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旅程管理主任者と旅行業務取扱管理者、名前が似ていてどちらを取ればいいのか分からない。添乗員になりたいけれど、管理者の試験に受かればなれるのか知りたい。そんな方も多いはずです。
結論から言うと、旅行業務取扱管理者は営業所の取引の責任者で、旅程管理主任者はツアーに同行する主任添乗員です。管理者の試験に合格しても、それだけでは主任添乗員にはなれません。
この記事を読むと、2つの違いと、添乗員を目指す時に何から始めればいいかが分かります。
旅程管理主任者と旅行業務取扱管理者の違いは?
旅行業務取扱管理者は「営業所」で取引を管理・監督する人、旅程管理主任者は「ツアーの現場」で旅程を管理する主任添乗員です。なり方も、管理者は国家試験、旅程管理主任者は研修と実務経験です。
『どっちも旅行の資格なんだから、似たようなものでしょ?』と思いますよね。
実は、働く場所も、取り方もまったく違うんです。まずは大きな違いを表で見てみましょう。
| 比べる点 | 旅行業務取扱管理者 | 旅程管理主任者(主任添乗員) |
|---|---|---|
| 主に働く場所 | 旅行業者の営業所 | 企画旅行のツアーの現場 |
| 役割 | 取引条件の説明や契約書面の交付などを管理・監督する | 旅行者に同行し、旅程どおりに旅行が進むよう管理する |
| なり方 | 旅行業務取扱管理者試験(国家試験)に合格する | 旅程管理研修を修了し、一定の実務経験を積む |
| 根拠 | 旅行業法第11条の2 | 旅行業法の旅程管理の決まり |
| 受ける前の条件 | 年齢・学歴・国籍などの制限なし | 研修の受講資格は旅行業務の従事者または従事予定者 |
| 置き方 | 営業所ごとに一人以上を選任 | ツアーで旅程管理を行う人のうち主任の人 |
| 選任後の研修 | 5年ごとの定期研修 | 研修の修了と実務経験が要件 |

旅行業務取扱管理者は「お店の取引の責任者」
旅行業務取扱管理者は、旅行業者と旅行業者代理業者が営業所ごとに選任する責任者です(旅行業法第11条の2)。
仕事の中心は、旅行の申し込みや契約がルールどおりに行われているかを見ることです。取引条件の説明、契約書面の交付、企画旅行の広告、苦情の処理など10の業務があります。
具体的な業務の中身は、旅行業務取扱管理者の仕事内容で紹介しています。
旅程管理主任者は「ツアーの現場のリーダー」
旅程管理主任者は、企画旅行に参加する旅行者に同行して、旅程の管理を行う人のうち主任の人です。一般には「主任添乗員」と呼ばれています。
ANTAの説明では、旅程管理研修は「主任添乗員の資格制度」と言える仕組みです。ツアーの集合から解散まで、予定どおりに旅行が進むように動く役割なんですね。
例えば、こんな場面を思い浮かべてみてください。
「バスの到着が遅れていますが、昼食の時間はどうなりますか?」
「お店に連絡して時間をずらしてもらったので、予定どおり召し上がれますよ」
こうした現場での判断と調整が、旅程管理主任者の仕事です。
2つの違いを3行で覚えるなら
- 営業所で取引を管理・監督する
- 国家試験に合格してなる
- 営業所ごとに一人以上選任される
- ツアーに同行して旅程を管理する
- 研修の修了と実務経験でなる
- ツアーの主任添乗員として選任される
左右を見比べると、「どこで働くか」と「どう取るか」が違うことが分かりますよね。
平成8年の法改正で何が変わった?
平成7年度までは、管理者の試験に合格して実務経験があれば主任添乗員になれました。平成8年の旅行業法改正で、主任添乗員は旅程管理研修の修了者に限られるようになりました。
『昔は管理者の資格で添乗員になれたと聞いたけど?』という声もよく聞きます。それは、平成7年度までの話なんです。
JATAのよくあるご質問で、改正の前と後の違いが説明されています。表にすると次のとおりです。
| 時期 | 主任添乗員になれる人 |
|---|---|
| 平成7年度まで | 旅程管理研修の修了者か、旅行業務取扱管理者試験の合格者で、一定の実務経験がある人 |
| 平成8年の改正以降 | 旅程管理研修の修了者で、一定の実務経験がある人 |
改正後は、管理者の試験に合格しても主任添乗員にはなれず、旅程管理研修を別に修了することが必要になりました(JATA FAQ Q11)。

平成7年度までの国内合格者はどうなる?
ANTAのよくある質問では、平成7年度までに国内の試験に合格した人は、国内旅程管理研修を修了したとみなすとしています。
ただし、旅程管理主任者になるには、研修の修了に加えて旅行業法で決められた実務経験が要ります。みなしの扱いがあっても、実務経験の条件は別に考えておきましょう。
平成8年度以降に国内の試験に合格した人は、国内旅程管理研修を修了したことにはなりません(ANTA)。添乗員を目指すなら、旅程管理研修を受ける前提で計画してみてください。
名称の変更とまぎらわしい呼び方
もう1つややこしいのが、資格の名前です。平成17年4月1日施行の旅行業法改正で、「旅行業務取扱主任者」は「旅行業務取扱管理者」に名称が変わりました。
旧名称の「主任者」と、旅程管理の「主任者」が混ざって、「旅行業務取扱責任者」「総合旅程管理業務主任者」のような呼び方を見かけることもあります。言葉が似ていても、管理者は営業所、旅程管理主任者は添乗の資格だと分けて考えると混乱しにくいですよ。
旅程管理主任者になるには?研修と実務経験の流れ
旅程管理主任者になるには、欠格事由に当たらないことに加え、観光庁長官の登録を受けた機関の旅程管理研修を修了し、一定の実務経験を持つことが要件です(ANTA)。
『研修って、誰でも申し込めるの?』と気になりますよね。ここが管理者の試験との大きな違いなんです。
管理者の試験は、年齢や学歴などに関係なく誰でも受けられます。一方で旅程管理研修は、旅行業務に関わっている人か、関わる予定の人が対象です。
- 旅行業者や添乗員派遣事業者などで、旅行業務に関わる立場になる
- 所属先に証明してもらい、旅程管理研修を申し込む
- 旅程管理業務と、各種サービス提供契約の講義を受けて修了する
- 旅行業法で決められた実務経験を積む
- 旅行業者に主任の旅程管理担当者として選任され、ツアーに同行する
旅程管理研修を受けられる人
ANTAの国内旅程管理研修の受講資格を、分かりやすく言い直して表にしました。細かな条件は受講案内で確かめてみてください。
| 受講資格の区分 | 中身 |
|---|---|
| 旅行業者の業務に従事している人 | 旅行業者がそのことを証明した人(代理業者の従事者は所属旅行業者が証明) |
| すでに旅程管理業務を繰り返し行っている人 | 旅行業者に選任されて旅程管理業務を続けていて、旅行業者等が証明した人 |
| 上の2つになる予定の人 | 研修の修了や管理者試験の合格などで基礎知識があり、旅行業者等か添乗員派遣事業者が証明した人 |
| 通訳案内士の資格を持つ人 | 全国通訳案内士か地域通訳案内士の資格を持つ人 |
3つ目の区分に「旅行業務取扱管理者試験の合格」が出てきますよね。管理者の資格は、主任添乗員の代わりにはならないものの、研修を受ける時の基礎知識の証明には使えるんです。
研修ではどんなことを学ぶ?
ANTAの説明では、研修は旅程管理業務についての理解と、業務に欠かせない各種サービス提供契約の理解を中心に講義が行われます。
ANTAの旅程管理研修は、例年12月上旬頃に開かれています。制度の説明はANTA 旅程管理研修とはで読めます。
研修を修了しただけで、すぐに主任添乗員になれるわけではありません。旅行業法で決められた実務経験もあわせて必要です。実務経験の数え方は、研修機関の案内で確かめておきましょう。
実務経験は旅行の目的地も関係する
旅行業法では、主任の旅程管理担当者に求める実務経験を、旅行の目的地を考えて国土交通省令で決めるとしています。国内のツアーか、海外のツアーかで考え方が分かれるということですね。
ANTAの案内には「国内旅程管理研修」の名前があります。海外のツアーに同行する主任添乗員を目指す場合は、対応する研修と実務経験の条件を、研修機関の案内で確かめてみてください。
添乗員を目指すなら、どっちを先に取る?目的別の判定表
ツアーに同行したいなら旅程管理研修、営業所で働きたいなら旅行業務取扱管理者が出発点です。両方に関わりたい人は、管理者の勉強を先にしておくと研修でも役立ちます。
『結局、自分はどっちから取ればいいの?』という疑問に答えるため、やりたいことから選ぶ判定表を作りました。
| やりたいこと | 先に考えたいもの | 理由 |
|---|---|---|
| ツアーに同行する添乗員になりたい | 旅程管理研修 | 主任添乗員の要件は研修の修了と実務経験だから |
| 旅行会社の窓口で働きたい | 旅行業務取扱管理者 | 営業所ごとに管理者の選任が必要だから |
| 自分で旅行業を始めたい | 旅行業務取扱管理者 | 管理者を選任できないと登録を拒否されるから |
| 海外のツアーを企画・販売したい | 総合旅行業務取扱管理者 | 海外旅行を扱う営業所は総合の合格者が必要だから |
| 学生のうちに何か準備したい | 旅行業務取扱管理者 | 受験資格の制限がなく、学生でも受けられるから |
| 添乗も窓口も経験したい | 管理者の勉強を先に | 試験の知識が研修の基礎知識にもつながるから |

学生が先に管理者を受けるのはよくあること
令和7年度(2025年度)の国内試験では、申込者12,376人のうち学生が3,715人(30.0%)でした。旅行業界を目指す学生にとって、管理者の試験は身近な目標なんです。
旅程管理研修は、旅行業務に関わる立場にならないと受けにくい研修です。学生のうちは管理者の勉強を進めておき、就職後に研修を受ける流れが考えやすいですよね。
学生が受ける時のポイントは、学生が旅行業務取扱管理者を取るには?で紹介しています。
判定に迷った時のチェック
- 働きたい場所が営業所か、ツアーの現場かを書き出す
- 旅行業者や添乗員派遣事業者に所属する予定があるか確かめる
- 扱いたい旅行が国内だけか、海外も含むかを考える
- 試験の時期と、研修が開かれる時期を並べてみる
- 両方に関わりたいなら、管理者の勉強を先に始める
例えば、観光学部の2年生で「将来は添乗員になりたい」と考えている場合を考えてみてください。在学中に国内旅行業務取扱管理者の試験を受け、旅行会社に入ってから旅程管理研修を受ける、という順番が組めます。
両方持つと、仕事でどう生きる?
旅行業務取扱管理者と旅程管理主任者は、役割は違っても同じ旅行の前と後をつないでいます。両方の知識があると、旅行全体を見渡しやすくなります。
『両方持っていても、意味はあるの?』と思う方もいますよね。資格が別でも、扱う知識は重なる部分が多いんです。
| 場面 | 管理者の知識が生きること | 旅程管理の経験が生きること |
|---|---|---|
| ツアーの企画 | 広告や取引条件のルールを踏まえて企画できる | 現場で無理のない行程を組める |
| 申し込みの説明 | 取消料や約款を正しく説明できる | 当日の流れを具体的に伝えられる |
| ツアー中のトラブル | 約款に沿った対応を判断しやすい | その場で手配を組み直せる |
| 帰ってからの苦情 | 記録と書面で対応を確かめられる | 現場で何が起きたかを説明できる |
例えば、ツアー中に予定していた見学先が急に閉まった場面を考えてみてください。
「入れないなら、代わりにどこへ行けるんですか?」
「近くの別の見学先に変更します。料金の扱いは後ほどご説明しますね」
現場の判断は旅程管理の経験、料金の説明は約款の知識です。両方あると、この場面を落ち着いて乗り切りやすくなります。
取ってよかったと感じやすいのはどんな人?
管理者の資格のメリットは、旅行業務取扱管理者を取るメリットでくわしく紹介しています。就職との関係は、旅行業務取扱管理者は就職に役立つ?でまとめています。
どちらの資格も、持っているだけで仕事が決まるものではありません。ただ、旅行の仕組みを知っている証として、仕事の幅を広げるきっかけになります。
旅程管理主任者と旅行業務取扱管理者でよくある相談
2つの資格の違いについては、添乗員になれるか、研修を個人で受けられるか、どちらが難しいか、という相談がよく見られます。
旅行業務取扱管理者の資格で添乗員になれる?
管理者の資格を持っていれば添乗員になれるのか、という相談です。
平成8年の法改正以降は、管理者の試験に合格しても主任添乗員にはなれません。主任添乗員になるには、旅程管理研修の修了と実務経験が必要です(JATA FAQ Q11)。
ただ、研修の受講資格の中には、管理者試験の合格などで基礎知識があることを示す区分があります。管理者の資格は、添乗員への道の下地にはなるんですね。
旅行会社に所属していないと研修は受けられない?
通信講座などで旅程管理主任者を取れないのか、旅行会社に所属していないと受けられないのか、という相談です。
ANTAの研修案内では、旅程管理研修の対象は旅行業務の従事者・従事予定者です。受講資格の多くは、旅行業者等や添乗員派遣事業者の証明が前提になっています。
一方で、全国通訳案内士か地域通訳案内士の資格を持つ人も受講資格に含まれます。まずは自分がどの区分に当たるかを確かめてみてください。
旅程管理主任者と総合の管理者は、どっちが難しい?
総合の旅程管理主任者と、総合旅行業務取扱管理者はどちらが難しいのか、という相談です。
2つは取り方が違うので、同じ物差しで比べにくいのが正直なところです。管理者は国家試験の合格を目指すもので、令和7年度(2025年度)の総合試験の合格率は26.1%でした。
旅程管理主任者は、研修の修了と実務経験を重ねてなるものです。試験の点数より、現場での経験が大きな意味を持ちます。
高校生で、将来ヨーロッパのツアーに関わりたい
高校3年生で、将来は日本人向けのヨーロッパツアーの運営に関わりたい。どんな資格を考えればいいか、という相談です。
海外のツアーの企画や販売に関わるなら、海外旅行を扱う営業所で必要になる総合旅行業務取扱管理者が目標になります。ツアーに同行したいなら、旅行会社などに入ってから旅程管理研修を受ける流れです。
管理者の試験は受験資格の制限がないので、高校生のうちから国内の試験を目指すこともできます。総合との違いは国内と総合の違いで比べています。
独学でいくか、講座を使うかの考え方
添乗員を目指す人が、管理者の試験の勉強から始めることもあります。試験の約款や国内旅行実務は、ツアーの現場でも使う知識です。
独学で合格を目指すのも1つの方法です。ただ、運賃の計算や約款で手が止まりやすい方は、講座の資料を見比べてから決めると迷いにくくなります。
旅行業務取扱管理者ガイド
講座を使って効率よく合格を目指したい方へ
旅行業務取扱管理者試験は、法令・約款の暗記に加えて、運賃・料金の計算や地理など範囲が広いのが特徴です。独学で進めるか、通信講座やスクールで質問や模試の機会を得ながら学ぶか。講座の種類と比べ方、資料請求で確かめたい点をまとめました。
無料旅行業務取扱管理者の講座の選び方を見る試験の日程・受験手数料は各試験の実施機関(JATA・ANTA・観光庁)の案内で最新情報を確認してください。
よくある質問
旅程管理主任者と旅行業務取扱管理者の一番の違いは何ですか?
旅行業務取扱管理者は営業所で取引を管理・監督する人で、国家試験に合格してなります。旅程管理主任者はツアーに同行する主任添乗員で、旅程管理研修の修了と実務経験でなります。
旅行業務取扱管理者に合格すれば、主任添乗員になれますか?
平成8年の旅行業法改正以降は、なれません。旅程管理研修を別に修了し、実務経験を積む必要があります。
平成7年度に国内の試験に合格しています。旅程管理研修は必要ですか?
ANTAの案内では、平成7年度までの国内合格者は国内旅程管理研修を修了したとみなされます。ただし、主任添乗員になるには実務経験が別に必要です。
旅程管理研修はいつ開かれていますか?
ANTAの旅程管理研修は、例年12月上旬頃に開かれています。最新の日程は受講案内で確かめてみてください。
添乗員を目指す学生は、何から始めればいいですか?
受験資格の制限がない旅行業務取扱管理者の試験から始めるのが1つの方法です。旅程管理研修は、旅行業務に関わる立場になってから受ける流れが考えやすいです。
まとめ
- 旅行業務取扱管理者は営業所の取引の責任者、旅程管理主任者はツアーに同行する主任添乗員
- 管理者は国家試験、旅程管理主任者は研修の修了と実務経験でなる
- 平成8年の法改正以降、管理者の試験に合格しても主任添乗員にはなれない
- 旅程管理研修の受講資格は、旅行業務の従事者または従事予定者が中心
- やりたい仕事から逆算すると、どちらを先に考えるかが決まる
旅行業務取扱管理者の3種類の違いや試験の全体像は、旅行業務取扱管理者とは?で確かめられます。まずは判定表で、自分のやりたい仕事に近い行を探してみてください。





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