総合旅行業務取扱管理者のテキストはどう選ぶ?おすすめの探し方

総合旅行業務取扱管理者のテキストを、海外旅行実務の中身から選ぶ記事のアイキャッチ

当サイトの記事は編集部が観光庁・日本旅行業協会(JATA)・全国旅行業協会(ANTA)などの公開情報を調べて独自に執筆しています。試験の日程・受験手数料・法令は変更されることがあるため、最新の情報は各試験の実施機関のサイトで確認してください。

総合旅行業務取扱管理者を目指そうと決めたものの、どのテキストがおすすめなのか分からない。国内の時に使った本で足りるのかも気になる、という方も多いはずです。

結論から言うと、総合旅行業務取扱管理者のテキストのおすすめは、人によって変わります。決め手になるのは、配点の大きい海外旅行実務をどれだけ厚く扱っているかです。

この記事を読むと、総合用のテキストを見比べる観点と、国内合格者が買い足す時の選び方が分かります。

目次

総合旅行業務取扱管理者のテキスト、おすすめはどう探す?

先に結論

「みんなが使っている1冊」を探すより、今の自分の状況に合うタイプを先に決める方が早いです。国内を持っているかどうかで、必要な範囲が大きく変わります。

『とにかく評判のいい1冊を教えてほしい』と思いますよね。

ただ、総合の試験は受験区分がA〜Hまであり、免除のあるなしで受ける科目が違います。同じテキストでも、読む章が人によって変わるんです。

今の状況受ける科目の例考えたいテキストのタイプ
国内も総合も持っていない業法・約款・国内旅行実務・海外旅行実務(区分A)総合の4科目がそろったもの、または国内・総合の両対応
国内に合格している約款・海外旅行実務(区分E)海外旅行実務が厚いもの。国内の章は読まなくてよい
地域限定に合格している約款・国内旅行実務・海外旅行実務(区分G)総合の約款と実務2科目が入ったもの
前年度に実務の科目合格がある合格した科目が免除残った科目に絞って足りない所を補う

令和7年度の受験者を見ると、区分Aは1,948人、区分Eは1,313人でした。国内から総合へ進む人がたくさんいることが分かりますよね。

国内を持っていない人・国内合格者・地域限定合格者ごとに、受ける科目と選びたいテキストのタイプを分けた図解

協会はテキストを推薦していない

総合を実施する日本旅行業協会(JATA)は、公的な立場上、特定の参考書や講座を紹介していません。

そのため「公式のおすすめ」はありません。市販のテキストや講座の教材から、自分で選ぶことになります。

総合旅行業務取扱管理者試験テキストを探す前に

試験の全体像をまだつかめていない方は、総合旅行業務取扱管理者試験とは?受験区分A〜Hと日程・配点を先に読んでおくと、テキストのどの章が自分に関係するかが分かりやすくなります。

総合の試験範囲から、テキストに必要な中身を考える

海外旅行実務だけで200点

総合の配点は、業法・約款・国内旅行実務が各100点、海外旅行実務が200点です。4科目のうち1科目が倍の配点なので、テキストの中身もここを中心に見ます。

『国内の延長で、海外の章が少し足されただけでしょ?』と考える方もいるかもしれません。

実は、海外旅行実務は範囲がとても広い科目です。JATAの受験案内では、次のような内容が挙げられています。

科目配点主な中身
業法100点旅行業法及びこれに基づく命令
約款100点旅行業約款、運送約款及び宿泊約款
国内旅行実務100点国内の運送機関・宿泊の料金、国内の観光地など
海外旅行実務200点本邦外の運送機関の利用料金、旅券・通関・検疫・為替管理などの法令、出入国手続の実務、主要国の観光、語学、その他実務

合格点は各科目で満点の60%以上です。海外旅行実務なら200点のうち120点以上が必要になります。

試験時間からも、テキストの使い方が見える

免除のない区分Aの場合、第1時限は業法・約款で80分、第2時限は国内旅行実務・海外旅行実務で120分です。

第2時限は、計算と知識問題が続く長丁場です。テキストを選ぶ時は、計算問題の手順と、覚える知識の一覧の両方があるかを見ておきたいところです。

受験区分ごとに、テキストのどこを読むか

総合は、免除のあるなしで受験区分がA〜Hに分かれます。区分ごとに、テキストで読む科目をまとめました。

受験区分免除される科目テキストで読む科目
Aなし業法・約款・国内旅行実務・海外旅行実務
B海外旅行実務業法・約款・国内旅行実務
C国内旅行実務業法・約款・海外旅行実務
D国内旅行実務・海外旅行実務業法・約款
E業法・国内旅行実務約款・海外旅行実務
F業法・国内旅行実務・海外旅行実務約款
G業法約款・国内旅行実務・海外旅行実務
H業法・海外旅行実務約款・国内旅行実務

例えば区分Eなら、テキストの業法と国内旅行実務の章は読まなくて大丈夫です。その分の時間を、海外旅行実務に回せます。

『せっかく買ったのに読まない章があるのはもったいない』と感じるかもしれません。ただ、読まない章がはっきりすると、限られた時間を配点の大きい科目に集められるんです。

法令の基準日にも気をつけたい

総合の問題は、その年の8月1日現在の法令で作られます。令和8年度なら、令和8年8月1日現在です。

出入国や旅券の手続き、運賃のルールは変わることがあります。テキストは、受ける年度向けに改訂された版かを確かめておきましょう。

海外旅行実務の厚さ・国際航空運賃・英語で見比べる

総合用のテキストは3つの観点で差が出る

国内と重なる科目は、どのテキストでも大きな差は出にくいです。差が出やすいのは、海外旅行実務のページ数、国際航空運賃の解説の丁寧さ、英語問題の扱い方の3つです。

ここが、この記事でいちばん大事なところです。

総合旅行業務取扱管理者のテキストを書店や通販で見比べる時は、次の表を手元に置いて見てみてください。

観点どこを見るかこうなっていると使いやすい気をつけたいこと
海外旅行実務の厚さ目次で海外旅行実務の章のページ数運賃・出入国・観光・語学の章が分かれている国内の章と比べて極端に薄くないか
国際航空運賃の解説運賃計算の章の例題計算の手順が1行ずつ書かれ、例題と練習問題が続く結論だけで途中の考え方が省かれていないか
英語の扱い語学の章、または巻末過去問に近い形の英文と、訳と解説がある単語の一覧だけで終わっていないか
出入国・旅券の手続き法令・手続きの章表で整理され、どの書類がいつ要るか分かる受ける年度の改正が入っているか
海外の観光地主要国の観光の章地図や写真があり、国・都市と観光地がつながる文字だけの羅列で覚えにくくないか
総合用のテキストを、海外旅行実務の厚さ・国際航空運賃の解説・英語の扱いの3つの観点で見比べる表の図解

国際航空運賃の章は、本文を数ページ読んでみる

国際航空運賃は、多くの受験者が時間をかける単元です。目次だけでは分からないので、運賃の章を開いて例題を1問たどってみてください。

例えば「この式はどこから出てきたの?」と思った所に、説明が書かれているかどうか。

「この運賃、なぜこの区間で計算するの?」
「次の行に理由が書いてある。これなら追える」

こんなふうに、自分の疑問にすぐ答えてくれるかを確かめてみてください。ここで止まらずに読めるテキストなら、独学でも進めやすいです。

英語は、テキスト1冊で完結させなくていい

『英語が苦手だから総合は無理かも』と心配になりますよね。

語学は海外旅行実務の一部です。テキストの語学の章に加えて、JATAが公開している過去の試験問題で出題の形に慣れていく方法もあります。

観光の章は、地図があると覚えやすい

主要国の観光は、国・都市・観光地の組み合わせを覚える単元です。文字だけで並んでいると、なかなか頭に残りませんよね。

テキストを見比べる時は、観光の章に地図や写真があるかを見ておきましょう。旅行のガイドブックを眺める感覚で読めるテキストなら、すき間時間にも開きやすくなります。

「両対応」と「総合専用」のどちらを選ぶ?

国内・総合の両対応テキストは、国内の範囲もそろっている分、海外旅行実務のページは総合専用より限られることがあります。

両対応テキストが向く人
  • 国内を持っておらず、区分Aで受ける人
  • 国内の範囲もまとめて復習したい人
  • 1冊で全体を見渡したい人
総合専用や海外の教材を足したい人
  • 国内に合格していて、区分Eで受ける人
  • 海外旅行実務で点が伸びなかった人
  • 国際航空運賃の練習量を増やしたい人

市販のテキストの例として、翔泳社の「観光・旅行教科書」シリーズの総合・国内対応のテキスト&問題集があります。JTBが設立した専門学校の講師陣によるもので、総合・国内の両方に対応しています。

どのテキストを選ぶ場合も、受ける年度向けの版かどうかは表紙や奥付で確かめてみてください。

総合旅行業務取扱管理者のテキストをAmazonで探す時

総合旅行業務取扱管理者のテキストをAmazonなどの通販で探すと、同じシリーズの古い版が並んで出てくることがあります。

商品名の年度表示と発売日を見て、受ける年度の試験に合っているかを確かめましょう。試し読みができるなら、海外旅行実務の目次を見ておくと比べやすくなります。

国内合格者が総合用に買い足す時の選び方

国内の本はそのまま使える。足すのは海外旅行実務

国内に合格していると、総合では業法と国内旅行実務が免除になり、区分Eで約款と海外旅行実務を受けます。買い足すなら、海外旅行実務を厚く扱う教材が中心です。

『国内の時のテキスト、まだ使える?』と迷う方も多いはずです。

約款は総合でも受ける科目なので、国内の時の知識が土台になります。ただ、総合の試験として出題されるので、総合の過去問で出題の形を確かめておくと安心です。

区分Eの合格率から見えること

令和7年度の区分Eの合格率は29.6%でした。令和6年度は36.3%、令和5年度は26.5%です。

国内に合格している人でも、約款と海外旅行実務の2科目でこの合格率です。海外旅行実務は、国内の経験だけでは点が取りにくい科目だと考えておきましょう。

国内合格者が買い足す前のチェックリスト
  • 国内の時のテキストの約款の章が、何年度の版かを確かめる
  • JATAの過去問の約款の問題を解き、手元の本で答えの根拠を探せるかを確かめる
  • 海外旅行実務の教材が、運賃・出入国・観光・語学の4つをそろえているかを確かめる
  • 国際航空運賃の練習問題が、何問くらい載っているかを確かめる
  • JATAの過去5年分の問題を見て、手元の本で答えを探せるかを試す

国内の合格から何年か空いている場合

『国内に受かったのはずいぶん前で、約款の中身をほとんど忘れている』という方もいるはずです。

国内の合格は有効のままなので、区分Eで受けられます。ただ、約款は改正が入ることもあるので、手元の古い本ではなく、受ける年度向けの総合用テキストで読み直す方が安心です。

まずは約款の章を1回通して読み、JATAの過去問を1年分だけ解いてみてください。思ったより覚えていると分かれば、海外旅行実務に早めに移れます。

同じ年度に国内と総合を両方受ける場合

国内と総合は、同じ年度に両方受けることができます。ただし、その年に国内に合格しても、同じ年度の総合で免除を使うことは受付締切の関係でできません。

同じ年に両方受けるなら、総合は免除なしの4科目で受けることになります。テキストも、総合の4科目がそろったものを選んでおきましょう。

例えばこんな場面

国内に合格した観光学部の3年生の場合、翌年度に区分Eで総合を受ける道があります。

この場合、国内の時に使った本で約款を読み直しつつ、海外旅行実務の教材を新しく1冊足す、という組み合わせが考えやすいです。

旅行会社で国内旅行の手配をしている方なら、約款は仕事の知識とつながりやすいですよね。その分、海外旅行実務の学習時間を多めに取ってみてください。

海外旅行実務の勉強の進め方は、総合旅行業務取扱管理者の海外旅行実務|200点科目の対策でくわしく紹介しています。

テキストと過去問・講座をどう組み合わせる?

テキストを読んだら、すぐ過去問で確かめる

総合はJATAが過去5年分の試験問題と正解を公開しています。テキストで1単元読んだら、その単元の過去問を解いて、読み方が合っているかを確かめましょう。

テキストを読み込むだけで時間が過ぎていく、ということはありませんか?

総合の過去問は、JATAの過去5年間の試験問題・正解のページで見られます。

総合用テキストの回し方
  1. 自分の受験区分を決め、受ける科目の章に印をつける
  2. 海外旅行実務から1単元読み、その単元の過去問を解く
  3. 間違えた選択肢を、テキストのどこに書いてあるか探す
  4. 国際航空運賃は、例題を自分の手で書き写して解き直す
  5. 1科目終わるごとに、過去問1年分をその科目だけ通して解く

科目合格を使う作戦も

総合の国内旅行実務と海外旅行実務には、科目合格の制度があります。合格点を取った科目は、次の回の総合で免除になります。

令和7年度は、不合格者のうち449人が科目合格者でした。1回目で全科目に届かなくても、次の年につなげられるんです。

ただし、業法と約款には科目合格の制度がありません。テキストを使う時も、業法・約款はその年に合格点まで持っていく前提で進めましょう。

独学でいくか、講座を使うか

『海外旅行実務を独学で進められるか不安』という方もいますよね。

テキストと過去問で手順を追えるなら、独学も十分に選べる方法です。国際航空運賃のように解き方を見ながら覚えたい単元が多いなら、講座の教材を比べてみるのも1つの手です。

学校ごとの講座の形式は、旅行業務取扱管理者の通信講座を比べる|学校ごとの形式の見方でまとめています。

旅行業務取扱管理者ガイド

講座を使って効率よく合格を目指したい方へ

旅行業務取扱管理者試験は、法令・約款の暗記に加えて、運賃・料金の計算や地理など範囲が広いのが特徴です。独学で進めるか、通信講座やスクールで質問や模試の機会を得ながら学ぶか。講座の種類と比べ方、資料請求で確かめたい点をまとめました。

無料旅行業務取扱管理者の講座の選び方を見る

試験の日程・受験手数料は各試験の実施機関(JATA・ANTA・観光庁)の案内で最新情報を確認してください。

総合のテキスト選びでよくある相談

悩みは「どの本がいいか」と「古い本で足りるか」

総合のテキストについての相談で多いのは、両対応の市販本はどれか、手元の古い本で間に合うか、の2つです。代表的な3つに答えます。

国内と総合の両方に対応したおすすめの市販テキストは?

国内・総合のどちらにも使える市販のテキストを知りたい、という相談です。

両対応のテキストは、国内から総合へ続けて進みたい方には便利です。例としては、先ほど紹介した翔泳社のシリーズのように、総合・国内の両方に対応した本があります。

ただ、どの本が合うかは、海外旅行実務の説明が自分に読みやすいかで変わります。書店や試し読みで、国際航空運賃の章を数ページ読んでから決めてみてください。

もらった古いテキストで総合の勉強を始めてもいい?

知人から講座のテキストをもらったので、それで勉強してみようと思う、という相談です。

範囲の全体像をつかむのには役立ちます。ただ、法令や運賃、出入国の手続きは改正があるので、古い版の数字やルールをそのまま覚えるのは避けたいところです。

まずはもらったテキストで全体を眺め、JATAの過去問の新しい年度を解いてみてください。テキストと答えが食い違う所が多ければ、新しい版を用意するタイミングです。

国内合格者の免除受験は、テキストの熟読だけで足りる?

国内に合格していて、免除を使って総合を受ける時、参考書を読み込むだけで合格できるか、という相談です。

区分Eで受けるのは約款と海外旅行実務です。海外旅行実務は計算や英語の問題もあるので、読むだけより、手を動かして解く練習が欠かせません。

テキストは辞書のように使い、過去問を解いて分からなかった所を引く使い方に切り替えてみてください。読む時間と解く時間を半分ずつにするくらいの気持ちで大丈夫です。

よくある質問

総合旅行業務取扱管理者のテキストは、国内用と何が違いますか?

いちばんの違いは、配点200点の海外旅行実務の章があるかどうかです。国際航空運賃・出入国の手続き・主要国の観光・語学などが加わります。

総合旅行業務取扱管理者試験テキストは何年度の版を選べばいいですか?

受ける年度向けの版が安心です。総合の問題は、その年の8月1日現在の法令で作られます。

国内の時のテキストは、総合でも使えますか?

約款の土台として使えます。ただし国内合格者は区分Eで約款と海外旅行実務を受けるので、海外旅行実務の教材は別に用意しましょう。

英語が苦手でも総合は受けられますか?

受験資格に制限はなく、誰でも受けられます。語学は海外旅行実務の一部なので、過去問で出題の形に慣れながら少しずつ進めてみてください。

科目合格した年の翌年も、同じテキストで大丈夫ですか?

免除になった科目の章は読まなくてよくなりますが、残りの科目は受ける年度の法令で出題されます。改正の入った科目があれば、新しい版で確かめておきましょう。

試験日はいつですか?

令和8年度は令和8年10月25日(日)です。日程は毎年変わるので、最新の日程はJATAの案内で確認してください。

まとめ

この記事の要点
  • 総合旅行業務取扱管理者のテキストのおすすめは、受験区分と今の状況で変わる
  • 海外旅行実務は200点で、テキストの差が出やすいのもこの科目
  • 見比べる時は、海外旅行実務の厚さ・国際航空運賃の解説・英語の扱いの3点を見る
  • 国内合格者は区分Eで受けるので、海外旅行実務の教材を中心に買い足す
  • テキストはJATAの過去5年分の問題と組み合わせて使う

まずは自分の受験区分を確かめて、JATAの過去問の海外旅行実務を1年分眺めてみましょう。どんなテキストが必要か、手触りでつかめるはずです。

旅行業務取扱管理者ガイド

旅行業務取扱管理者ガイド 編集部

総合・国内・地域限定の旅行業務取扱管理者試験の仕組み、合格率と科目ごとの対策、過去問や講座を使った勉強法、資格を仕事に活かす方法までを、はじめて受験する人の目線で整理している情報サイトです。 公式サイト

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