総合旅行業務取扱管理者の試験対策|科目ごとの点の取り方

総合旅行業務取扱管理者の試験対策を、科目ごとの得点計画で紹介する記事のアイキャッチ

当サイトの記事は編集部が観光庁・日本旅行業協会(JATA)・全国旅行業協会(ANTA)などの公開情報を調べて独自に執筆しています。試験の日程・受験手数料・法令は変更されることがあるため、最新の情報は各試験の実施機関のサイトで確認してください。

総合旅行業務取扱管理者を受けると決めたものの、4科目のどこから手をつければいいのか迷っている。そんな方も多いはずです。

結論から言うと、総合旅行業務取扱管理者の対策は「どの科目で何点を取るか」を先に決めるところから始まります。合格点は科目ごとに決まっているので、全体の合計で考えると計画がずれてしまうんです。

この記事を読むと、4科目の得点計画の立て方と、受験区分や科目合格を使った作戦の組み方が分かります。

目次

総合旅行業務取扱管理者の試験対策は、まず何を決める?

先に結論

最初に決めるのは「自分の受験区分」と「科目ごとの目標点」の2つです。総合は科目ごとに満点の60%以上が合格点なので、1科目でも届かないと不合格になります。

『とりあえずテキストを最初から読めばいいのでは?』と思いますよね。

ただ、総合は受ける人によって受験する科目が違う試験です。国内に合格している人と、はじめて受ける人では、勉強する範囲そのものが変わります。

まずは、令和8年度の受験案内にある4科目と配点を見ておきましょう。

科目中身配点合格点(60%)
業法旅行業法及びこれに基づく命令100点60点
約款旅行業約款、運送約款及び宿泊約款100点60点
国内旅行実務国内の運賃・料金、国内の観光など100点60点
海外旅行実務海外の運送機関の料金、旅券・通関・検疫などの法令、出入国手続、主要国の観光、語学など200点120点

合格点は、各受験科目で満点の60%以上です(JATAの合格基準)。4科目の合計点で合否が決まるわけではない、というのがここで大事なところです。

試験時間の割り振りも頭に入れておく

免除のない区分Aの場合、第1時限が業法と約款で80分、第2時限が国内旅行実務と海外旅行実務で120分です。

第2時限は2科目で120分なので、計算問題に時間をかけすぎると、海外の観光や英語に回す時間が減ってしまいます。過去問を解く時も、この時間配分で練習しておくと本番で慌てにくいですよ。

試験そのものの仕組みは総合旅行業務取扱管理者試験とは?受験区分A〜Hと日程・配点でくわしく紹介しています。

4科目を「3つの関門」に分けた得点計画

総合は3つの関門を順番に越える試験

4科目を性格で分けると「業法・約款」「国内旅行実務」「海外旅行実務」の3つの関門になります。関門ごとに点の取り方が違うので、勉強の順番と時間のかけ方も変わります。

ここが、この記事でいちばん伝えたいところです。

総合の4科目は、同じように勉強するより、性格が似たもの同士でまとめた方が計画を立てやすくなります。この記事では、次の3つの関門に分けて考えます。

関門科目越える目安点の取り方落としやすい所
第1関門業法・約款それぞれ60点決まりを正確に覚え、選択肢の言い回しの違いを見抜く似た決まりの数字や期限の混同
第2関門国内旅行実務60点運賃・料金の計算手順と、国内の観光の暗記計算に時間を取られ、観光の問題を落とす
第3関門海外旅行実務120点国際航空運賃・出入国手続・海外の観光・英語を組み合わせて6割範囲が広く、どこまでやるか決められない
総合旅行業務取扱管理者の4科目を、業法・約款、国内旅行実務、海外旅行実務の3つの関門に分けて目標点を示した図解

第1関門は、毎年その場で越えるしかない

業法と約款には、科目合格の制度がありません。国内旅行実務と海外旅行実務は科目合格の制度がありますが、業法と約款は合格する年に合格点を取る必要があります。

つまり、どんな作戦を立てても、第1関門は「合格する年」に越えることになるんです。業法と約款は後回しにせず、早い時期から少しずつ触れておくと安心です。

第3関門は200点の6割

海外旅行実務は配点が200点で、合格点は120点です。範囲が広いので、全部を完璧にする必要はありません。

得意な分野で点を積み、苦手な分野は基本の問題を落とさない。そんな配分で6割を狙う考え方が合っています。

分野ごとの攻め方は総合旅行業務取扱管理者の海外旅行実務|200点科目の対策にまとめています。

3つの関門を、試験日から逆算して並べる

関門ごとの勉強を、いつ何をするかに落とし込んだ例を表にしました。区分Aで受ける人を想定した一例なので、期間の長さは自分の時間に合わせて変えてみてください。

時期中心にする関門やること
序盤第3関門(海外旅行実務)範囲がいちばん広いので、国際航空運賃と出入国手続から先に読み始める
序盤から毎日少し第1関門(業法・約款)1日数問でいいので、過去問の選択肢を読み続ける
中盤第2関門(国内旅行実務)運賃・料金の計算手順を固め、国内の観光を地域ごとにまとめる
中盤から終盤第3関門(海外旅行実務)主要国の観光と英語を、過去問の出題に合わせて広げる
終盤すべての関門第1時限80分・第2時限120分の時間で、過去問を通して解く

海外旅行実務を序盤に置いているのは、配点が200点と大きく、範囲も広いからです。後回しにすると、終盤に時間が足りなくなりやすいんです。

『業法と約款は直前の暗記で何とかなるのでは?』と考える方もいますよね。ただ、似た決まりが多い科目なので、毎日少しずつ触れて慣れておく方が、本番で選択肢に迷いにくくなります。

得点計画を立てる前に確かめること
  • 自分の受験区分(AからH)を確かめる
  • 受ける科目ごとに、合格点を書き出す
  • 過去問を1年分解き、科目ごとの今の点数を記録する
  • 合格点との差がいちばん大きい科目を1つ決める
  • 業法・約款は「その年に越える関門」として予定に入れる

科目ごとの点の取り方

科目ごとに「何で点を取るか」を変える

業法は数字と決まり、約款は場面ごとのルール、国内旅行実務は計算と観光、海外旅行実務は分野の組み合わせです。同じ読み方で全部を進めると、どこかで伸び悩みやすくなります。

ここからは、科目ごとに点の取り方を見ていきます。

『テキストは読んだのに、問題になると選べない』という悩みは、科目の性格に合った練習ができていない時によく起きるんです。

業法は、数字と「誰が・何を」をセットで覚える

業法では、登録や営業所、旅行業務取扱管理者の選任、取引のルールなどが問われます。似た決まりが多いので、数字や期限だけを覚えると混ざりやすい科目です。

例えば「営業所ごとに管理者を選任する」という決まりなら、「誰が(旅行業者等が)」「何を(営業所ごとに管理者を)」までセットで言えるようにしておきます。

旅行業法の全体像は旅行業務取扱管理者の旅行業法対策で紹介しています。

約款は、場面を思い浮かべながら読む

約款は、旅行業約款・運送約款・宿泊約款の決まりが問われます。条文を丸暗記するより、「旅行者が予約を取り消したら」「出発が遅れたら」のような場面で考える方が覚えやすいです。

過去問で間違えた時は、その選択肢がどんな場面の話だったかを一言メモしておきましょう。

国内旅行実務は、計算の手順を固めてから観光へ

国内旅行実務では、運賃・料金の計算と、国内の観光の問題が出ます。計算は手順を覚えれば安定して点が取れるので、先に固めておきたいところです。

国内の観光は範囲が広いので、地図を見ながら地域ごとにまとめていくと効率が上がります。

海外旅行実務は、分野ごとに目標点を分ける

海外旅行実務は、国際航空運賃、旅券・通関・検疫などの法令と出入国手続、主要国の観光、語学(英語)といった分野に分かれます。

分野ごとの配点は年度によって違うので、過去問で自分の得点を分野別に数えてみてください。そのうえで「この分野で稼ぐ」「この分野は基本だけ」と決めると、勉強の量に区切りがつきます。

科目ごとの練習の回し方
  1. 科目を1つ選び、テキストの1単元を読む
  2. その単元の過去問を、時間を計らずに解く
  3. 間違えた選択肢に、正しくはどうなのかを書き込む
  4. 計算問題は、答えを隠して手順を紙に書いて解き直す
  5. 1科目を通したら、過去問1年分をその科目だけ時間を計って解く

総合の過去問は、JATAの過去5年間の試験問題・正解で見られます。テキストの選び方は総合旅行業務取扱管理者のテキストはどう選ぶ?を参考にしてみてください。

受験区分によって、対策の重心はこう変わる

区分ごとの合格率に、対策のヒントがある

JATAは受験区分ごとの合格率を公開しています。数字を見ると、どの区分で、どの科目が壁になりやすいかがある程度読み取れます。

『自分の区分だと、どこに力を入れればいいの?』と迷う方もいますよね。

令和7年度(2025年度)の総合試験の合格率は全体で26.1%でした。受験区分ごとに見ると、次のように差があります。

受験区分受ける科目令和7年度の合格率対策の重心
A(免除なし)業法・約款・国内・海外11.7%4科目すべてを6割に。時間配分の練習も
B(海外免除)業法・約款・国内48.5%第1関門と国内旅行実務
C(国内免除)業法・約款・海外5.9%海外旅行実務の6割と第1関門の両立
D(国内・海外免除)業法・約款58.0%第1関門に集中
E(業法・国内免除)約款・海外29.6%海外旅行実務の6割
F(業法・国内・海外免除)約款のみ96.5%約款を仕上げる

数字から読み取れることを、編集部の見方として書いておきます。

業法と約款だけを受ける区分Dでも、合格率は58.0%です。第1関門は「暗記科目だから楽」とは言い切れない、と考えておいた方がよさそうです。

海外旅行実務を受ける区分(A・C・E)は、受けない区分(B・D・F)より合格率が低めに出ています。200点の科目が加わる重さが、数字にも表れているんです。

受験区分ごとに受ける科目と、対策の重心をどこに置くかをまとめた図解

国内に合格している人は区分Eが中心

国内旅行業務取扱管理者に合格している人は、総合の業法と国内旅行実務が免除になり、区分Eで約款と海外旅行実務を受けます。

区分Eの合格率は、令和4年度35.7%、令和5年度26.5%、令和6年度36.3%、令和7年度29.6%でした。約款は国内でも学んだ科目なので、海外旅行実務にどれだけ時間を回せるかがカギになります。

免除の仕組み全体は総合旅行業務取扱管理者の科目免除で詳しく紹介しています。

区分は自分で選ぶものではない

受験区分は、持っている資格や研修の修了、前年度の科目合格によって決まります。申込の前に、自分がどの根拠で何の科目が免除になるのかを、JATAの受験案内で確かめておきましょう。

科目合格を活かす、複数年の作戦

1年で決めきれない時は、2年で組み立てる

総合の国内旅行実務と海外旅行実務には科目合格の制度があります。合格点を取った科目は、次回の総合試験で免除になります。

『仕事をしながら、1年で4科目は正直きつい』という方もいますよね。そんな時は、はじめから複数年で考える作戦もあります。

令和7年度は、不合格者3,120人のうち449人が科目合格者でした。内訳は国内旅行実務のみ170人、海外旅行実務のみ238人、両方41人です。

1回で全科目に届かなくても、次の年につながる人がいるということです。

はじめて受ける人の3つのルート

国内の資格を持っていない人を例に、考えられるルートを表にしました。どれがよいかは、使える時間と仕事の状況で変わります。

ルート1年目2年目向いている人
1年で一気に区分Aで4科目を受けるなし勉強の時間をまとめて取れる
科目合格を使う区分Aで受け、実務科目の科目合格を狙う科目合格した実務科目を免除して受ける(例: 海外のみ合格なら区分B)1年目は実務科目に力を集中したい
国内から順番に9月の国内試験を受ける国内の合格で区分Eになり、約款と海外旅行実務を受ける先に国内の資格を手にしておきたい

どのルートでも、業法と約款(区分Eなら約款)は合格する年に越える必要があります。2年目の作戦を立てる時も、第1関門の勉強を止めないようにしておきましょう。

科目合格の免除は次回限り

科目合格による免除が使えるのは、次回の総合試験だけです。令和8年度の試験では、令和7年度の総合試験で科目合格した人が対象です。また、総合と国内の科目合格は互いに免除になりません。

「国内から順番に」を選ぶ時の注意

国内と総合は、同じ年度に両方を受けられます。ただし、同じ年度に国内に合格して、その結果で総合を一部免除で受けることは、受付の締切の関係でできません(JATA・ANTA)。

例えば、旅行会社の国内旅行の窓口で働いて2年目の場合を考えてみます。「今年の9月に国内、来年の10月に区分Eで総合」と2年で計画すると、それぞれの年に勉強する範囲がはっきりします。

令和8年度の日程は、国内が9月3日(木)から25日(金)のうち選んだ日時、総合が10月25日(日)です。最新の日程は各実施機関の案内で確認しておきましょう。

独学でいくか、講座を使うか

総合の対策は、テキストと公式の過去問を使った独学でも進められます。JATAとANTAは特定の参考書や講座を紹介していないので、教材は自分で選ぶことになります。

一方で、海外旅行実務の範囲の絞り方や、国際航空運賃の手順を解説で確かめたい時は、講座の教材を比べてみるのも1つの手です。学び方の比べ方は旅行業務取扱管理者の講座の選び方でまとめています。

旅行業務取扱管理者ガイド

講座を使って効率よく合格を目指したい方へ

旅行業務取扱管理者試験は、法令・約款の暗記に加えて、運賃・料金の計算や地理など範囲が広いのが特徴です。独学で進めるか、通信講座やスクールで質問や模試の機会を得ながら学ぶか。講座の種類と比べ方、資料請求で確かめたい点をまとめました。

無料旅行業務取扱管理者の講座の選び方を見る

試験の日程・受験手数料は各試験の実施機関(JATA・ANTA・観光庁)の案内で最新情報を確認してください。

総合の試験対策でよくある相談

悩みは「時間」と「お金」と「国内との差」

総合の対策についての相談で多いのは、残り時間が少ない時の進め方、国内合格者が追加でどれくらい勉強するか、お金をかけずに進めたい、の3つです。

試験日まであまり時間がない。何から手をつける?

今年の受験を考えているものの、試験日まであまり時間がない、という相談です。

時間が少ない時ほど、全部を同じように勉強するのは避けたいところです。まずは過去問を1年分解いて、科目ごとに合格点との差を確かめてみてください。

差が小さい科目は合格点を守る練習、差が大きい科目は点の取りやすい分野から手をつけます。業法と約款はその年に越える関門なので、短い時間でも毎日触れておくと安心です。

国内に合格している。総合の勉強時間はどれくらい?

国内旅行業務取扱管理者を持っている場合、総合のためにどのくらい勉強すればいいか、という相談です。

必要な時間は、海外の分野にどれだけなじみがあるかで人によって大きく違います。この記事では「何時間」とは言い切らず、時間の出し方をおすすめします。

例えば、区分Eで受ける場合、過去問で約款と海外旅行実務の今の点数を出し、合格点との差を分野ごとに書き出します。「週に使える時間 × 試験日までの週数」で手持ちの時間を出し、差の大きい分野から割り当てると、自分なりの計画になりますよ。

お金をあまりかけずに総合の対策をしたい

総合に興味があるけれど、教材や講座にあまりお金は使えない、という相談です。

総合の過去問は、JATAが過去5年分の試験問題と正解を無料で公開しています。まずは公式の過去問で出題の形を知り、テキストは1冊に絞る、という進め方ができます。

紙で計算を練習したい方は、過去問を印刷して解くのもおすすめです。無料で使える教材の探し方は旅行業務取扱管理者を無料で勉強する方法で紹介しています。

よくある質問

総合旅行業務取扱管理者試験対策は、どの科目から始めればいいですか?

過去問を1年分解き、合格点との差がいちばん大きい科目から始めるのがおすすめです。ただし業法と約款には科目合格の制度がないので、早い時期から少しずつ並行して進めておきましょう。

総合の合格点は、4科目の合計で6割ですか?

いいえ、各受験科目で満点の60%以上が合格点です。業法・約款・国内旅行実務は60点、海外旅行実務は200点満点なので120点が目安です。

科目合格した科目は、何年先まで免除になりますか?

次回の総合試験だけです。令和8年度の試験では、令和7年度の総合試験の科目合格者が免除の対象になります。

国内と総合は、同じ年に受けられますか?

受けられます。ただし、同じ年度に国内に合格して、その結果で総合を一部免除で受けることは、受付の締切の関係でできません。

総合の過去問はどこで手に入りますか?

JATAのサイトで、過去5年分の試験問題と正解が公開されています。受験区分ごとの合格率などの実施結果も見られます。

まとめ

この記事の要点
  • 総合旅行業務取扱管理者の合格点は、各科目で満点の60%以上
  • 4科目は「業法・約款」「国内旅行実務」「海外旅行実務」の3つの関門で考える
  • 業法と約款には科目合格がないので、合格する年に越える
  • 受験区分によって、対策の重心は大きく変わる
  • 科目合格の免除は次回限り。複数年の作戦は日程と締切を確かめて立てる

まずは過去問を1年分解いて、科目ごとの今の点数を書き出してみましょう。そこから、あなたの得点計画が始まります。

旅行業務取扱管理者ガイド

旅行業務取扱管理者ガイド 編集部

総合・国内・地域限定の旅行業務取扱管理者試験の仕組み、合格率と科目ごとの対策、過去問や講座を使った勉強法、資格を仕事に活かす方法までを、はじめて受験する人の目線で整理している情報サイトです。 公式サイト

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