旅行業務取扱管理者の勉強方法|合格に向けた試験対策の手順

旅行業務取扱管理者の勉強方法を、5段階の手順と科目ごとの重みづけで紹介する記事のアイキャッチ

当サイトの記事は編集部が観光庁・日本旅行業協会(JATA)・全国旅行業協会(ANTA)などの公開情報を調べて独自に執筆しています。試験の日程・受験手数料・法令は変更されることがあるため、最新の情報は各試験の実施機関のサイトで確認してください。

旅行業務取扱管理者を受けると決めたものの、何から手をつければいいのか分からない。テキストを開いたまま、手が止まっている方も多いはずです。

結論から言うと、旅行業務取扱管理者の勉強方法は「全体像をつかむ、法令・約款、実務の計算、過去問、直前の見直し」の5段階で進めるのが近道です。

この記事を読むと、試験対策の手順と、科目ごとにどこへ時間をかければいいかが分かります。

目次

旅行業務取扱管理者の勉強は、まず何から始める?

先に結論

最初にやるのは、受ける試験の科目・配点・合格点を確かめることです。どの科目で何点取ればいいかが分かると、勉強の順番と力の入れ方が決まります。

『とりあえずテキストの1ページ目から読めばいいのでは?』と思いますよね。

ただ、旅行業務取扱管理者の試験は、科目ごとに合格点があります。合計点ではなく科目ごとに点を取る試験なので、先にゴールを知っておくと遠回りが減るんです。

比べる点国内総合
実施機関全国旅行業協会(ANTA)日本旅行業協会(JATA)
方式CBT(パソコンで解く)マークシート
科目法令・約款・国内旅行実務業法・約款・国内旅行実務・海外旅行実務
配点各科目100点業法・約款・国内旅行実務が各100点、海外旅行実務が200点
合格点各科目60点以上(令和7年度)各科目で満点の60%以上
試験日(令和8年度)9月3日(木)〜25日(金)のうち選んだ日時10月25日(日)

日程は毎年変わる可能性があるので、最新の日程は各実施機関の案内で確認しておきましょう。3つの試験の違いは、旅行業務取扱管理者とは?3種類の資格と仕事・試験をやさしく解説でまとめています。

国内から受けるか、総合から受けるか

はじめて受ける方の多くが、まず国内を受けます。国内に合格すると、総合では業法と国内旅行実務が免除になり、約款と海外旅行実務の2科目で受けられるからです。

ただ、同じ年度に国内に合格して、総合を一部免除で受けることは、受付の締切の関係でできません。国内に受かった翌年度に、免除を使って総合を受ける流れになります。

試験対策は5段階で進める

5つの段階に、それぞれの「終わり」を決める

勉強が進まない時は、今どこにいて、何ができたら次へ進むのかがあいまいになっています。5つの段階ごとに終わりの状態を決めておくと、迷わず進められます。

ここが、この記事でいちばん大事なところです。

『やることが多すぎて、どこまでやれば次に進んでいいか分からない』という声はよく聞きます。そこで、試験対策を5つの段階に分けた手順表を作りました。

段階やること終わったと言える状態
1. 全体像をつかむテキストを1周、細かい所は飛ばして読む。公式の過去問を1年分眺める科目ごとに何が問われるかを説明できる
2. 法令・約款を固める条文や約款の決まりを、理由と一緒に覚える。章ごとに問題を解く選択肢の正誤の理由を一言で言える
3. 実務の計算を身につける運賃・料金の計算を、式を紙に書いて練習する。地理は地図で覚える条件が変わった計算問題も手順どおりに解ける
4. 過去問で仕上げる公式の過去問を時間を計って解き、間違えた所を解き直す各科目で合格点を超えられる
5. 直前の見直し間違えた問題と、覚えにくい数字だけを見直す新しいことを足さず、弱点だけ確かめられた
旅行業務取扱管理者の試験対策を、全体像・法令と約款・実務の計算・過去問・直前の見直しの5段階で進める流れの図解

段階1は「読み切る」ことが目的

1周目のテキストは、分からない所があっても止まらずに読み切ることが大切です。全体を見てから細かい所に戻る方が、つながりが分かりやすいんです。

例えば、法令の「管理者の選任」の決まりは、約款や実務の取引条件の説明とつながっています。1周目で全体を見ておくと、2周目に「ここはあの話か」と気づけますよ!

段階2と段階3は並行してもよい

法令・約款と、実務の計算は、交互に進めても大丈夫です。暗記の科目に疲れたら計算、計算に疲れたら暗記、と切り替えると続けやすくなります。

国内旅行実務の進め方は、国内旅行実務の対策|運賃・料金計算と国内地理の勉強法で紹介しています。

段階4は公式の過去問を使う

総合はJATAが過去5年分の試験問題と正解を、国内はANTAが年度別の問題や出題例と解答を公開しています。どちらも無料で見られる公式の教材です。

過去問を何年分・何周解くかは、旅行業務取扱管理者の過去問の使い方|何年分を何周解くかでくわしく紹介しています。

1日分の進め方の例
  1. 前の日に間違えた問題だけを解き直す
  2. テキストを1単元だけ読む
  3. その単元の問題を、テキストを閉じて解く
  4. 間違えた理由をノートに一言で書く
  5. 覚えにくい数字や地名をカードに写す

段階5は、新しいことを増やさない

試験の直前になると、『まだ覚えていない所がある』と焦って、新しい問題集に手を出したくなりますよね。

ただ、直前に新しい教材を広げると、覚えたはずの所まであいまいになることも。直前は、これまでに間違えた問題と、覚えにくい数字だけを見直す時間にしてみてください。

直前の見直しで確かめること
  • 過去問で間違えた問題を、もう一度解いて理由を言えるか
  • 法令の数字(年数・距離・金額)を取り違えていないか
  • 計算問題を、式を書いて最後まで解けるか
  • 本番と同じ時間で、最後の問題まで届くか
  • 国内なら本人確認書類、総合なら鉛筆と時計の準備ができているか

国内試験はCBT方式なので、腕時計や筆記用具を含む所持品は試験室に持ち込めません。メモ用紙と筆記用具は会場で貸し出されます。

本番と同じ形で練習したい方は、国内旅行業務取扱管理者の模擬試験の使い方|本番形式で解く練習も参考にしてみてください。

科目ごとの勉強の重みづけ

点が伸びやすい科目から固める

どの科目も合格点が必要ですが、点の伸び方は科目ごとに違います。理解で点が伸びる法令・約款を先に固め、時間がかかる計算と地理は早めに手をつけておくのがコツです。

『全部の科目に同じくらい時間をかければいいの?』と迷いますよね。

実は、科目によって「覚えれば点になる所」と「練習しないと点にならない所」が違います。科目ごとの重みづけを表にしました。

科目点の伸び方力の入れ方気をつけたいこと
法令(業法)覚えた分だけ伸びやすい理由とセットで覚える数字の取り違え
約款覚えた分だけ伸びやすい旅行者と旅行会社のどちらを守る決まりかで覚える似た決まりの混同
国内旅行実務(計算)手順が分かると一気に伸びる早めに始めて、毎日少しずつ練習する電卓が使えない(国内)
国内旅行実務(地理・観光)範囲が広く、伸びがゆっくり過去問に出た所から地図で覚える全部を覚えようとしない
海外旅行実務(総合のみ)分野ごとに伸び方が違う200点なので練習量を多めにする国際航空運賃・語学など分野が広い
法令・約款・国内旅行実務・海外旅行実務の科目ごとに、点の伸び方と力の入れ方をまとめた図解

法令と約款は、理由で覚える

国内試験の法令と約款は、どちらも4点×25問の100点です。条文や約款の決まりがそのまま問われるので、過去問で問われ方に慣れるほど解きやすくなります。

ただ、答えを丸暗記すると、言い回しが変わった問題で迷ってしまいます。例えば、こんなふうに自分に聞きながら覚えてみてください。

「この決まりは、旅行者を守るため?」
「だとしたら、旅行会社に有利すぎる選択肢は誤りかも」

国内旅行実務は、計算と地理を分ける

国内旅行実務は、令和7年度の出題例で4点×12問と2点×26問の100点でした。運賃・料金の計算と、国内の地理・観光の問題が入っています。

計算は手順が分かると一気に点が伸びる分野です。地理は範囲が広いので、過去問に出てきた所から少しずつ地図に書き込んでいくのがおすすめです。

国内旅行実務の運賃・料金の計算を、式を紙に書きながら練習している手元の写真

地理の勉強では、白地図を1枚用意しておくと便利です。過去問に出てきた観光地を書き込んでいくと、どの地域がよく出るかが目で見て分かります。

似た名前で取り違えやすい観光地は、自分で短い語呂を作るのも1つの方法です。語呂の作り方は国内旅行業務取扱管理者の語呂合わせ|覚える量を減らす暗記のコツで紹介しています。

JRの運賃・料金の計算でつまずきやすい所は、旅行業務取扱管理者のJR運賃・料金計算|つまずきやすい所と練習法で紹介しています。

総合の海外旅行実務は、分野ごとに練習する

総合の海外旅行実務は200点で、国際航空運賃、旅券や出入国の手続き、主要国の観光、語学と分野が分かれています。

令和7年度の総合試験で、全科目を受ける区分Aの合格率は11.7%でした。一方、国内の合格者が約款と海外旅行実務を受ける区分Eは29.6%です。

この差を見ると、まず国内に合格してから総合を受ける流れを選ぶ方が多いのもうなずけますよね。

よくある失敗

得意な科目ばかり勉強して、苦手な科目が合格点に届かないケースです。1科目でも合格点に届かないと合格できないので、苦手な科目こそ毎日少しずつ触れておきましょう。

受ける人別の進め方

今の自分の状況から、始める段階を決める

旅行の仕事をしている方と、はじめて学ぶ学生では、得意な所が違います。5段階のうち、どこから始めてどこに時間をかけるかを、自分の状況で決めてみてください。

国内試験の申込者は、令和7年度で学生が30.0%、会社員が31.4%、旅行業が14.7%でした。受ける人の状況はさまざまなんです。

自分の状況始め方時間をかけたい所
旅行会社で働いている約款は過去問から解いてみる法令の細かい数字と計算
運送・宿泊・観光の仕事をしている仕事に近い分野から読む法令・約款の決まり
旅行・観光を学ぶ学生段階1から順に進める計算と地理を早めに始める
国内に合格して総合を目指す約款を見直してから海外旅行実務へ海外旅行実務の各分野
はじめて旅行の分野を学ぶ段階1を丁寧に、言葉の意味を書き出す全科目まんべんなく

例えばこんな場面

旅行会社の窓口で働いて2年目の場合、取消料や旅行の申込みの流れは、仕事で触れている方も多いはずです。

そういう方は、約款を最初から読むより、過去問を先に解いてみてください。仕事の知識で解ける所と、知らなかった所がはっきり分かります。

観光学部の2年生の場合は、試験までの時間を取りやすい分、段階1から順に進めるのがおすすめです。計算は慣れるまで時間がかかるので、早めに手をつけておくと安心ですよ。

勉強の時間の組み立て方は、旅行業務取扱管理者の勉強時間とスケジュール|試験日からの逆算で紹介しています。

独学・通信講座・スクールのどれで進める?

違いは「質問できるか」と「ペースを誰が作るか」

学び方は、独学・通信講座・通学スクールの3通りです。教材の中身より、分からない所を誰に聞けるかと、勉強のペースを自分で作るかで違いが出ます。

『独学で受かるのか、講座を使った方がいいのか』は、勉強方法の中でもいちばん多い悩みですよね。

JATAとANTAは公的な立場上、特定の参考書や講座を紹介していません。どの学び方を選ぶかは、自分の状況で決めることになります。

比べる点独学通信講座通学スクール
費用の考え方テキストと問題集が中心で抑えやすい受講料がかかるが、教材とサポートがまとめて付く受講料に加え、通う時間と交通費もかかる
質問のしやすさ自分で調べる質問の仕組みがある講座が多い講師に直接聞ける
ペースの作り方自分で計画を立てるカリキュラムが目安になる授業の日時で決まる
時間の自由高い高い低い
計算の練習テキストの解説で進める動画で手順を確かめられる講座もある授業で手順を聞ける

独学で進めやすい人と、講座を使ったほうがいい人の見分け方は、旅行業務取扱管理者は独学で合格できる?向いている人と進め方でくわしく紹介しています。

講座を検討したいサイン
  • 計算の解説を読んでも、式の立て方が分からない
  • テキストを読んでも、何が大事なのか分からない
  • 勉強する日としない日の差が大きく、1週間空くこともある
  • 試験日から逆算した計画が立てられない
  • 総合の海外旅行実務を、どこから手をつければいいか分からない

講座を比べる時に見る点

講座を比べる時は、名前ではなく中身で見てみてください。対応している試験(国内・総合)、教材の形、質問の方法、受講できる期間、教育訓練給付制度の対象かどうか、の5つです。

教育訓練給付制度は、雇用保険の被保険者などが厚生労働大臣の指定する講座を受けて修了した場合に、受講費用の一部が支給される制度です。対象かどうかは講座ごとに違うので、厚生労働省の教育訓練給付制度のページや各校で確かめましょう。

講座の資料を取り寄せて並べてみると、教材の見本やサポートの中身を手元で比べられます。資料請求で何を見ればいいかは、旅行業務取扱管理者の講座を資料請求で比べる方法|確かめたい5つの点で紹介しています。

独学でいくか、講座を使うか

テキストと公式の過去問で、間違えた理由を自分で調べられるなら、独学は十分に正当な選び方です。

一方で、計算や海外旅行実務を誰かの解説で確かめながら進めたい方は、講座を比べてみるのも1つの方法です。講座の選び方は旅行業務取扱管理者の講座の選び方|通信講座・スクール・独学を比較で紹介しています。

旅行業務取扱管理者ガイド

講座を使って効率よく合格を目指したい方へ

旅行業務取扱管理者試験は、法令・約款の暗記に加えて、運賃・料金の計算や地理など範囲が広いのが特徴です。独学で進めるか、通信講座やスクールで質問や模試の機会を得ながら学ぶか。講座の種類と比べ方、資料請求で確かめたい点をまとめました。

無料旅行業務取扱管理者の講座の選び方を見る

試験の日程・受験手数料は各試験の実施機関(JATA・ANTA・観光庁)の案内で最新情報を確認してください。

旅行業務取扱管理者の勉強方法でよくある相談

悩みは「どこから、何を覚えるか」

勉強方法についての相談で多いのは、何から始めて何を覚えればいいのか、というものです。代表的な3つに答えます。

高校生だけど、国内を取りたい。勉強方法と参考書は?

国内旅行業務取扱管理者を取りたい高校生で、勉強方法や参考書を知りたい、という相談です。

国内試験は年齢・学歴の制限がなく、高校生でも受けられます。令和7年度の申込者のうち、19歳以下は15.5%でした。

勉強方法は、この記事の5段階をそのまま使えます。参考書は、目指す試験(国内)に対応していて、最新の年度に合わせて改訂されたものを選ぶと安心です。

テキストの選び方は旅行業務取扱管理者のテキストの選び方|国内・総合・標準テキストで紹介しています。

総合を受けたいが、英語がとても苦手

総合を受けたいが、英語が極端に苦手。英語以外は自信がある、という相談です。

英語は、総合の海外旅行実務の一部です。海外旅行実務は200点で、国際航空運賃や出入国の手続き、観光の問題もあります。

英語だけで合否が決まるわけではないので、まず国際航空運賃や手続きの分野で点を固めてみてください。そのうえで、過去問に出てきた旅行関係の単語や言い回しをまとめておくと、英語の問題も読みやすくなりますよ。

実務の運賃計算がよく分からず苦戦している

国内を勉強中だが、国内旅行実務の運賃計算がよく分からず苦戦している、という相談です。

運賃計算は、手順を頭の中だけで追うと迷いやすい所です。テキストの例題を、式と途中の考え方を紙に書きながら解き直してみてください。

『答えを見れば分かるのに、自分では解けない』という時は、手順のどこで止まるのかを書き出すのがおすすめです。止まる所が分かれば、そこだけテキストで確かめればいいんです。

よくある質問

旅行業務取扱管理者の勉強方法で、最初にやることは何ですか?

受ける試験の科目・配点・合格点を確かめることです。そのうえでテキストを1周、細かい所は飛ばして読み切り、公式の過去問を1年分眺めてみてください。

どの科目から勉強すればいいですか?

理解で点が伸びやすい法令と約款から固めるのがおすすめです。計算と地理は時間がかかるので、法令・約款と並行して早めに手をつけておきましょう。

国内と総合は、どちらから勉強すればいいですか?

はじめての方の多くは国内から受けます。国内に合格すると、総合では業法と国内旅行実務が免除になり、約款と海外旅行実務の2科目で受けられます。

過去問はどこで手に入りますか?

総合はJATAのサイトで過去5年分、国内はANTAのサイトで年度別の問題や出題例と解答が無料で公開されています。

独学と講座のどちらがいいですか?

間違えた理由を自分で調べられるなら独学でも進められます。計算の手順を解説で確かめたい、ペースを作るのが苦手、という方は講座を比べてみてください。

まとめ

この記事の要点
  • 最初に、受ける試験の科目・配点・合格点を確かめる
  • 試験対策は、全体像・法令と約款・実務の計算・過去問・直前の見直しの5段階で進める
  • 法令と約款は理由で覚え、計算と地理は早めに始める
  • 総合の海外旅行実務は200点なので、分野ごとに練習量を多めにする
  • 独学でも講座でも、質問のしやすさとペースの作り方で選ぶ

まずは受ける試験の公式ページで科目と合格点を確かめ、テキストを1単元だけ読んでみましょう。そこが5段階の1段目です!

旅行業務取扱管理者ガイド

旅行業務取扱管理者ガイド 編集部

総合・国内・地域限定の旅行業務取扱管理者試験の仕組み、合格率と科目ごとの対策、過去問や講座を使った勉強法、資格を仕事に活かす方法までを、はじめて受験する人の目線で整理している情報サイトです。 公式サイト

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