全国旅行業務取扱管理者とは?ANTAと国内試験・研修の関係

ANTAと国内旅行業務取扱管理者試験の関係を解説する記事のアイキャッチ

当サイトの記事は編集部が観光庁・日本旅行業協会(JATA)・全国旅行業協会(ANTA)などの公開情報を調べて独自に執筆しています。試験の日程・受験手数料・法令は変更されることがあるため、最新の情報は各試験の実施機関のサイトで確認してください。

「全国旅行業務取扱管理者」という名前で資格を探して、正式な名前が分からなくなった。そんな方も多いはずです。

結論から言うと、その資格は国内旅行業務取扱管理者のことで、試験を実施しているのがANTA(全国旅行業協会)です。協会の名前と資格の名前が混ざって覚えられていることがよくあるんです。

この記事を読むと、ANTAが実施している試験と研修の全体と、ANTAのサイトで何を確かめればいいかが分かります。

目次

ANTAとは?全国旅行業務取扱管理者という呼び方の正体

先に結論

ANTAの正式名は一般社団法人全国旅行業協会です。観光庁長官の試験事務代行機関として、国内旅行業務取扱管理者試験を実施しています。

『全国旅行業務取扱管理者と、国内旅行業務取扱管理者は別の資格?』と迷いますよね。

実は「全国旅行業務取扱管理者」という資格はありません。旅行業務取扱管理者の資格は、総合・国内・地域限定の3種類です。

似た言葉を表にしました。

言葉何を指すか
ANTA(全国旅行業協会)国内の試験や研修を行う協会の名前
国内旅行業務取扱管理者ANTAが実施する試験に合格すると得られる資格
全国旅行業務取扱管理者協会名と資格名が混ざった呼び方で、正式な資格名ではない
総合旅行業務取扱管理者JATA(日本旅行業協会)が実施する試験の資格
地域限定旅行業務取扱管理者観光庁が実施する試験の資格

「ANTA旅行業務取扱管理者」「ANTA国内旅行業務取扱管理者」と呼ばれることもありますが、資格の名前としては国内旅行業務取扱管理者です。履歴書などに書く時は、正式な名前で書いておきましょう。

国家資格としての位置づけ

旅行業務取扱管理者試験は、旅行業法第11条の3にもとづいて観光庁長官が行う国家試験です。ANTAは、その事務を代わりに行っている立場なんです。

国内の合格者は、国内旅行だけを扱う営業所や、地元の旅行だけを扱う営業所の管理者になれます。資格全体の仕組みは旅行業務取扱管理者とはでまとめています。

平成17年4月1日施行の法改正までは「国内旅行業務取扱主任者」という名前でした。旧名称の合格者も、受け直しや手続きはいりません。

ANTAが実施する試験と研修を一覧で見る

試験は1つ、研修は4つ

ANTAが実施するのは、国内の試験と、国内旅行業務取扱管理者研修・地域限定旅行業務取扱管理者研修・旅程管理研修・定期研修です。研修は受けられる人が決まっています。

ここが、この記事でいちばん伝えたいところです。

ANTAのサイトを開くと「試験」と「研修」が並んでいて、どれが自分に関係あるのか分かりにくいですよね。受ける人と、受けると何が変わるかで整理しました。

名前受けられる人時期受けると何が変わる
国内旅行業務取扱管理者試験だれでも(年齢・学歴・国籍の制限なし)例年9月(CBT)合格すると国内旅行業務取扱管理者になれる
国内旅行業務取扱管理者研修旅行業者等で最近5年以内に3年以上従事し、今も従事している人例年5月中・下旬頃修了年度と次年度の国内試験で国内旅行実務が免除
地域限定旅行業務取扱管理者研修研修の案内で確認研修の案内で確認修了すると地域限定試験を免除2の区分で受けられる
旅程管理研修旅行業務の従事者または従事予定者例年12月上旬頃実務経験と合わせて主任添乗員への道が開ける
旅行業務取扱管理者定期研修選任されている管理者(選任見込みを含む)5年ごと旅行業法で求められる研修を修了したことになる
ANTAが実施する国内試験と4つの研修を、受けられる人と受けた後に変わることで分けた図解

一般の受験者に関係があるのは試験だけのことが多い

国内旅行業務取扱管理者研修は、旅行業者等で働いている人向けです。一般の人や、派遣労働者は受講できません(派遣は従事者と認められないため)。

『研修を受ければ免除になるなら、受けてから試験に行こう』と思っても、働いていないと受けられないんです。免除のくわしい条件は国内旅行業務取扱管理者の科目免除で紹介しています。

旅程管理研修は、管理者とは別の道

旅行業務取扱管理者に合格しても、主任添乗員(旅程管理主任者)にはなれません。旅程管理研修を修了し、実務経験を積む必要があります(JATA・ANTAのよくある質問)。

添乗の仕事に興味がある方は、資格と研修を別々に考えておくと混乱しませんよ。

定期研修は、選任された後の研修

旅行業者等は、選任した管理者に5年ごとに定期研修を受けさせなければなりません(旅行業法第11条の2第7項)。受けていないと、更新登録の拒否事由に当たるとANTAは説明しています。

ただし、直近5年以内に試験に合格した選任管理者は対象外です。研修の中身は旅行業務取扱管理者の定期研修でくわしく紹介しています。

ANTAの国内試験は令和8年度どうなっている?

9月3日から25日の間に、自分で選んだ日時に受ける

令和8年度(2026年度)の国内試験は、全国47都道府県のテストセンターで行うCBT方式です。申込みも受験も、日程の中で1回だけです。

『CBTって、パソコンが苦手でも大丈夫?』と心配になりますよね。ANTAの案内では、マウス操作ができれば受験でき、CBT体験試験で練習もできるとされています。

ANTAの令和8年度の受験案内をもとにまとめました。

ANTAの国内試験に向けて、パソコンの画面と手書きの計算メモで勉強している手元の写真
項目令和8年度の内容
試験日令和8年9月3日(木)から25日(金)のうち受験者が選んだ日時
申込期間令和8年6月18日(木)10時から7月15日(水)23時59分(インターネットのみ)
受験手数料8,000円(非課税)+システム利用料660円
科目法令・約款・国内旅行実務
試験時間全科目120分(途中休憩なし)
結果令和8年10月16日(金)午前11時以降にマイページで確認

免除申請をする人の試験予約は、7月23日までです。日程は毎年変わる可能性があるので、最新の日程は各実施機関の案内で確認しておきましょう。

合格率の推移

ANTAの実施結果一覧表から、合格率の推移をまとめました。

年度受験者合格者合格率
令和5年度(筆記)8,960人3,270人36.5%
令和6年度(CBT)10,943人3,660人33.4%
令和7年度(CBT)10,329人3,675人35.6%

令和7年度は、国内旅行実務が免除になる免除Aの合格率が60.2%でした。試験の中身や得点の考え方は、国内旅行業務取扱管理者試験とはでくわしく紹介しています。

ANTAのサイトで受験者が確かめる所

確かめるページは4つ

受験案内、各年度の実施状況・出題例と解答、よくある質問、研修の説明ページです。申込み前と、勉強中と、受験後で見るページが変わります。

『ANTAのサイトは情報が多くて、どこから見ればいいか分からない』という声もよく聞きます。時期ごとに見る所を決めておくと楽ですよ。

ANTAのサイトの見方
  1. 申込み前に、受験案内で申込期間と自分の受験区分を確かめる
  2. よくある質問で、CBTの受け方や持ち物の決まりを確かめる
  3. 勉強中に、各年度の出題例と解答で問題の形に慣れる
  4. 実施状況で、合格基準と区分ごとの合格率を見る
  5. 受験後、マイページで合否と科目別の得点を確かめる

受験案内の原文は、ANTAの国内試験 受験案内で確かめられます。

過去問は「出題例」として公開されている

CBTでは受験者ごとに問題が違うので、ANTAは令和6年度から「出題例」と「出題例の解答」を公開しています。令和4年度と令和5年度は、筆記の「問題」と「解答・合格基準」です。

令和8年度の出題例は10月2日に掲載されました。古い年度の問題は、法改正前の内容のことがある点に気をつけておきましょう。

公式ではない情報に注意

解答速報やアプリなどは、ANTAとは関係がありません。ANTAのよくある質問には、資格商法への注意も載っています。迷った時は、ANTAの公式ページの情報を基準にしてみてください。

独学でいくか、講座を使うか

ANTAの出題例と市販のテキストで、独学で合格を目指す人もたくさんいます。ANTAもJATAも、公的な立場から特定の参考書や講座は紹介していません。

運賃・料金の計算で手が止まりやすい方は、講座の資料を見比べてから決めると安心です。比べ方は旅行業務取扱管理者の講座の選び方で紹介しています。

旅行業務取扱管理者ガイド

講座を使って効率よく合格を目指したい方へ

旅行業務取扱管理者試験は、法令・約款の暗記に加えて、運賃・料金の計算や地理など範囲が広いのが特徴です。独学で進めるか、通信講座やスクールで質問や模試の機会を得ながら学ぶか。講座の種類と比べ方、資料請求で確かめたい点をまとめました。

無料旅行業務取扱管理者の講座の選び方を見る

試験の日程・受験手数料は各試験の実施機関(JATA・ANTA・観光庁)の案内で最新情報を確認してください。

ANTAとJATAは何が違う?

国内はANTA、総合はJATA

どちらも旅行業の協会で、受け持つ試験が違います。国内に合格した後に総合を目指すなら、窓口がANTAからJATAに変わります。

『国内に受かったら、総合もANTAで受けるの?』と思う方もいるはずです。違いはこうなります。

ANTA(全国旅行業協会)
  • 国内旅行業務取扱管理者試験を実施
  • CBT方式で全国47都道府県
  • 合格証書は簡易書留で郵送
JATA(日本旅行業協会)
  • 総合旅行業務取扱管理者試験を実施
  • マークシート方式で全国8か所
  • 合格証書はマイページからダウンロード

なお、ANTAの国内研修とJATAの総合研修の修了者に、相互の免除はありません。総合の試験についてはJATA(日本旅行業協会)と総合旅行業務取扱管理者試験で紹介しています。

ANTAと国内旅行業務取扱管理者でよくある相談

多いのは「経験がなくても受けられるか」と「申込みの手順」

ANTAの国内試験について、よく見かける相談に答えます。

旅行業界で働いていなくても受けられる?

旅行の仕事をまったくしていないけれど、国内の試験を受けられるか、という相談です。

受けられます。国内の試験に、年齢・学歴・国籍などの受験資格の制限はありません。

令和7年度の申込者12,376人のうち、旅行業の人は1,821人(14.7%)でした。会社員が31.4%、学生が30.0%なので、旅行業以外の人のほうがずっと多いんです。

高校生のうちに取れる?

高校在学中に国内の資格を取りたい、という相談です。

年齢の制限はないので、高校生でも受験できます。令和7年度の申込者を年齢で見ると、19歳以下が1,915人(15.5%)でした。

注意したいのは、試験会場で本人確認書類が要ることです。顔写真付きで有効期限内の原本が必要なので、早めに用意しておきましょう。

申込み画面で日程が選べない

申込みをしようとしたら、受けられる日が表示されない、という相談です。

まず、申込期間の中かを確かめてみてください。令和8年度は6月18日(木)10時から7月15日(水)23時59分まででした。

それでも選べない時は、ANTAのよくある質問を見たうえで、ANTAに問い合わせるのが確実です。申込みと受験は日程の中で1回だけなので、予約の日時は落ち着いて選びましょう。

よくある質問

全国旅行業務取扱管理者という資格はありますか?

ありません。全国旅行業協会(ANTA)が実施する試験の資格は、国内旅行業務取扱管理者です。

ANTAの資格に更新はありますか?

更新制度はなく、合格は有効のままです。住所が変わっても届出はいりません。選任された管理者は、5年ごとに定期研修を受けます。

合格証書をなくしたら再発行できますか?

できます。ANTAの国内の合格証は、再交付申請書・紛失届・再交付手数料2,500円・戸籍抄本または戸籍謄本で申請します。

ANTAの国内試験で電卓は使えますか?

使えません。スマートフォンやウェアラブル端末も使えず、メモ用紙と筆記用具は会場で貸し出されます。

ANTAが紹介している参考書はありますか?

ありません。公的な立場から特定の参考書や講座は紹介していません。代わりに、各年度の出題例と解答を公開しています。

まとめ

この記事の要点
  • 全国旅行業務取扱管理者は正式な資格名ではなく、ANTAが実施する試験の資格は国内旅行業務取扱管理者
  • ANTAは国内試験と、国内研修・地域限定研修・旅程管理研修・定期研修を実施している
  • 研修は受けられる人が決まっていて、一般の受験者に関係があるのは試験のことが多い
  • 令和8年度の国内試験は9月3日から25日のCBT方式で、令和7年度の合格率は35.6%
  • 総合はJATAが実施するので、国内合格後に総合を受ける時は窓口が変わる

まずはANTAの受験案内を開いて、令和8年度の申込期間と自分の受験区分を確かめてみましょう。

旅行業務取扱管理者ガイド

旅行業務取扱管理者ガイド 編集部

総合・国内・地域限定の旅行業務取扱管理者試験の仕組み、合格率と科目ごとの対策、過去問や講座を使った勉強法、資格を仕事に活かす方法までを、はじめて受験する人の目線で整理している情報サイトです。 公式サイト

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