当サイトの記事は編集部が観光庁・日本旅行業協会(JATA)・全国旅行業協会(ANTA)などの公開情報を調べて独自に執筆しています。試験の日程・受験手数料・法令は変更されることがあるため、最新の情報は各試験の実施機関のサイトで確認してください。
テキストの旅行業法の章を開いたものの、条文の言い回しが固くて、読んでも頭に残らない。そんな方も多いはずです。
結論から言うと、国内旅行業務取扱管理者の旅行業法は「登録」「営業所の管理者」「旅行者との取引」の3つの箱に分けると、ぐっと覚えやすくなります。
この記事を読むと、旅行業法の科目で何が問われるのかと、条文を身近な場面に置き換えて覚えるやり方が分かります。
旅行業法の科目は、試験でどれくらいの重さ?
旅行業法は、国内・総合・地域限定のどの試験にも出る科目です。どの試験でも100点満点で、6割の点を取ることが合格の目安になります。
『旅行業法って、全体の中でどのくらい大事なの?』と気になりますよね。
実は、旅行業法は3種類の試験すべてに入っている、いわば共通科目なんです。ここで点を取れるかどうかが、合否に直接ひびきます。
3つの試験での旅行業法の扱い
各試験の受験案内と、公表されている配点をもとにまとめました。
| 比べる点 | 国内 | 総合 | 地域限定 |
|---|---|---|---|
| 科目の呼び方 | 法令 | 業法 | 法令 |
| 配点 | 100点(4点×25問・令和7年度出題例) | 100点 | 100点(4点×25問・令和7年度) |
| 合格の基準 | 各科目60点以上(令和7年度) | 各科目で満点の60%以上 | 法令60点以上ほか(令和7年度) |
| 出題の根拠になる法令の日付 | 令和8年6月1日現在(令和8年度) | 令和8年8月1日現在(令和8年度) | 令和8年6月1日現在(令和8年度) |
| 試験の方式 | CBT | マークシート | マークシート |
国内の合格基準は、令和8年度(2026年度)の分は合格発表の時に公表されます。最新の情報は、各実施機関の案内で確かめてみてください。
科目ごとに6割、がポイント
国内も総合も、合格点は「科目ごと」に決まっています。3科目の合計で6割あればいい、という仕組みではないんです。
ほかの科目がよくできても、旅行業法だけ6割に届かなければ不合格になります。だからこそ、苦手のまま残さないことが大切です。
国内に合格した人は、総合を受ける時に業法が免除になります。地域限定に合格した人は、総合と国内の法令が免除です(施行規則第20条)。免除の仕組みは国内旅行業務取扱管理者の科目免除でくわしく紹介しています。
旅行業法は「3つの箱」に分けると覚えやすい
旅行業法の中身は「誰が旅行業をできるか」「営業所に誰を置くか」「旅行者とどう取引するか」の3つに分けられます。読んだ条文がどの箱の話かを決めてから覚えると、迷子になりにくいんです。
旅行業法を最初から順番に読むと、登録の話、保証金の話、管理者の話と、テーマがどんどん切り替わりますよね。
『いま読んでいるのが何の話か、途中で分からなくなる』という声はよく聞きます。そこで、旅行業務取扱管理者の旅行業法を、次の3つの箱に分けてみました。
| 箱 | ひと言でいうと | 入る主なテーマ | 身近な場面に置き換えると |
|---|---|---|---|
| 1. 登録 | 誰が旅行業をできるか | 観光庁長官の登録、登録を拒否される場合、登録の更新、営業保証金 | 旅行会社が店を開く前の手続き |
| 2. 管理者 | 営業所に誰を置くか | 管理者の選任、兼務の禁止、選任できる試験の種類、定期研修、証明書の提示 | 店ごとに責任者を置くルール |
| 3. 取引 | 旅行者とどう取引するか | 料金の掲示、約款の掲示、取引条件の説明、書面の交付、広告、禁止される行為 | 窓口でお客さんと契約する時のルール |

この表は、テキストのどのページを読む時も手元に置いておくのがおすすめです。新しい条文が出てきたら「これは何番の箱?」と自分に聞いてみてください。
箱に分けると、ひっかけにも気づきやすい
試験の選択肢には、別の箱の話がまぎれこんでいることがあります。
例えば「管理者の選任」の問題なのに、選択肢の中に登録の話が混ざっている。箱が頭にあると「あれ、これは別の話だ」と気づけるんです。
箱1は「誰が旅行業をできるか」(登録のルール)
旅行業や旅行業者代理業を営むには、観光庁長官の登録が必要です(第3条)。この箱では「登録できる人・できない人」と「登録したあとに守ること」を押さえます。
旅行会社が店を開く場面を思い浮かべてみてください。お客さんを迎える前に、まず国に登録して、旅行業を営んでよい状態にしますよね。
この「開く前の手続き」をまとめたのが、1つ目の箱です。
登録を拒否される場合と、管理者のつながり
登録の申請をしても、法律で決められた事情があると登録を拒否されます。その1つが「営業所ごとに旅行業務取扱管理者を確実に選任すると認められない者」です(第6条第1項第9号)。
つまり、管理者を置けない会社は、そもそも旅行業を始められないんです。箱1と箱2が、ここでつながっています。
| 箱1で押さえる言葉 | どんな意味か | 覚える時のひと言 |
|---|---|---|
| 登録 | 観光庁長官に登録して旅行業を営めるようにする | 店を開く許可の手続き |
| 登録の拒否 | 決められた事情があると登録されない | 管理者を置けないと開けない |
| 更新の登録 | 登録には有効期間があり、続けるなら更新する | 期限が来たら更新 |
| 営業保証金 | 旅行業者が供託するお金 | お客さんを守るための備え |
更新の登録と定期研修の関係
登録には有効期間があり、続けて営業するなら更新の登録を受けます。ここで関わってくるのが、管理者の定期研修です。
ANTAの説明では、選任した管理者に定期研修を受けさせていないと、更新登録の拒否事由に当たります。研修の話は箱2ですが、結果は箱1の登録にはね返ってくるわけです。
- 旅行業を営むには観光庁長官の登録が要ることを説明できる
- 登録を拒否される理由に、管理者の選任が入っていると言える
- 登録には有効期間があり、更新の登録があると分かる
- 定期研修を受けさせていないと更新に響くことを知っている
箱2は「営業所に誰を置くか」(旅行業務取扱管理者のルール)
旅行業法第11条の2は、旅行業務取扱管理者そのもののルールです。自分がなろうとしている資格の決まりなので、ここは細かいところまで押さえておきましょう。
『自分が受ける資格のことなのに、意外と知らなかった』という方も多いのが、この箱です。
数字や「できる・できない」の線引きが多いので、表にして覚えるのが近道です。
第11条の2のルールを場面に置き換える
旅行業法第11条の2の主な内容を、営業所の場面に置き換えてみました。
| 条文のルール | 営業所の場面に置き換えると |
|---|---|
| 営業所ごとに1人以上の管理者を選任する(第1項) | どの店にも、最低1人は責任者がいる |
| 選任した管理者が全員いなくなったら、新しく選任するまで旅行業務の契約を結べない(第2項) | 責任者がいない店は、契約の受付を止める |
| 旅行業務を扱う人が1人だけの営業所にも適用される(第3項) | 1人で回している店でも、その人が管理者の資格を持つ |
| 他の営業所の管理者を兼ねられない(第4項) | 1人の責任者が2つの店を掛け持ちしない |
| 近い営業所同士なら1人で足りる場合がある(第5項) | 条件を満たす近所の店同士は、例外として1人で見られる |
| 扱う旅行によって、選任できる試験の種類が違う(第6項) | 海外旅行を扱う店は総合の合格者が責任者 |
| 5年ごとに定期研修を受けさせる(第7項) | 責任者は5年ごとに学び直す |
第5項の例外は、数字とセットで覚える
近い営業所同士の例外には、細かい条件があります。営業所間の距離の合計が40キロメートル以下であること(施行規則第10条の2)が1つです。
ただし、地域限定旅行業務以外の範囲で登録している場合や、複数の営業所の前事業年度の取引額の合計が1億円を超える場合は使えません(施行規則第10条の3)。
『40キロと1億円、どっちがどっちだっけ?』と混ざりやすいところですよね。「距離は40キロ、お金は1億円」と、単位とセットで声に出すと覚えやすくなります。
どの試験の合格者を、どの営業所に置けるか
第6項は、国内・総合・地域限定の違いがそのまま出る部分です。
| 営業所が扱う旅行 | 選任できる合格者 |
|---|---|
| 海外旅行も扱う | 総合 |
| 国内旅行だけを扱う | 総合か国内 |
| 拠点区域(営業所のある市町村など)の旅行だけを扱う | 総合・国内・地域限定(その地域に係るもの)のどれか |
拠点区域は、観光庁の説明では「主たる営業所の所在地の隣接市町村までの範囲」です(施行規則第10条の5)。営業所のルールは旅行業務取扱管理者の選任義務で、さらに場面ごとに見ています。
「10名以上なら2名以上」は誰の説明?
JATAの案内には「営業所ごとに1名以上(従業員が10名以上の営業所では2名以上)」という説明があります。
一方で、法律の本文が定めているのは「一人以上」です。試験で問われるのは法律の言葉なので、この2つを混ぜないように気をつけてみてください。
管理者が管理・監督する10の業務
管理者が何を管理・監督するかは、施行規則第10条で決められています。観光庁の説明をもとに並べました。
- 旅行に関する計画の作成
- 旅行業務の取扱い料金の掲示
- 旅行業約款の掲示と備え置き
- 取引条件の説明
- 契約書面の交付
- 企画旅行の広告
- 企画旅行を円滑に実施するための措置
- 旅行に関する苦情の処理
- 契約内容の重要な事項の記録と関係書類の保管
- 取引の公正・旅行の安全・旅行者の利便のために観光庁長官が定める事項
10個を丸ごと覚えるのは大変ですよね。お客さんが来てから帰るまでの流れで並べ直すと、頭に入りやすくなります。
「計画を作る、料金と約款を見せる、条件を説明する、書面を渡す」と、窓口の動きに合わせて口に出してみてください。
証明書の提示と定期研修
管理者は、旅行者から求められた時に証明書を提示しなければなりません(第12条の5の2)。
また、旅行業者は選任した管理者に、5年ごとに旅行業協会の定期研修を受けさせます(第11条の2第7項・施行規則第10条の6)。直近5年以内に試験に合格した管理者などは対象から外れます。研修の中身は旅行業務取扱管理者の定期研修で紹介しています。
箱3は「旅行者とどう取引するか」(取引のルール)
3つ目の箱は、旅行者と契約する時のルールです。料金と約款を見せる、条件を説明する、書面を渡す、広告を正しく出す。窓口の動きの順に並べると、条文がつながって見えてきます。
この箱は、旅行会社の窓口で働いている方なら、毎日の仕事そのものですよね。
ただ、仕事の慣れで答えると、法律の言葉とずれて間違えることもあります。条文の言葉と、窓口の動きを結びつけておきましょう。
窓口の動きと、旅行業法の取引ルール
窓口での流れに沿って、どんなルールが関わるかをまとめました。
| 窓口の流れ | 関わるルール | よく問われる観点 |
|---|---|---|
| お店に入ってきた時 | 取扱い料金の掲示、旅行業約款の掲示と備え置き | 何を、どこに掲示するか |
| 旅行を選んでいる時 | 企画旅行の広告のルール | 広告に載せる事項、誤解させる表示をしない |
| 申し込む前 | 取引条件の説明 | 誰に、いつ、何を説明するか |
| 申し込んだあと | 契約書面の交付 | どんな書面を、いつ渡すか |
| 旅行のあと | 苦情の処理、記録と書類の保管 | 管理者が管理・監督する業務とのつながり |

禁止される行為と、行政の処分
取引の箱には、旅行業者がしてはいけない行為の決まりもあります。旅行者に不利になるような行為を禁じるルールで、業務改善命令などの処分とあわせて出題されることがあります。
ここは「誰が」「誰に対して」の主語を確かめながら読むのがコツです。旅行業者の行為なのか、観光庁長官の命令なのかで、答えが変わるからです。
旅行業法の取引ルールと、旅行業約款の決まりを混同してしまうケースがよくあります。旅行業法は「国が旅行業者に守らせるルール」、約款は「旅行業者と旅行者の契約の中身」です。約款の勉強は旅行業務取扱管理者の約款対策で進めてみてください。
国内旅行業務取扱管理者の旅行業法、どう勉強する?
旅行業法は、テキストを最初から最後まで読むより、過去問で問われ方を見てから読むほうが近道です。読んだ条文を3つの箱に戻す作業を、毎回くり返してみてください。
『条文を覚えようとしても、言葉が固くて頭に入らない』と感じますよね。
そんな時は、条文をいったん自分の言葉に言い換えてみましょう。例えば第11条の2第2項なら、こんなふうに言い直せます。
「管理者が全員いなくなったら、新しく選ぶまでその店では契約しちゃだめ。」
言い換えた文が説明できれば、選択肢の言い回しが変わっても対応できます。
1回分の進め方
- 過去問を5問ほど解き、何が問われているかを見る
- 解いた問題のテーマが、3つの箱のどれかを書き込む
- テキストの該当ページを読み、条文を自分の言葉で1行に言い換える
- 数字が出てきたら、単位とセットでメモする(40キロ、1億円、5年など)
- 次の回の最初に、前回間違えた問題だけ解き直す
過去問は、公式で無料で見られる
JATAは総合試験の過去5年分の問題と正解を公開しています。ANTAは国内試験の年度別の出題例と解答を公開しています。
国内の令和6年度以降はCBT方式のため、受験者ごとに問題が違い、「出題例」という形で公表されています。過去問の回し方は旅行業務取扱管理者の過去問の使い方で紹介しています。
各試験の問題は、その年の基準日(国内・地域限定は6月1日、総合は8月1日)時点の法令で作られています。古い年度の問題は、法改正の前の内容になっていることがあります(ANTA)。答え合わせの時は、今のテキストと食い違っていないかも見ておきましょう。
条文の原文は、気になった時だけ見る
旅行業法の原文は、e-Govの旅行業法で読めます。
ただ、最初から原文を読み込む必要はありません。テキストの説明で分からない所が出た時に、該当の条文だけ見るくらいで十分です。科目全体の勉強の順番は旅行業務取扱管理者の勉強方法も参考にしてみてください。
独学でいくか、講座を使うか
旅行業法は、暗記の量が多いぶん、自分で計画を立てて進めやすい科目です。テキストと過去問で独学する方もたくさんいます。
一方で、条文の読み方に慣れずに止まってしまうなら、解説付きの講座で全体の流れをつかむのも1つの方法です。学び方の比べ方は講座の選び方でまとめています。
旅行業務取扱管理者ガイド
講座を使って効率よく合格を目指したい方へ
旅行業務取扱管理者試験は、法令・約款の暗記に加えて、運賃・料金の計算や地理など範囲が広いのが特徴です。独学で進めるか、通信講座やスクールで質問や模試の機会を得ながら学ぶか。講座の種類と比べ方、資料請求で確かめたい点をまとめました。
無料旅行業務取扱管理者の講座の選び方を見る試験の日程・受験手数料は各試験の実施機関(JATA・ANTA・観光庁)の案内で最新情報を確認してください。
旅行業法でよくある相談
旅行業法の勉強についての相談は、覚え方と、どこまでやれば点が取れるかに集まります。よくある3つに答えます。
旅行業法はどうやって覚えた?いい覚え方はある?
旅行業法の覚え方で、何かいい方法はないか、という相談です。
おすすめは、この記事の3つの箱を使う方法です。新しい条文に出会ったら、まず「登録・管理者・取引」のどの箱かを決めてから覚えてみてください。
数字は、単位とセットで声に出すと混ざりにくくなります。語呂合わせを使う手もあり、語呂合わせのコツで紹介しています。
業法と約款は、過去問をくり返すだけで突破できる?
「旅行業法及びこれに基づく命令」と「旅行業約款、運送約款及び宿泊約款」は、過去問を回せば突破できるか、という相談です。
過去問で問われ方に慣れるのは、とても効果があります。ただ、答えの記号だけを覚えると、言い回しが変わった時に解けなくなることも。
1問ごとに「なぜこの選択肢が正しいのか」を、条文の言葉で説明できるか確かめてみましょう。説明できない問題だけテキストに戻れば、効率よく穴を埋められます。
旅行業務取扱管理者の資格は「レンタル」できる?
資格を持っている人から名前だけ借りられるのか、という相談です。
旅行業法が求めているのは、営業所ごとに管理者を選任し、取引条件の説明などの業務を管理・監督させることです。他の営業所の管理者との兼務もできません。
管理者は、旅行者から求められたら証明書を提示する立場でもあります。名前だけ借りるという考え方は、法律の仕組みとは合わないと考えておきましょう。
よくある質問
国内旅行業務取扱管理者の旅行業法は、何点取れば合格ですか?
国内試験の法令は100点満点で、令和7年度は各科目60点以上が合格基準でした。令和8年度の合格基準は合格発表の時に公表されます。
旅行業法の勉強は、国内と総合で同じでいいですか?
どちらも旅行業法とこれに基づく命令が範囲なので、勉強の中身は共通する部分が多いです。国内に合格すると、総合では業法が免除になります。
旅行業法と旅行業約款は、何が違いますか?
旅行業法は国が旅行業者に守らせるルールで、約款は旅行業者と旅行者の契約の中身です。試験でも別の科目として出題されます。
法改正があった場合、どの時点の法律で出題されますか?
令和8年度は、国内が6月1日現在、総合が8月1日現在の法令で出題されます。古い年度の過去問は、改正前の内容のことがあります。
まとめ
- 旅行業法は国内・総合・地域限定のすべてに出る科目で、科目ごとに6割が目安
- 「登録」「営業所の管理者」「旅行者との取引」の3つの箱に分けると覚えやすい
- 管理者のルール(第11条の2)は、営業所の場面に置き換えて表で覚える
- 数字は「距離は40キロ、お金は1億円」のように単位とセットで覚える
- 過去問で問われ方を見てから、条文を自分の言葉に言い換えて覚える
旅行業務取扱管理者の資格全体を知りたい方は、旅行業務取扱管理者とはから読むと流れがつかめます。
まずは3つの箱の表を書き写して、今日の過去問を5問だけ解いてみましょう。





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