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旅行や観光の仕事を目指していて、国内旅行業務取扱管理者を取れば就職に役立つのか気になっている。そんな方も多いはずです。
結論から言うと、この資格は旅行会社の営業所ごとに選任が必要な国家資格なので、旅行の仕事との結びつきははっきりしています。ただ、採用でどう見られるかは会社や職種によって違い、資格だけで決まるものではありません。
この記事を読むと、職種ごとの資格の見られ方と、就職活動での伝え方が分かります。
国内旅行業務取扱管理者は就職に役立つ?旅行会社が求める理由から考える
旅行会社は、法律で営業所ごとに旅行業務取扱管理者を選任しなければなりません。資格を持つ人が営業所に必要なのは確かですが、採用の判断は会社ごとに違うので、資格は判断材料の1つと考えておきましょう。
『資格を持っていれば、旅行会社に入りやすくなるの?』と期待しますよね。
この質問に答えるには、まず旅行会社がなぜこの資格を持つ人を必要とするのかを知っておくのが近道です。理由が分かると、資格をどう伝えればいいかも見えてきます。
営業所ごとに管理者が要る、という決まり
旅行業法では、旅行業者や旅行業者代理業者は、営業所ごとに1人以上の旅行業務取扱管理者を選任しなければならないと決めています(第11条の2)。JATAの案内では、従業員が10名以上の営業所では2名以上とされています。
さらに、選任した管理者が全員欠けると、新しく選任するまでその営業所では旅行業務の契約を結べません。管理者は、ほかの営業所の管理者を兼ねることもできません。
| 法律の決まり | 旅行会社から見ると |
|---|---|
| 営業所ごとに1人以上を選任 | 営業所を開くたびに資格を持つ人が要る |
| 管理者が全員欠けると契約できない | 異動や退職に備えて、資格を持つ人が複数いると安心 |
| ほかの営業所の管理者を兼ねられない | 1人の有資格者を何か所にも回せない |
| 海外旅行を扱う営業所は総合が必要 | 扱う旅行によって、必要な資格の種類が変わる |
表を見ると、旅行会社の中で資格を持つ人が必要とされる理由が分かりますよね。どの営業所に何人必要かは、旅行業務取扱管理者の選任義務で詳しく紹介しています。
それでも「有利」と言い切れない理由
一方で、法律が求めているのは営業所ごとの選任です。働く人全員が資格を持つ必要はありません。
採用で何を重視するかは、会社や職種、時期によって変わります。この記事では、資格がどんな場面で話題になりやすいかという判断材料をまとめていきますね。
令和7年度(2025年度)の国内試験の申込者12,376人のうち、旅行業で働く人は1,821人(14.7%)、学生は3,715人(30.0%)でした。働きながら受ける人と、就職の前に受ける人の両方がいる資格なんです。
職種別に見ると、資格はどう活きる?
旅行業務取扱管理者の資格は、旅行業の営業所で働く仕事では管理者の候補として、それ以外の仕事では旅行の取引の知識として活きる、と分けて考えると分かりやすくなります。
『旅行会社以外でも、この資格は意味があるの?』という声もよく聞きます。
ここでは職種ごとに、資格がどう結びつくかを表にしました。会社ごとの採用条件や制度は違うので、あくまで考え方の目安です。
| 仕事の例 | 資格との結びつき | 活きやすい知識 |
|---|---|---|
| 旅行会社の店頭・窓口 | 営業所の管理者に選任される候補になる | 取引条件の説明・約款・運賃や料金 |
| 旅行会社の法人営業・団体旅行 | 営業所の管理者の候補になる | 契約書面・取消料・手配の知識 |
| 企画旅行の商品づくり | 広告や取引条件の決まりを知っている | 旅行業法の広告のルール・約款 |
| 鉄道会社・バス会社などの運送業 | 旅行商品を扱う部門なら管理者の候補になりうる | 運送約款・運賃や料金の計算 |
| ホテル・旅館などの宿泊業 | 宿泊を組み込んだ旅行商品を考える時に知識が活きる | 宿泊約款・国内の観光地の知識 |
| 観光協会・観光案内の仕事 | 地域の旅行商品を扱う場面で知識が活きる | 地域限定の範囲・国内の地理 |

旅行会社の場合
旅行業務取扱管理者と旅行会社の結びつきは、いちばん分かりやすいものです。営業所を運営する以上、資格を持つ人は欠かせないからです。
旅行会社の例としてJTBの名前を挙げる人も多いですよね。大手でも地域の旅行会社でも、営業所ごとに管理者を選任するという決まりは同じです。旅行会社で働く人向けの話はJTBと旅行業務取扱管理者でもまとめています。
国内と総合で、管理者になれる営業所が違う
旅行会社と一口に言っても、扱う旅行は営業所ごとに違います。海外旅行を扱う営業所の管理者になれるのは、総合の合格者だけです。
『国内だけだと、旅行会社で物足りないと思われる?』と不安になる方もいますよね。国内の合格者は、国内旅行だけを扱う営業所や、地域の旅行だけを扱う営業所の管理者になれます。
- 国内旅行だけを扱う営業所
- 拠点区域の旅行だけを扱う営業所
- 海外旅行を扱う営業所
- 国内と海外の両方を扱う営業所
国内に合格すると、次の年度以降の総合で業法と国内旅行実務が免除になります。令和7年度の総合では、国内の合格者が受ける区分Eの受験者が1,313人いました。まず国内、次に総合という順で考える人がいるのは、この仕組みがあるからなんです。
宿泊・観光の仕事の場合
宿泊業や観光業の仕事では、管理者として選任されるかどうかより、知識そのものが話題になりやすいです。宿泊約款や国内の観光地の知識は、試験の約款と国内旅行実務の科目に入っています。
例えば、旅館で宿泊プランを考える立場なら、旅行会社とのやりとりで取消料や約款の話が出てきます。試験で学んだ言葉が分かると、話が通じやすくなりますよ。
航空・空港の仕事を目指す場合
客室乗務員や空港のグランドスタッフを目指して、この資格を考える学生もいます。航空会社の仕事は旅行業の営業所とは別なので、管理者の選任とは直接の関係はありません。
ただ、国内試験の約款の科目では、航空の運送約款も出題範囲に入っています。総合の海外旅行実務には、出入国の手続きや語学も含まれます。
| 目指す仕事 | 試験の中で重なる内容 |
|---|---|
| 国内線の仕事 | 国内試験の約款(航空の運送約款) |
| 国際線の仕事 | 総合の海外旅行実務(出入国の手続き・語学など) |
| 空港の案内の仕事 | 運送機関の利用料金・国内の地理 |
資格の名前で評価を期待するより、「お客さまの手続きの流れを学んだ」という形で話す方が、仕事とのつながりが伝わりやすいですよ。
JR・鉄道会社への就職を考える時は?
国内旅行実務の科目では、運送機関の利用料金を学びます。鉄道会社への就職を考える時は、資格の名前より、その知識をどう使いたいかを話せるかが大切です。
国内旅行業務取扱管理者と鉄道会社の組み合わせを気にする方は多いですよね。JRへの就職を目指して受ける学生もいます。
国内旅行実務では、JRの運賃・料金の計算がつまずきやすい単元の1つです。鉄道の運賃や料金の仕組みを学ぶので、駅や旅行商品の窓口の仕事とは知識の面で重なります。
鉄道会社の仕事と、資格の結びつき
鉄道会社やそのグループの会社が旅行商品を扱う場合も、旅行業を営むには観光庁長官の登録が必要です(旅行業法第3条)。登録を受けた営業所には、ほかの旅行会社と同じように管理者の選任が求められます。
一方で、運転や駅の仕事など、旅行業とは別の仕事では、管理者の選任とは関係しません。どの部門で働きたいかによって、資格の意味は変わってくるんです。
| 鉄道会社で考えられる仕事の例 | 資格との関係 |
|---|---|
| 旅行商品を扱う部門の仕事 | 管理者の候補になりうる |
| きっぷの販売や案内の仕事 | 運賃・料金の知識が活きる |
| 運転や設備などの仕事 | 管理者の選任とは関係しない |
採用で資格をどう見るかは、それぞれの会社の募集要項や説明会で確かめるのがいちばん確実です。運賃・料金の計算の学び方は、旅行業務取扱管理者のJR運賃・料金計算で紹介しています。
「資格を取れば鉄道会社に入りやすくなる」と考えてしまうと、面接で資格の名前しか話せなくなりがちです。学んだ運賃や約款の知識を、どの仕事で使いたいかまで話せるようにしておきましょう。
非常勤やパートで働く時に知っておきたいこと
旅行業務取扱管理者は営業所ごとに選任され、ほかの営業所の管理者を兼ねることはできません。非常勤で働く場合も、この決まりを前提に考えておくと話がかみ合います。
『子育て中なので、非常勤で旅行の仕事に関わりたい』『定年後に資格を活かしたい』という方もいますよね。働き方が変わっても、資格の合格はずっと有効です。
旅行業務取扱管理者の資格には更新制度がなく、合格は有効のままです。ただし、管理者に選任されると、5年ごとの定期研修を受けることになります。
非常勤で働く時に確かめたいこと
非常勤やパートの立場で、管理者として選任されるかどうかは、勤め先の考え方や営業所の状況によって変わります。働く前に、次の点を話し合っておくと安心です。
- 管理者として選任される予定があるかを確かめる
- 選任される場合、どの営業所の管理者になるかを確かめる
- ほかの営業所でも働く予定があるかを確かめる
- 5年ごとの定期研修の受け方を確かめる
1人の管理者は、原則としてほかの営業所の管理者を兼ねられません。近接する営業所の例外もありますが、地域限定旅行業務の範囲であることなどの条件があります。
選任のルールについて分からない点があれば、勤め先や旅行業の登録の窓口に確かめてみてください。法律の全文はe-Govの旅行業法で読めます。
しばらく旅行の仕事から離れていた場合
合格してから別の仕事をしていて、あとから旅行業に戻る方もいます。資格には更新制度がないので、合格証があればそのまま管理者の候補になれます。
なお、旅行業務取扱主任者という古い名前の時代に合格した方も、受け直しや手続きはいりません。合格証をなくした時は、国内ならANTAで再交付の手続きができます。
定期研修は、管理者に選任された人が5年ごとに受けるものです。直近5年以内に試験に合格した選任管理者は対象外になります。久しぶりに選任される時は、勤め先に研修の予定を確かめておきましょう。
就職活動で、資格をどう伝える?
面接では、資格を持っていることそのものより、学んだ内容と仕事のつながりを話せるかが伝わりやすさを左右します。具体的な場面で話せるように準備しておきましょう。
『履歴書に書いたけど、面接で何を話せばいいか分からない』という声もよく聞きます。伝え方を手順にしてみました。
- 受けた試験の種類(国内・総合・地域限定)と合格した年度を書く
- 試験で学んだ科目(法令・約款・国内旅行実務)を一言で説明できるようにする
- 志望する仕事で、その知識が出てくる場面を1つ考える
- 勉強の進め方で工夫したことを1つ話せるようにする
- 入社後に学びたいことを、資格の知識とつなげて話す
例えば、旅行会社の窓口を志望しているなら、こんな言い方ができます。
「国内旅行業務取扱管理者の勉強で、取消料や契約書面のルールを学びました」
「お客さまに説明する時に、その知識を使いたいと考えています」
鉄道会社を志望しているなら、運賃・料金の計算を練習した経験を話すのも1つの方法です。どこでつまずき、どう乗り越えたかは、勉強の進め方そのものを伝える材料になりますよ。
履歴書には、正式な名前で書く
資格欄には、試験の種類が分かる正式な名前で書いておきましょう。略して「旅管」などと書くと、読み手に伝わらないことがあります。
| 自分の状況 | 資格欄の書き方の例 |
|---|---|
| 国内に合格した | 国内旅行業務取扱管理者試験 合格 |
| 総合に合格した | 総合旅行業務取扱管理者試験 合格 |
| 国内に合格し、総合を勉強中 | 国内の合格に加えて、総合の受験予定を書き添える |
| 受験して結果待ち | 受験済み(結果待ち)と書き添える |
受験中の場合の伝え方
就職活動の時点で、まだ合否が出ていないこともあります。令和8年度(2026年度)の国内試験の合否は、10月16日(金)午前11時以降にマイページで確認できる予定です。
受験中なら、「受験予定」「受験済み・結果待ち」と正直に書いて大丈夫です。勉強している科目と進み具合を話せれば、取り組んでいる姿勢は十分に伝わります。
国内旅行業務取扱管理者の就職でよくある相談
就職に関する相談では、資格で優遇されるのか、学生のうちに挑戦する価値があるのかがよく聞かれます。代表的なものに答えます。
鉄道会社の就職に有利になる?
国内旅行業務取扱管理者は鉄道会社の就職に有利になるのか、という相談です。
有利かどうかは、会社や職種によって違うので一概には言えません。旅行商品を扱う部門なら管理者の候補として、きっぷの販売や案内なら運賃・料金の知識として、資格が話題になることはあります。
募集要項に資格の記載があるか、説明会で旅行商品の部門の話が出るかを確かめてみてください。そのうえで、学んだ知識をどの仕事に活かしたいかを話せるようにしておくと安心です。
旅行会社に入る時に、資格で優遇される?
資格を持っていると、旅行会社に就職する時に優遇されるのか、という相談です。
旅行会社は営業所ごとに管理者が必要なので、資格を持つ人がいることは会社にとって大切です。ただ、資格手当や採用での扱いは会社ごとに違い、この記事では言い切れません。
入社前から資格を持っていれば、入社後に勉強する時間を別のことに使えます。資格を「入ってからの準備ができている」という材料として伝えるのが自然ですね。
大学の授業で受けられるが、挑戦する価値はある?
大学の授業の一環で国内旅行業務取扱管理者に挑戦できそうだが、価値はあるか、という相談です。
国内試験の申込者は、令和7年度で約3割が学生でした。合格者3,675人のうち学生は870人(23.7%)で、学生のうちに受ける人は珍しくありません。
旅行や観光の仕事に少しでも興味があるなら、法令や約款、運賃の知識は仕事を知る入口になります。学生が受ける時の進め方は、学生が旅行業務取扱管理者を取るには?で詳しく紹介しています。
独学でいくか、講座を使うかの考え方
就職活動と並べて勉強する場合、使える時間には限りがあります。自分で計画を立てて進められるなら独学、ペース作りを任せたいなら講座が候補です。
どちらが正解ということはありません。迷ったら、講座の資料を見比べてから決めても遅くないですよ。
旅行業務取扱管理者ガイド
講座を使って効率よく合格を目指したい方へ
旅行業務取扱管理者試験は、法令・約款の暗記に加えて、運賃・料金の計算や地理など範囲が広いのが特徴です。独学で進めるか、通信講座やスクールで質問や模試の機会を得ながら学ぶか。講座の種類と比べ方、資料請求で確かめたい点をまとめました。
無料旅行業務取扱管理者の講座の選び方を見る試験の日程・受験手数料は各試験の実施機関(JATA・ANTA・観光庁)の案内で最新情報を確認してください。

よくある質問
国内旅行業務取扱管理者があれば、旅行会社に就職できますか?
資格は営業所の管理者に選任されるためのもので、採用の判断は会社ごとに違います。資格は判断材料の1つとして、学んだ知識と志望する仕事のつながりを話せるようにしておきましょう。
資格がないと旅行会社には入れませんか?
法律で決まっているのは営業所ごとに管理者を選任することで、働く人全員が資格を持つ決まりはありません。入社後に受ける人もいます。
JRなどの鉄道会社への就職では、どの知識が活きますか?
国内旅行実務で学ぶ運賃・料金の計算や、運送約款の知識が活きる場面があります。旅行商品を扱う部門なら、管理者の候補にもなりえます。
国内と総合のどちらを取っておくといいですか?
海外旅行を扱う営業所の管理者になれるのは総合の合格者だけです。まず国内に合格すると、次の年度以降の総合で業法と国内旅行実務が免除になります。
資格に有効期限はありますか?
更新制度はなく、合格は有効のままです。管理者に選任されると、5年ごとに定期研修を受けることになります。
まとめ
- 旅行会社は営業所ごとに管理者の選任が必要で、資格を持つ人が求められる理由がある
- 採用での見られ方は会社や職種で違うので、資格は判断材料の1つ
- 旅行会社では管理者の候補として、鉄道・宿泊・観光では知識として活きやすい
- 非常勤で働く時は、選任の予定と営業所を勤め先と確かめておく
- 面接では資格の名前より、学んだ知識と仕事のつながりを話す
資格を取ることそのもののよさを知りたい方は、旅行業務取扱管理者を取るメリットも参考にしてみてください。
まずは職種別の表を見て、自分が目指す仕事で資格がどう結びつくかを確かめてみてください。





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