旅行業務取扱管理者は独学で合格できる?向いている人と進め方

旅行業務取扱管理者を独学で目指す人に向けて、向いている人の見分け方と進め方を紹介する記事のアイキャッチ

当サイトの記事は編集部が観光庁・日本旅行業協会(JATA)・全国旅行業協会(ANTA)などの公開情報を調べて独自に執筆しています。試験の日程・受験手数料・法令は変更されることがあるため、最新の情報は各試験の実施機関のサイトで確認してください。

旅行業務取扱管理者を受けたいけれど、講座にお金をかけずに独学で受かるのか気になる。そんな方も多いはずです。

結論から言うと、旅行業務取扱管理者は独学でも合格を目指せる資格です。ただ、運賃計算や総合の海外旅行実務など、独学だとつまずきやすい所があるので、先に補い方を決めておくのがコツです。

この記事を読むと、自分が独学に向いているかの見分け方と、独学の進め方が分かります。

目次

旅行業務取扱管理者は独学で合格できる?

先に結論

独学でも合格は目指せます。受験資格に制限がなく、公式の過去問が無料で公開され、国内・総合に対応した市販のテキストもあるからです。

『独学なんて、現実的じゃないのでは?』と不安になりますよね。

実は、旅行業務取扱管理者は独学で必要な材料がそろいやすい資格なんです。独学で使える主な教材を表にしました。

教材手に入れる所使い方
総合の過去問JATAのサイト(過去5年分の問題と正解)出題の形を知り、時間を計って解く
国内の過去問・出題例ANTAのサイト(年度別の問題や出題例と解答)科目ごとの問われ方を知る
地域限定の過去問観光庁のサイト(年度ごとの問題と正解及び配点)免除区分に合わせて解く
市販のテキストと問題集書店やネット書店試験の範囲を理解する
CBT体験試験ANTA国内のパソコンでの解き方に慣れる

市販のテキストには、例えば翔泳社の「観光・旅行教科書 旅行業務取扱管理者【総合・国内】テキスト&問題集」のように、総合と国内の両方に対応したものもあります。JATAとANTAは公的な立場上、特定の参考書や講座を紹介していないので、教材は自分で選ぶことになります。

合格率から見る、独学のハードル

令和7年度(2025年度)の国内試験の合格率は35.6%、総合は26.1%でした。総合で全科目を受ける区分Aに限ると11.7%です。

国内は3人に1人ほどが合格している試験なので、独学でも十分に目指せる範囲です。一方で総合の全科目は合格率が低く、独学なら進め方の工夫が要ります。

試験の難しさをくわしく知りたい方は、旅行業務取扱管理者の難易度|国内と総合はどれくらい難しい?も参考にしてみてください。

独学で進めやすい人・講座を使ったほうがいい人の判定表

性格より「今の状況」で決める

独学に向くかどうかは、根性よりも、使える時間・質問できる相手・計算への慣れで決まります。当てはまる項目を数えて、今の自分に合う学び方を選んでみてください。

ここが、この記事でいちばん大事なところです。

『自分は独学でいけるタイプなのか分からない』という方のために、状況ごとの判定表を作りました。左の列に多く当てはまるほど独学で進めやすく、右の列に多いほど講座を使ったほうが進めやすい状況です。

自分の状況独学で進めやすい講座を使ったほうがいい
仕事の経験旅行・運送・宿泊の仕事をしている旅行の分野がはじめて
計算への慣れ数字の計算に抵抗がない計算の解説を読んでも式が立たない
質問できる相手職場や学校に聞ける人がいる聞ける人がいない
計画を立てる力試験日から逆算して予定を立てられる予定を立てても続かないことが多い
受ける試験国内、または国内合格後の総合の免除区分総合の全科目を一度に受ける
英語英語の文章を読むのに抵抗がない(総合)英語が苦手で、どこから手をつけるか分からない(総合)
使える期間試験日まで余裕がある試験日まで短く、迷う時間を減らしたい
状況ごとに、独学で進めやすい人と講座を使ったほうがいい人を見分ける判定表の図解

判定の結果をどう使う?

左の列が多かった方は、独学で始めて大丈夫です。テキストと公式の過去問で、手順どおりに進めていきましょう。

右の列が多かった方も、独学をあきらめる必要はありません。右の列に当てはまった所だけ、講座や解説で補う、という考え方もできます。

例えば、観光学部の2年生で、地理は好きだけど計算が苦手という場合。法令・約款・地理は独学で進めて、計算だけ解説の動画で確かめる、という組み合わせもありなんです。

旅行会社の窓口で働いて2年目の場合は、約款や取引の流れを仕事で知っている分、独学の左の列に当てはまりやすいはずです。

そういう方は、知っている所はテキストを読み飛ばして、過去問から解いてみてください。仕事の知識で解ける所と、知らなかった所がすぐに分かります。

まず独学で始めていいサイン
  • テキストの最初の章を読んで、話の流れがつかめた
  • 公式の過去問を1年分眺めて、何が問われるかイメージできた
  • 1週間の中で、勉強する時間を曜日ごとに書き出せた
  • 分からない言葉を、自分で調べて理解できた

独学がつまずきやすい所と補い方

つまずく所は、だいたい決まっている

独学でつまずきやすいのは、運賃計算、総合の海外旅行実務、古い教材の使い方、そしてペースの作り方です。先につまずく所を知っておけば、補い方も準備できます。

『独学で始めたけど、途中で手が止まった』という声は、たいてい同じ所から聞こえてきます。つまずく所と補い方を表にしました。

つまずく所よくある止まり方補い方
国内旅行実務の運賃計算解説を読んでも、自分で式が立たない例題を、式と途中の考え方を紙に書いて解き直す
国内の地理・観光範囲が広すぎて、どこから覚えればいいか分からない過去問に出てきた所から白地図に書き込む
総合の海外旅行実務国際航空運賃・語学・手続きと分野が広く、手が回らない分野ごとに分けて、1つずつ点を固める
古い教材古い年度の答えをそのまま覚えて、今の決まりと食い違う数字は新しい年度のテキストや問題で確かめる
ペース1週間空いて、そのまま止まる2週間に1回、進み具合を見直す

運賃計算は、手順を紙に書く

国内旅行実務の運賃・料金の計算は、独学でいちばん止まりやすい所です。答えを見ると分かるのに、自分では解けない、ということも多いんです。

国内試験は電卓が使えないので、計算は手で解く練習をしておきましょう。テキストの例題を、式と途中の考え方を紙に書きながら解き直すのがおすすめです。

例えば、こんなふうに手順を声に出してみてください。

「まず、乗る区間と経路を確かめる」
「次に、運賃と料金を分けて計算する」

どの手順で止まるかが分かれば、テキストで確かめる所がしぼれます。JRの運賃・料金の計算は、旅行業務取扱管理者のJR運賃・料金計算|つまずきやすい所と練習法で紹介しています。

総合の海外旅行実務は、分野ごとに固める

総合の海外旅行実務は200点で、国際航空運賃、旅券・出入国の手続き、主要国の観光、語学と分野が分かれています。独学だと、どこから手をつけるかで迷いやすい科目です。

まずはJATAの過去問を1年分眺めて、分野ごとにどんな問題が出るかを確かめてみてください。そのうえで、得意な分野から1つずつ点を固めていきます。

総合の科目ごとの点の取り方は、総合旅行業務取扱管理者の試験対策|科目ごとの点の取り方で紹介しています。

総合の海外旅行実務を、国際航空運賃・手続き・観光・語学の分野ごとに分けて独学で固める流れの図解

古い教材は、数字に気をつける

試験の問題は、その年の基準日の時点の法令で作られています。国内と地域限定は6月1日、総合は8月1日が基準日です。

古い年度のテキストや問題集は、今の決まりと違う内容のことがあります。ANTAも、古い年度の問題は法改正前の内容のことがあると案内しています。

よくある失敗

知り合いから譲ってもらった古いテキストだけで勉強して、改正後の内容で出題された本番で迷ってしまうケースです。テキストは、受ける年度に合わせて改訂されたものを選びましょう。

ペースは、2週間ごとに確かめる

独学には、締切を決めてくれる人がいません。忙しい週が続くと、そのまま1か月空いてしまうことも。

2週間に1回、テキストと過去問がどこまで進んだかをカレンダーに書き込んでみてください。遅れに早めに気づければ、やることをしぼるか、時間を増やすかで立て直せます。

例えば、こんなふうに自分に声をかけてみてください。

「この2週間で、テキストは何章まで進んだ?」
「遅れているなら、来週はどの単元をしぼる?」

独学の進め方

5段階で進め、段階ごとに終わりを決める

独学は、何をどこまでやったら次に進むかを自分で決める必要があります。全体像・法令と約款・計算・過去問・直前の見直しの5段階で、終わりの状態を決めておくと迷いません。

独学の進め方を、国内試験を受ける場合の手順でまとめました。

独学の進め方(国内)
  1. 受ける試験の科目・配点・合格点を確かめる
  2. テキストを1周、細かい所は飛ばして読み切る
  3. 法令と約款を、理由と一緒に覚える
  4. 運賃・料金の計算を、式を紙に書いて練習する
  5. 公式の過去問を、時間を計って解く
  6. 直前は、間違えた問題と覚えにくい数字だけを見直す

国内の合格点は、令和7年度で各科目とも60点以上でした。1科目でも届かないと合格できないので、過去問で科目ごとの点を確かめながら進めてみてください。

勉強方法の全体は、旅行業務取扱管理者の勉強方法|合格に向けた試験対策の手順でくわしく紹介しています。過去問の回し方は、旅行業務取扱管理者の過去問の使い方|何年分を何周解くかがおすすめです。

独学の1週間の回し方

独学で止まりやすいのは、何をやるか毎日迷ってしまう時です。1週間の中で、曜日ごとにやることを先に決めておくと、迷う時間が減ります。

曜日やること(例)
月・火テキストを1単元ずつ読み、章末の問題を解く
水法令の数字や約款の決まりをカードで見直す
木運賃・料金の計算を、式を紙に書いて練習する
金休み(予定が遅れた時の調整日)
土公式の過去問をまとめて解く
日1週間で間違えた問題を解き直し、次の週の予定を立てる

休みの日を先に決めておくのもポイントです。『今日は休んでいい日』があると、ほかの日に机に向かいやすくなりますよ。

勉強の時間の組み立て方は、旅行業務取扱管理者の勉強時間とスケジュール|試験日からの逆算で紹介しています。

お金をかけずに進めたいなら

公式の過去問は、JATA・ANTA・観光庁のサイトで無料で見られます。お金をかけるのはテキストと問題集だけ、という独学の形も十分にありえます。

無料で使える教材の探し方は、旅行業務取扱管理者を無料で勉強する方法|公式の過去問とWeb教材で紹介しています。

国内から総合へ、独学で進むルート

総合を目指す方は、まず国内に独学で合格し、翌年度に免除を使って総合を受けるルートがあります。国内に合格すると、総合では業法と国内旅行実務が免除になり、約款と海外旅行実務の2科目で受けられます。

令和7年度の総合の合格率は、全科目の区分Aが11.7%、国内の合格者が受ける区分Eが29.6%でした。範囲をしぼって受けられる分、独学でも進めやすくなります。

ルート受ける科目独学で気をつけたいこと
いきなり総合(区分A)業法・約款・国内旅行実務・海外旅行実務4科目すべてで合格点が必要
国内に合格してから総合(区分E)約款・海外旅行実務同じ年度には免除で受けられない
総合の科目合格を使う前の年度に合格点だった実務科目が免除科目合格があるのは国内旅行実務・海外旅行実務だけ

なお、JATAの総合旅行業務取扱管理者研修は、旅行会社で海外旅行業務の経験がある人向けで、一般の人は受けられません。独学で総合を目指す方は、国内の合格による免除を考えるのが現実的です。

独学でいくか、講座を使うか迷った時は

独学と講座は、組み合わせてもいい

独学か講座かは、どちらか一方に決めなくても大丈夫です。独学で始めて、つまずいた所だけ講座で補う方法もあります。

『独学で始めて、もし途中で止まったらどうしよう』と迷いますよね。

独学で始めて2〜3週間たった頃に、判定表をもう一度見てみてください。右の列に当てはまる項目が増えていたら、講座を考えるタイミングです。

独学のよいところ
  • 費用を抑えやすい
  • 自分のペースと順番で進められる
  • 仕事で知っている所は飛ばせる
独学で気をつけたいところ
  • 計算で止まった時に、聞ける相手がいない
  • 予定が崩れると、そのまま止まりやすい
  • 教材が今の範囲に合っているか、自分で確かめる必要がある

講座を比べる時に見る点

講座を比べる時は、対応している試験(国内・総合)、教材の形、質問の方法、受講できる期間、教育訓練給付制度の対象かどうかを見てみてください。

教育訓練給付制度は、雇用保険の被保険者などが厚生労働大臣の指定する講座を受けて修了した場合に、受講費用の一部が支給される制度です。対象かどうかは講座ごとに違うので、厚生労働省の教育訓練給付制度のページや各校で確かめましょう。

講座の選び方は旅行業務取扱管理者の講座の選び方|通信講座・スクール・独学を比較で、資料請求で比べる点は旅行業務取扱管理者の講座を資料請求で比べる方法|確かめたい5つの点で紹介しています。

資料を見て「やっぱり独学でいける」と思えたら、それも立派な結論です!

旅行業務取扱管理者ガイド

講座を使って効率よく合格を目指したい方へ

旅行業務取扱管理者試験は、法令・約款の暗記に加えて、運賃・料金の計算や地理など範囲が広いのが特徴です。独学で進めるか、通信講座やスクールで質問や模試の機会を得ながら学ぶか。講座の種類と比べ方、資料請求で確かめたい点をまとめました。

無料旅行業務取扱管理者の講座の選び方を見る

試験の日程・受験手数料は各試験の実施機関(JATA・ANTA・観光庁)の案内で最新情報を確認してください。

独学でよくある相談

悩みは「独学で現実的か」

独学についての相談で多いのは、独学で受かるのか、まったくの素人でも始められるのか、というものです。代表的な3つに答えます。

国内を独学で取りたいが、現実的じゃない?

国内旅行業務取扱管理者を独学で取りたいが、現実的ではないのか、難しいのか、という相談です。

国内は、公式の過去問や出題例が公開されていて、市販のテキストもあるので、独学で目指しやすい試験です。令和7年度の合格率は35.6%でした。

難しく感じるのは、多くの場合、運賃計算と地理です。この2つに早めに手をつけて時間をかければ、独学でも十分に戦えますよ。

まったくの素人だが、総合を独学で取りたい。まず何から?

旅行の仕事の経験がない素人だが、総合を独学で取りたい。まず何から始めればいいか、という相談です。

総合は4科目あり、海外旅行実務は200点です。全科目の区分Aの合格率は、令和7年度で11.7%でした。

まずは総合と国内の両方に対応したテキストを1周読み、JATAの過去問を1年分眺めてみてください。そのうえで、いきなり総合を受けるか、国内に合格してから総合を受けるかを決めると、計画が立てやすくなります。

専門学校や通信講座を使わずに、総合に受かる?

専門学校や通信講座を使わずに、総合に合格できるか、という相談です。

総合も、JATAが過去5年分の問題と正解を公開しているので、独学で必要な材料はそろいます。つまずきやすいのは、海外旅行実務の国際航空運賃や語学です。

独学で進めながら、分野ごとの過去問の点を記録してみてください。どうしても点が伸びない分野が出てきたら、その分野だけ講座の教材で補う、という考え方もあります。

よくある質問

旅行業務取扱管理者は独学で合格できますか?

独学でも合格は目指せます。受験資格に制限がなく、公式の過去問が無料で公開され、国内・総合に対応した市販のテキストもあります。

独学で使うテキストは、どう選べばいいですか?

受ける試験(国内・総合)に対応していて、受ける年度に合わせて改訂されたものを選びましょう。JATAとANTAは特定の参考書を紹介していないので、目次や最初の数ページを見て選ぶのがおすすめです。

独学で特につまずきやすいのはどこですか?

国内旅行実務の運賃計算と地理、総合の海外旅行実務です。計算は式を紙に書いて練習し、地理は過去問に出た所から、海外旅行実務は分野ごとに固めていきましょう。

総合を独学で目指すなら、国内から受けた方がいいですか?

国内に合格すると、翌年度以降の総合で業法と国内旅行実務が免除になり、約款と海外旅行実務の2科目で受けられます。範囲をしぼれる分、独学でも進めやすくなります。

独学から講座に切り替えてもいいですか?

切り替えても大丈夫です。独学で始めて、つまずいた所だけ講座で補う方法もあります。

まとめ

この記事の要点
  • 旅行業務取扱管理者は、公式の過去問と市販のテキストで独学でも目指せる
  • 独学に向くかは、仕事の経験・計算への慣れ・質問できる相手・計画を立てる力で判定する
  • 独学がつまずきやすいのは、運賃計算・地理・総合の海外旅行実務・古い教材
  • 総合は、国内に合格してから免除で受けるルートだと範囲をしぼれる
  • 独学と講座は、組み合わせて使ってもいい

まずは判定表で、自分がどちらの列に多く当てはまるかを数えてみましょう。独学でいくと決めたら、公式の過去問を1年分眺めるところから始めてみてください。

旅行業務取扱管理者ガイド

旅行業務取扱管理者ガイド 編集部

総合・国内・地域限定の旅行業務取扱管理者試験の仕組み、合格率と科目ごとの対策、過去問や講座を使った勉強法、資格を仕事に活かす方法までを、はじめて受験する人の目線で整理している情報サイトです。 公式サイト

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