総合旅行業務取扱管理者試験とは?受験区分A〜Hと日程・配点

総合旅行業務取扱管理者試験の受験区分A〜H・日程・配点を説明する記事のアイキャッチ

当サイトの記事は編集部が観光庁・日本旅行業協会(JATA)・全国旅行業協会(ANTA)などの公開情報を調べて独自に執筆しています。試験の日程・受験手数料・法令は変更されることがあるため、最新の情報は各試験の実施機関のサイトで確認してください。

総合旅行業務取扱管理者試験を受けようと受験案内を開いたら、受験区分がAからHまであって、自分がどれなのか分からない。そんな方も多いはずです。

結論から言うと、総合旅行業務取扱管理者試験は4科目の試験で、国内の合格や研修の修了、科目合格などを持っていると一部の科目が免除になります。その組み合わせが受験区分A〜Hなんです。

この記事を読むと、令和8年度の日程と時間割、配点の特徴、そして自分の受験区分の見つけ方が分かります。

目次

総合旅行業務取扱管理者試験とは?

先に結論

総合旅行業務取扱管理者試験とは、海外旅行も国内旅行も扱う営業所の管理者になるための国家試験です。日本旅行業協会(JATA)が、観光庁長官に代わって試験事務を行っています。

旅行会社などは、営業所ごとに旅行業務取扱管理者を選ぶことが旅行業法で決められています。海外旅行を扱う営業所の管理者には、総合の合格者しかなれないんです。

国内旅行だけの営業所や、地元の旅行だけを扱う営業所でも、総合の合格者は管理者になれます。3種類の中で、いちばん広い範囲をカバーする資格ですね。

資格そのものの役割や取るまでのルートは、総合旅行業務取扱管理者とは?国内との違いと取るまでのルートで紹介しています。

誰が受けられる?

『国内に合格していないと、総合は受けられないんでしょ?』と思っている方もいますよね。

実は、総合にも受験資格はありません。年齢・学歴・国籍などの制限がなく、国内の合格も条件ではないんです。

ただ、国内に合格している人は一部の科目が免除になります。だから、国内を先に取ってから総合へ進む人と、最初から総合を受ける人の両方がいます。

国内試験とはどこが違う?

国内試験と比べると、違いは次のとおりです。令和8年度の受験案内をもとにしています。

比べる点総合国内
実施機関JATAANTA
方式マークシート(1日で実施)CBT方式(期間の中で日時を選ぶ)
科目業法・約款・国内旅行実務・海外旅行実務法令・約款・国内旅行実務
満点500点(海外旅行実務が200点)300点
受験手数料13,000円(非課税)+システム利用料660円8,000円(非課税)+システム利用料660円

令和8年度の日程と当日の時間割は?

試験は令和8年10月25日(日)、申込は8月7日まで

令和8年度(2026年度)の総合試験は、10月25日(日)です。申込はインターネット申請のみで、7月16日(木)から8月7日(金)までです。

『試験は10月だから、申込もまだ先でいいかな』と思いがちですよね。実は申込の締切は8月上旬なので、夏休みの前に手続きを済ませておくのが安心です。

項目令和8年度の内容
試験日10月25日(日)10時30分集合(10時開場予定)
申込期間7月16日(木)から8月7日(金)、インターネット申請のみ
受験手数料13,000円(非課税)+システム利用料660円
試験地北海道・宮城・東京・愛知・大阪・広島・福岡・沖縄
受験票9月28日(月)以降、マイページに掲載
出題の根拠法令令和8年8月1日現在
合格発表12月10日(木)予定。JATAサイトとマイページ

最新の日程は、JATAの総合旅行業務取扱管理者試験のページで確認してみてください。ほかの試験との日程の並びは、旅行業務取扱管理者の試験日はいつ?にまとめています。

全科目を受ける場合の時間割

免除なしの受験区分Aの時間割は、次のとおりです。

時限時間科目
第1時限11:00から12:20(80分)業法・約款
第2時限13:30から15:30(120分)国内旅行実務・海外旅行実務

午後の120分で、国内旅行実務と海外旅行実務をまとめて解きます。時間の配分を自分で決める必要があるので、過去問を解く時も時間を計っておきましょう。

当日の持ち物とルール

解答はマークシートです。持ち物と当日のルールをチェックリストにしました。

総合試験の当日に確かめること
  • HBかBの黒鉛筆・シャープペンシルと、プラスチック消しゴムを持っていく
  • 時計機能だけの小型の時計を持っていく(スマホ・スマートウォッチは使えない)
  • 遅刻は各時限の開始後30分以内までと覚えておく
  • 第1時限を欠席すると第2時限は受けられないので、午前に間に合うように出発する

合格発表と合格証書の受け取り方

令和8年度の合格発表は12月10日(木)予定です。JATAのサイトに、試験地と受験番号による合格者一覧が午前11時頃に掲載され、マイページにも結果が出ます。

合格証書と科目合格通知書は、マイページからダウンロードする形です。郵送はされないので、ダウンロードした証書は大切に保管しておきましょう。

『結婚して姓が変わったら、証書を書き換えてもらえる?』という疑問もありますよね。JATAは姓が変わっても書換えの再発行はしておらず、戸籍抄本を添付して使う形です。英語版の合格証も発行されていません。

海外旅行実務が200点満点なのはなぜ大事?

総合の合否は、海外旅行実務で120点を取れるかが大きい

総合の配点は、業法・約款・国内旅行実務が各100点、海外旅行実務だけが200点です。合格点は各科目で満点の60%以上なので、海外旅行実務では120点が必要になります。

『海外の科目が1つ増えるだけでしょ?』と思うかもしれません。ここが大事なところで、海外旅行実務は満点が倍なうえに、扱う中身もとても広いんです。

科目配点合格点(満点の60%)主な中身
業法100点60点旅行業法とそれにもとづく命令
約款100点60点旅行業約款・運送約款・宿泊約款
国内旅行実務100点60点国内の運送機関・宿泊施設の料金や旅行業務の実務
海外旅行実務200点120点外国の運送機関の料金、旅券・通関・検疫・為替管理などの法令、出入国手続、主要国の観光、語学など
総合旅行業務取扱管理者試験の4科目の配点と、各科目で満点の60%が合格点になることを示した図解

200点の科目は「範囲の広さ」を表している

海外旅行実務の中身を見ると、料金の計算、出入国の手続き、各国の観光地、英語の読解まで入っています。1つの科目の中に、いくつもの分野が詰まっているイメージです。

例えば、旅行会社の窓口で働いて2年目の場合を考えてみてください。国内のツアーは毎日扱っていても、海外の出入国手続や外国の運賃にはなじみがない、ということも多いですよね。

だからこそ、総合を目指す時は、海外旅行実務にいちばん多く時間を割く計画を立てておくと安心なんです。

科目ごとに基準があるので、得意科目でカバーできない

総合は、4科目それぞれで満点の60%以上を取る必要があります。合計点が高くても、1科目でも基準に届かなければ合格になりません。

よくある失敗

得意な国内旅行実務や約款で高得点を取れば、海外旅行実務が少し足りなくても大丈夫、と考えてしまうケースがあります。総合は科目ごとの基準なので、苦手科目を放置しない計画が必要です。

海外旅行実務の勉強の進め方は、総合旅行業務取扱管理者の海外旅行実務|200点科目の対策で詳しく紹介しています。

受験区分A〜Hを「持っているもの」から逆引きする早見表

受験区分は「どの科目が免除になるか」の組み合わせ

受験区分は、免除される科目の組み合わせごとにAからHまで分かれています。自分が持っている資格や研修の修了、科目合格から逆引きすると、迷わずに見つけられます。

『受験案内の表を見ても、自分がどれなのかピンとこない…』という声はよく聞きますよね。まずは、各区分で何が免除になるかを確かめましょう。

区分免除される科目受ける科目
Aなし業法・約款・国内旅行実務・海外旅行実務
B海外旅行実務業法・約款・国内旅行実務
C国内旅行実務業法・約款・海外旅行実務
D国内旅行実務・海外旅行実務業法・約款
E業法・国内旅行実務約款・海外旅行実務
F業法・国内旅行実務・海外旅行実務約款のみ
G業法約款・国内旅行実務・海外旅行実務
H業法・海外旅行実務約款・国内旅行実務

免除の根拠になる6つのもの

令和8年度の受験案内で、免除の根拠になるのは次の6つです。

  1. 国内旅行業務取扱管理者の資格(業法と国内旅行実務が免除)
  2. 令和7・8年度の総合旅行業務取扱管理者研修「海外旅行実務」の修了(海外旅行実務が免除)
  3. 同じ研修の「国内旅行実務」の修了(国内旅行実務が免除)
  4. 令和7年度の総合試験で「海外旅行実務」の科目合格(海外旅行実務が免除)
  5. 令和7年度の総合試験で「国内旅行実務」の科目合格(国内旅行実務が免除)
  6. 地域限定旅行業務取扱管理者の資格(業法が免除)

持っているものから区分を逆引き

上の6つの組み合わせから、自分の区分を見つける早見表を作りました。左の列から、自分に当てはまる行を探してみてください。

持っているもの免除される科目受験区分
どれも持っていないなしA
海外旅行実務の研修修了か科目合格だけ海外旅行実務B
国内旅行実務の研修修了か科目合格だけ国内旅行実務C
国内旅行実務と海外旅行実務の両方の研修修了か科目合格国内旅行実務・海外旅行実務D
国内の資格だけ業法・国内旅行実務E
国内の資格と、海外旅行実務の研修修了か科目合格業法・国内旅行実務・海外旅行実務F
地域限定の資格だけ業法G
地域限定の資格と、海外旅行実務の研修修了か科目合格業法・海外旅行実務H

「去年国内に受かったから、今年は区分Eだよね?」
「そう。約款と海外旅行実務の2科目だよ。海外の研修修了か科目合格もあれば区分Fになるね」

令和7年度の数字では、区分Aの次に受験者が多いのが、国内の合格者が受ける区分E(1,313人)でした。約款と海外旅行実務の2科目に集中できるんですね。

持っている資格や研修修了、科目合格から、総合試験の受験区分A〜Hを逆引きする早見表の図解

区分Eの合格率は年度で上下する

国内の合格者が受ける区分Eの合格率は、年度によって次のように動いています。

年度区分Eの合格率
令和4年度35.7%
令和5年度26.5%
令和6年度36.3%
令和7年度29.6%

業法と国内旅行実務が免除になっても、海外旅行実務の120点が壁になるのは変わりません。区分Eだからと油断せず、海外旅行実務に時間を残しておきたいですね。

研修は、受けられる人が限られている

総合旅行業務取扱管理者研修は、旅行会社に勤めていて、直近5年以内に3年以上の海外旅行業務の経験がある人が受けられます。一般の人は受講できません。

また、国内試験の科目合格や、ANTAの国内研修の修了は、総合の免除には使えません。総合と国内の科目合格は、相互に免除されない仕組みです。

同じ年度の国内合格は使えない

国内と総合は同じ年度に両方受けられます。ただし、総合の申込締切が国内の合格発表より前なので、同じ年度に国内に合格して総合を区分Eで受けることはできません。

科目免除の仕組みをもっと詳しく知りたい方は、総合旅行業務取扱管理者の科目免除|国内合格者・研修・科目合格を見てみてください。

合格率は区分によってどれくらい違う?

全体の合格率と、区分Aの合格率は分けて見る

総合の合格率は、免除を使った人も含めた数字です。全科目を受ける区分Aだけで見ると、数字が大きく変わります。

JATAの実施結果で、合格率の推移を見てみましょう。合格率は、合格者を受験者で割った数字です。

年度受験者合格者合格率区分Aの合格率
令和3年度7,135人1,785人25.0%6.2%
令和4年度5,266人1,662人31.6%13.5%
令和5年度4,699人1,050人22.3%7.9%
令和6年度4,680人1,320人28.2%13.2%
令和7年度4,519人1,179人26.1%11.7%

令和7年度の区分別の合格率

令和7年度(2025年度)の区分別では、受ける科目が少ないほど合格率が高くなっています。

区分受験者合格者合格率
A1,948人227人11.7%
B101人49人48.5%
C443人26人5.9%
D507人294人58.0%
E1,313人389人29.6%
F201人194人96.5%

区分Cは、海外旅行実務を受けて国内旅行実務が免除になる区分です。合格率5.9%という数字からも、海外旅行実務の重さが伝わってきますよね。

科目合格で次の年につなげる

総合には、国内旅行実務と海外旅行実務に科目合格の制度があります。業法と約款には、科目合格の制度はありません。

令和7年度は、不合格だった3,120人のうち449人が科目合格になりました。科目合格した科目は、次の回の総合で免除になります。

令和7年度の科目合格の内訳人数
国内旅行実務のみ170人
海外旅行実務のみ238人
両方41人
合計449人(令和6年度は519人)

『今年は全部は無理かも』と感じても、海外旅行実務だけでも合格点を取れれば、翌年は区分Bで受けられます。2年がかりの計画も、立派な作戦なんです!

合格率の推移を国内・地域限定と比べたい方は、旅行業務取扱管理者の合格率|国内・総合・地域限定の推移を比較を見てみてください。

独学でいくか、講座を使うか

総合の勉強は、海外旅行実務の範囲が広い分、何から手をつけるかで迷いやすいですよね。

公式の過去問は、JATAが過去5年分を公開しています。過去問を軸に自分で計画を立てられる方は、独学でも進められます。

一方で、海外の運賃計算や英語の問題で手が止まりやすい方は、講座のカリキュラムに乗る方法もあります。科目ごとの点の取り方は総合旅行業務取扱管理者の試験対策、講座の選び方は旅行業務取扱管理者の講座の選び方で紹介しています。

旅行業務取扱管理者ガイド

講座を使って効率よく合格を目指したい方へ

旅行業務取扱管理者試験は、法令・約款の暗記に加えて、運賃・料金の計算や地理など範囲が広いのが特徴です。独学で進めるか、通信講座やスクールで質問や模試の機会を得ながら学ぶか。講座の種類と比べ方、資料請求で確かめたい点をまとめました。

無料旅行業務取扱管理者の講座の選び方を見る

試験の日程・受験手数料は各試験の実施機関(JATA・ANTA・観光庁)の案内で最新情報を確認してください。

総合旅行業務取扱管理者試験でよくある相談

国内との関係と、海外旅行実務の英語の相談が多い

総合試験についての相談では、国内との関係や、海外旅行実務の英語の問題についての悩みがよく見られます。代表的な3つに答えます。

総合に合格したら、国内は受けなくていい?

総合に合格した場合、国内の試験も受ける必要があるのか、という相談です。

結論から言うと、管理者になれる範囲という意味では、国内を別に受ける必要はありません。旅行業法では、国内旅行だけを扱う営業所の管理者は、総合か国内の合格者から選ぶことになっています。

つまり、総合の合格者は国内旅行だけの営業所でも管理者になれます。

去年国内に合格した。今年の総合はどの科目を受ける?

前の年に国内に合格していて、今年総合を受けたいが、どの科目を受ければいいか、という相談です。

国内の資格を持っていると、業法と国内旅行実務が免除になり、受験区分Eになります。受けるのは約款と海外旅行実務の2科目です。

令和7年度の区分Eの合格率は29.6%でした。区分Aの11.7%より高いのは、範囲を絞って勉強できるからと考えられます。

海外旅行実務の研修修了や科目合格も持っていれば、区分Fで約款だけになります。持っているものを、もう一度早見表で確かめてみてください。

英語が苦手でも、海外旅行実務で点は取れる?

英語がとても苦手だけれど、総合を受けても大丈夫か、という相談です。

海外旅行実務の範囲には語学も含まれているので、英語の問題は避けて通れません。ただ、海外旅行実務は料金の計算や出入国手続、主要国の観光など、ほかの分野も多い科目です。

『英語で点を落とすなら、ほかで取り返したい』と考えるなら、まずは過去問で英語の問題の形を確かめてみてください。

  • 「英語以外の分野で、どれだけ点を積めそう?」
  • 「英語の問題は、どんな文章がどのくらい出ている?」

この2つが見えると、英語にどこまで時間をかけるかを決めやすくなりますよ。

よくある質問

総合旅行業務取扱管理者試験の受験手数料はいくらですか?

令和8年度は13,000円(非課税)と、システム利用料660円です。申込はインターネット申請のみです。

総合旅行業務取扱管理者試験の合格基準は?

各受験科目で満点の60%以上です。業法・約款・国内旅行実務は各60点、200点満点の海外旅行実務は120点が基準になります。

合格証書は郵送されますか?

合格証書と科目合格通知書は、マイページからダウンロードする形で、郵送はされません。

過去問はどこで見られますか?

JATAのサイトで、過去5年間の試験問題と正解が公開されています。区分別・科目別の実施結果も見られます。

国内を持っていなくても総合を受けられますか?

受けられます。総合にも受験資格はありません。国内を持っていない場合は、免除がなければ区分Aでの受験です。

まとめ

この記事の要点
  • 総合旅行業務取扱管理者試験は、海外旅行も扱う営業所の管理者になるための国家試験で、JATAが試験事務を行う
  • 令和8年度は10月25日(日)に実施、申込は7月16日から8月7日までのインターネット申請のみ
  • 海外旅行実務は200点満点で、合格には120点が必要
  • 受験区分A〜Hは、国内の資格・地域限定の資格・研修修了・科目合格の組み合わせで決まる
  • 令和7年度の合格率は全体26.1%、区分A 11.7%、区分E 29.6%

まずは逆引きの早見表で自分の受験区分を確かめて、JATAの過去問を1年分解いてみましょう!

旅行業務取扱管理者ガイド

旅行業務取扱管理者ガイド 編集部

総合・国内・地域限定の旅行業務取扱管理者試験の仕組み、合格率と科目ごとの対策、過去問や講座を使った勉強法、資格を仕事に活かす方法までを、はじめて受験する人の目線で整理している情報サイトです。 公式サイト

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次