで受けることになります。免除を使って2科目に絞りたいなら、総合は国内に合格した翌年度以降に受けましょう。

国内合格の翌年に総合を受ける計画例

国内から総合へ進む時の1年目と2年目の流れを、令和8年度の日程に当てはめました。2年目の日程は年度ごとに変わるので、目安として見てください。

時期やることここでのポイント
1年目の6月から7月国内試験に申し込む令和8年度は6月18日から7月15日
1年目の9月国内試験をCBTで受ける令和8年度は9月3日から25日の間
1年目の10月国内の結果を確かめる令和8年度は10月16日
1年目の冬約款を総合の範囲で復習する国内で学んだ内容を土台にする
2年目の春から夏海外旅行実務を中心に勉強する中身ごとに進み具合を記録する
2年目の7月から8月総合に区分Eで申し込む令和8年度はインターネット申請のみ
2年目の10月総合を受ける令和8年度は10月25日(日)

『2年かかるなら、同じ年に両方受けたほうが早いのでは?』と思いますよね。たしかに両方に合格すれば1年で済みますが、その場合の総合は区分Aの4科目です。

どちらが合うかは、1年に使える勉強時間しだいです。国内と総合の比べ方は、国内と総合の旅行業務取扱管理者の違いでくわしく紹介しています。

区分Eの2科目は、配分を決めてから進める

区分Eで受けるのは、約款(100点)と海外旅行実務(200点)です。どちらも満点の60%以上が必要なので、得意な科目で苦手な科目をカバーすることはできません。

区分Eの勉強を始める前のチェック
  • 約款の範囲に、国内では学ばなかった部分がないか確かめた
  • 海外旅行実務の中身(運送機関の料金・法令・出入国手続・主要国の観光・語学)を書き出した
  • 試験日までの週数と、1週間に使える時間を書き出した
  • 2科目に回す時間の割合を決めた
  • JATAが公開している過去5年分の問題を手元に用意した

海外旅行実務の進め方は、総合旅行業務取扱管理者の海外旅行実務で紹介しています。

旅行会社で働く人は、研修で免除を受けられる

総合の研修は、海外旅行業務の経験がある旅行会社の社員向け

JATAの総合旅行業務取扱管理者研修は、旅行会社に勤めていて、直近5年以内に3年以上の海外旅行業務の経験がある人が受けられます。一般の人は受講できません。

『旅行会社で働いていれば、試験が免除になるの?』という声をよく聞きます。

旅行会社に勤めているだけで、試験の科目が免除になるわけではありません。総合の研修を修了した人が、その科目の免除を受けられる仕組みなんです。

研修には「海外旅行実務」と「国内旅行実務」があります。令和8年度の総合試験では、令和7・8年度に修了した人が免除の対象です。

研修による免除を使うかのチェック

研修を使えるかどうかは、勤め先と経験で決まります。次の点を確かめてみてください。

総合の研修を使える人のチェック
  • 旅行会社に勤めている
  • 直近5年以内に、3年以上の海外旅行業務の経験がある
  • 研修を修了した年度と、総合を受ける年度の関係を確かめた
  • 研修のくわしい申込方法を、勤め先かJATAの案内で確かめた

研修の中身や申込時期は、この記事の範囲では書ききれません。勤め先の担当部署か、JATAの案内で確かめておくと安心です。

例えばこんな場面で考えてみる

旅行会社で直近5年以内に3年以上、海外旅行の手配を続けていて、国内の資格は持っていない場合です。総合研修の「海外旅行実務」を修了すれば、海外旅行実務が免除になり、区分Bで業法・約款・国内旅行実務を受けることになります。

同じ人が国内にも合格していれば、業法と国内旅行実務も免除になります。海外旅行実務の研修と組み合わせると区分Fになり、受けるのは約款だけです。

「研修を受けるなら、国内に先に合格しておいたほうがいい?」と迷った時は、こうした組み合わせを逆引き表で確かめてみてください。

国内の研修は、総合の免除には使えない

国内旅行業務取扱管理者の試験にも、ANTAが行う国内旅行業務取扱管理者研修があります。ただ、ANTAの研修とJATAの総合研修の修了者には、相互の免除がありません。

研修実施する団体免除になる試験
総合旅行業務取扱管理者研修JATA総合の国内旅行実務か海外旅行実務
国内旅行業務取扱管理者研修ANTA国内の国内旅行実務

同じ「国内旅行実務」でも、総合と国内では免除の扱いが別です。研修を受ける前に、どちらの試験で使うのかをはっきりさせておきましょう。

科目合格で翌年に免除を受ける

科目合格があるのは、国内旅行実務と海外旅行実務だけ

総合で不合格でも、国内旅行実務か海外旅行実務で合格点を取っていれば、次回の総合でその科目が免除になります。業法と約款には科目合格の制度がありません。

『1回で全部そろわなかったら、また一からやり直し?』と不安になりますよね。実は、総合には途中まで積み上げられる仕組みがあるんです。

令和7年度の総合では、不合格者3,120人のうち449人が科目合格でした。内訳は、国内旅行実務だけが170人、海外旅行実務だけが238人、両方が41人です。

科目合格のあと、翌年はどの区分になる?

科目合格した科目と、ほかの免除の根拠を組み合わせると、翌年の区分が決まります。よくある組み合わせを表にしました。

今年の結果ほかの根拠翌年の受験区分翌年に受ける科目
海外旅行実務だけ合格点なしB業法・約款・国内旅行実務
国内旅行実務だけ合格点なしC業法・約款・海外旅行実務
国内旅行実務と海外旅行実務が合格点なしD業法・約款
海外旅行実務が合格点国内の有資格者F約款
海外旅行実務が合格点地域限定の有資格者H約款・国内旅行実務

科目合格が使えるのは、次の年度の試験だけです。翌年に受けないと免除がなくなるので、続けるかどうかは早めに決めておきたいところです。

総合の試験で科目合格した科目と、国内・地域限定の資格の組み合わせから、翌年の受験区分が決まる流れを示した図解

国内試験の科目合格は、総合には使えない

国内試験にも、国内旅行実務の科目合格があります。ただ、総合と国内の科目合格には相互の免除がありません。

国内試験で国内旅行実務だけ合格点だった場合、使えるのは次回の国内試験です。総合を受ける時の免除にはならないので、注意しておきましょう。

独学でいくか、講座を使うか

免除で科目が減っても、残る科目の勉強は自分で進める必要があります。市販のテキストとJATAの過去問で、独学で合格を目指す方もたくさんいます。

一方で、海外旅行実務の範囲の広さに不安がある方や、質問できる相手がほしい方もいますよね。講座の資料を取り寄せて、教材やサポートを見比べてから決めると判断しやすくなります。

旅行業務取扱管理者ガイド

講座を使って効率よく合格を目指したい方へ

旅行業務取扱管理者試験は、法令・約款の暗記に加えて、運賃・料金の計算や地理など範囲が広いのが特徴です。独学で進めるか、通信講座やスクールで質問や模試の機会を得ながら学ぶか。講座の種類と比べ方、資料請求で確かめたい点をまとめました。

無料旅行業務取扱管理者の講座の選び方を見る

試験の日程・受験手数料は各試験の実施機関(JATA・ANTA・観光庁)の案内で最新情報を確認してください。

総合旅行業務取扱管理者の免除でよくある相談

多いのは「国内の合格がいつまで有効か」と「科目合格の扱い」

総合の試験免除について、よく見かける相談に答えます。

国内に何年も前に合格していても、総合は免除になる?

国内に合格したのが数年前でも、翌年の総合で一部免除を受けられるのか、という相談です。

受けられます。国内旅行業務取扱管理者の合格には有効期限も更新もありません。

合格した年度に関係なく、総合では区分Eで申し込めます。

旧名称の「国内旅行業務取扱主任者」で合格した人も、手続きや受け直しはいりません。申し込む前に、自分の合格した試験の種類を確かめておきましょう。

区分Eで受けると、国内の問題は出ない?

国内免除で総合を受けたいけれど、国内に関係する問題は出ないのか、という相談です。

区分Eでは、国内旅行実務の科目そのものは受けません。ただ、受ける約款の科目には旅行業約款・運送約款・宿泊約款が入っています。

国内の勉強で学んだ約款の内容は、そのまま総合の約款でも使います。「国内の範囲は忘れていい」とは考えず、約款は総合の範囲で復習しておくと安心です。

業法・約款と国内旅行実務は合格点だった。翌年はどうなる?

総合を全科目で受けて、業法・約款・国内旅行実務は合格点だったのに海外旅行実務だけ届かなかった、という相談です。

この場合、翌年に免除されるのは国内旅行実務だけです。科目合格の制度は国内旅行実務と海外旅行実務にしかなく、業法と約款は合格点でも免除になりません。

翌年は区分Cで、業法・約款・海外旅行実務を受けることになります。業法と約款は「一度取れた科目」として、軽めの復習を続けておきましょう。

よくある質問

総合旅行業務取扱管理者の試験で、免除になる科目はどれですか?

業法・国内旅行実務・海外旅行実務の3科目が、条件によって免除になります。約款はどの条件でも免除になりません。

国内旅行業務取扱管理者の合格者は、総合で何が免除になりますか?

業法と国内旅行実務が免除になり、約款と海外旅行実務を受ける区分Eになります。

旅行会社に勤めていれば、総合の試験は免除になりますか?

勤めているだけでは免除になりません。直近5年以内に3年以上の海外旅行業務の経験がある人がJATAの総合研修を修了すると、その科目が免除になります。

科目合格の免除は何年使えますか?

科目合格した次の年度の総合試験で使えます。令和8年度の試験では、令和7年度の科目合格者が対象です。

総合の国内旅行実務で合格点を取りました。翌年の国内試験で免除になりますか?

なりません。総合と国内の科目合格には相互の免除がなく、総合で取った合格点は次回の総合でだけ使えます。

地域限定の合格者は、総合で何が免除になりますか?

業法が免除になり、約款・国内旅行実務・海外旅行実務を受ける区分Gになります。

まとめ

この記事の要点
  • 総合の免除の根拠は、国内・地域限定の資格、総合研修2種、前年の科目合格2種の6つ
  • 免除される科目を足し合わせると、受験区分AからHのどれかに決まる
  • 国内の合格者は区分Eで約款と海外旅行実務を受け、令和7年度の合格率は29.6%
  • 同じ年度の国内合格では総合の免除は使えないので、翌年度に受ける
  • 科目合格は国内旅行実務と海外旅行実務だけで、総合と国内の間で相互免除はない

受験区分の最終的な確認は、JATAの総合旅行業務取扱管理者試験のページの受験案内で行えます。

まずは6つの根拠のうち、自分に当てはまる番号に丸をつけるところから始めてみましょう。

旅行業務取扱管理者ガイド

旅行業務取扱管理者ガイド 編集部

総合・国内・地域限定の旅行業務取扱管理者試験の仕組み、合格率と科目ごとの対策、過去問や講座を使った勉強法、資格を仕事に活かす方法までを、はじめて受験する人の目線で整理している情報サイトです。 公式サイト

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