総合旅行業務取扱管理者の海外旅行実務|200点科目の対策

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当サイトの記事は編集部が観光庁・日本旅行業協会(JATA)・全国旅行業協会(ANTA)などの公開情報を調べて独自に執筆しています。試験の日程・受験手数料・法令は変更されることがあるため、最新の情報は各試験の実施機関のサイトで確認してください。

国内に合格して、次は総合。そう決めたものの、海外旅行実務の範囲の広さに、どこから手をつければいいか迷っている方も多いはずです。

結論から言うと、旅行業務取扱管理者の海外旅行実務は、4つのブロックに分けて点の取り方を決め、科目合格の制度も使って計画を立てると、ぐっと現実的になります。

この記事を読むと、海外旅行実務の配点と合格基準、ブロックごとの勉強の仕方、科目合格を使った2年計画の考え方が分かります。

目次

海外旅行実務は、総合試験でどんな科目?

先に結論

海外旅行実務は、総合旅行業務取扱管理者試験だけにある科目で、配点は200点です。ほかの科目の2倍の配点ですが、合格点は各科目で満点の60%以上なので、この科目だけで6割を取る必要があります。

『海外旅行業務取扱管理者という資格があるの?』と思って調べた方もいるかもしれませんね。

実は、その名前の資格はありません。海外旅行を扱う営業所の管理者になれるのは、総合旅行業務取扱管理者の合格者です(旅行業法第11条の2第6項)。海外旅行実務は、その総合の試験の科目なんです。

総合試験の4科目と配点

JATAの令和8年度(2026年度)の受験案内と実施結果をもとに、科目と配点を並べました。

科目配点合格の基準
旅行業法及びこれに基づく命令(業法)100点満点の60%以上
旅行業約款、運送約款及び宿泊約款(約款)100点満点の60%以上
国内旅行実務100点満点の60%以上
海外旅行実務200点満点の60%以上

令和8年度の試験日は令和8年10月25日(日)で、出題の根拠になる法令は令和8年8月1日現在のものです。日程は毎年変わる可能性があるので、最新の日程はJATAの案内で確かめてみてください。

海外旅行実務の中身

受験案内では、海外旅行実務の範囲が次のように書かれています。

範囲どんな内容か
本邦外の運送機関の利用料金国際航空運賃など、海外の運送機関の料金
旅券・通関・検疫・為替管理などの法令海外へ出る時と帰る時に関わる法令
出入国手続の実務出国・入国の手続きの流れ
主要国の観光世界の主な観光地
語学英語の問題
その他の実務海外旅行の取扱いに関わる実務

試験時間は、免除なしの受験区分Aの場合、第2時限の13時30分から15時30分までの120分で、国内旅行実務と海外旅行実務をあわせて解きます。

海外旅行実務を4つのブロックに分ける

200点を4つに分けて考える

海外旅行実務は「国際航空運賃」「出入国手続・旅券」「海外地理・観光」「英語」の4ブロックに分けられます。ブロックごとに、計算で取るか、暗記で取るか、読解で取るかが違います。

『範囲が広すぎて、全部を同じように勉強するのは無理そう』と感じますよね。

そこで、海外旅行実務を4つのブロックに分けて、それぞれの性格と勉強の仕方を表にしました。

ブロック主に問われること点の取り方勉強の仕方
1. 国際航空運賃運賃の決まり、運賃の計算、航空券に関わる規則計算の手順で取る手順を書き出し、同じ型の問題をくり返す
2. 出入国手続・旅券旅券・通関・検疫・為替管理の法令、出入国の流れルールの暗記で取る出国から帰国までの流れに沿って表にする
3. 海外地理・観光主要国の観光地、名所、都市暗記で取る世界地図の上で、国ごとにまとめる
4. 英語旅行に関わる英文の読解読解で取る過去問の英文で、旅行の言葉に慣れる
海外旅行実務を、国際航空運賃・出入国手続と旅券・海外地理と観光・英語の4つのブロックに分け、点の取り方を示した図解

200点の「6割」をどう取るか

海外旅行実務の合格点は、200点の60%以上です。4つのブロックのどれも満点を取る必要はなく、科目全体で6割を超えればいいんです。

例えば、暗記が得意な方なら、出入国手続と海外地理で点を積み、国際航空運賃は基本の型を落とさない、という作戦が立てられます。英語が得意な方なら、英語を得点源にできますよね。

海外旅行実務の作戦を立てる前に確かめること
  • 過去問を1年分解き、4つのブロックのどこで点を落としたかを数える
  • 計算・暗記・読解のうち、自分がいちばん得意なものを決める
  • 得点源にするブロックを1つか2つ決める
  • 苦手なブロックは、基本の型の問題を落とさないと決める
  • ブロックごとの配点の傾向を、JATAが公開している過去問で確かめる

ブロックごとの配点は年度によって違うので、過去問で傾向を見てみてください。JATAは、総合試験の過去5年分の試験問題と正解を公開しています。

立場によって、得点源にしやすいブロックが違う

ふだんの仕事や学びによって、入りやすいブロックは変わります。目安として並べてみました。

あなたの立場得点源にしやすいブロック気をつけたいブロック
旅行会社で海外旅行を扱っている出入国手続・旅券、国際航空運賃仕事で扱わない地域の地理
旅行会社で国内旅行を扱っている国際航空運賃(運賃の考え方は国内と共通)出入国手続・旅券
外国語や国際系を学んでいる学生英語、海外地理・観光国際航空運賃
国内に合格して総合を目指している約款の知識を生かしつつ、海外地理国際航空運賃と英語

仕事で慣れている内容でも、試験はテキストの決まりどおりに答える必要があります。社内のやり方と違う所がないか、一度は確かめておきましょう。

ブロックごとの勉強の進め方

計算は手順、暗記は流れ、英語は慣れ

4つのブロックは性格が違うので、同じやり方では効率が上がりません。ブロックに合った勉強の仕方を選んでみてください。

『結局、何から始めればいいの?』と迷いますよね。ここでは、ブロックごとの進め方を順に見ていきます。

国際航空運賃は手順を固める

国際航空運賃は、海外旅行実務の中でも計算が中心になる部分です。国内のJR運賃と同じで、手順があいまいなまま問題を解くと、時間ばかりかかってしまいます。

まずはテキストの例題で、計算の順番を紙に書き出してみましょう。毎回同じ順番で解けるようになれば、問題の形が変わっても対応できます。

国内の勉強でJRの手順を身につけた方は、その経験が生きます。「距離や条件を先に確かめてから金額へ」という考え方は、国際航空運賃でも同じなんです。手順の作り方はJR運賃・料金計算も参考になります。

出入国手続・旅券は「旅の流れ」で覚える

旅券・通関・検疫・為替管理などの法令は、ばらばらに覚えると混ざりやすくなります。出国から帰国までの流れに沿って並べると、どの場面の決まりかが分かりやすくなります。

出入国手続を流れで整理する
  1. 出発の前:旅券や渡航に必要な書類の準備
  2. 出国の時:出国の手続きと、持ち出す物の決まり
  3. 相手の国に入る時:入国の手続きと検疫
  4. 帰国する時:入国の手続きと、持ち込む物の通関・検疫
  5. お金に関わること:為替管理などの決まり

この5つの場面ごとに、テキストに出てくる決まりを書き込んでいきましょう。旅行会社で海外旅行の手配をしている方なら、ふだんの仕事の流れと重ねて読めるはずです。

海外地理・観光は地図の上で覚える

主要国の観光は、国の名前と観光地の名前だけを覚えようとすると、選択肢が並んだ時に見分けがつかなくなります。

世界地図を用意して、テキストに出てくる観光地を国ごとに書き込んでみてください。同じ国の中で、近くにあるもの同士をつなげると、場所のイメージができてきます。

「この都市に着いて、翌日はこの名所へ、その次はこの国へ移動」と、旅行の計画を立てるつもりで並べると、名前と場所が結びつきやすくなります。

英語は旅行の場面の言葉に慣れる

英語の問題は、旅行に関わる英文の読解が中心です。『英語が苦手で不安』という方も多いですよね。

ただ、出てくる英文は旅行の場面のものなので、使われる言葉にはある程度の傾向があります。過去問の英文を読んで、分からなかった旅行関係の言葉を集めていくだけでも、読める範囲が広がっていきます。

英語は「全部訳す」より「聞かれている所を探す」

英文を頭から全部訳そうとすると、時間が足りなくなりがちです。先に設問を読んで、何を聞かれているかを確かめてから、本文の該当する所を探す読み方を練習してみてください。

世界地図の上にパスポート風の手帳、航空券風の紙、英語の参考書、付箋が置かれた勉強の手元の写真

受験区分のデータから見える、海外旅行実務の重さ

海外旅行実務を受ける区分は、合格率が下がりやすい

令和7年度の総合試験の受験区分別の合格率を見ると、海外旅行実務を受ける区分と、免除される区分とで大きな差があります。海外旅行実務が合否を分ける科目になっていることが、数字から分かります。

『海外旅行実務って、そんなに合否に響くの?』と思う方もいるはずです。JATAの実施結果から、令和7年度(2025年度)の受験区分別の合格率を並べてみました。

受験区分受ける科目令和7年度の合格率
A(免除なし)業法・約款・国内旅行実務・海外旅行実務11.7%
B(海外旅行実務を免除)業法・約款・国内旅行実務48.5%
D(国内・海外旅行実務を免除)業法・約款58.0%
E(業法・国内旅行実務を免除)約款・海外旅行実務29.6%
F(業法・国内・海外旅行実務を免除)約款のみ96.5%

区分Aと区分B、区分Eと区分Fを比べると、海外旅行実務を受けるかどうかで合格率が大きく変わっているのが分かりますよね。

国内に合格した人が受ける区分Eの合格率は、令和4年度35.7%、令和5年度26.5%、令和6年度36.3%、令和7年度29.6%でした。総合全体の令和7年度の合格率は26.1%です。

区分ごとの仕組みは総合旅行業務取扱管理者試験とはでくわしく紹介しています。

区分Cの数字にも目を向けておく

区分Cは、国内旅行実務だけが免除になり、業法・約款・海外旅行実務を受ける区分です。令和7年度は受験者443人のうち合格者26人で、合格率は5.9%でした。

業法と約款に加えて海外旅行実務を受けると、それだけ合格のハードルが上がることが読み取れます。海外旅行実務を受ける年は、ほかの科目の準備も早めに終わらせておくと安心です。

科目合格を使った2年計画

1年で全部を狙わない計画もある

総合試験には、国内旅行実務と海外旅行実務の科目合格の制度があります。合格点を取った科目は、次回の総合試験で免除になります。これを使うと、2年に分けて合格を目指す計画も立てられます。

『1回で全部に合格する自信がない』という方もいますよね。そんな時に知っておきたいのが、科目合格の制度です。

総合試験で国内旅行実務や海外旅行実務の合格点を取ると、全体では不合格でも、次回の総合試験でその科目が免除になります(施行規則第20条)。業法と約款には、この制度はありません。

令和7年度は、不合格者3,120人のうち449人が科目合格者でした。内訳は、国内旅行実務のみ170人、海外旅行実務のみ238人、両方41人です。

国内の合格者が2年で狙う場合の例

国内に合格している人を例に、2年に分けた計画の考え方を表にしました。

年受ける区分中心にすること次の年につながること
1年目E(約款・海外旅行実務)海外旅行実務の6割を最優先で狙い、約款も合格点を目指す海外旅行実務だけ合格点なら、次回は海外旅行実務が免除
2年目F(約款のみ)約款に集中する約款に合格すれば総合に合格

1年目に約款も合格点を取れれば、その年に総合に合格できます。2年計画は、海外旅行実務に力を集中させるための考え方だと捉えてみてください。

国内の合格者が、1年目に区分Eで海外旅行実務の科目合格を狙い、2年目に区分Fで約款に集中する2年計画を示した図解
科目合格は次回限り

科目合格による免除は、次回の総合試験だけに使えます。令和8年度の試験では、令和7年度の総合試験の科目合格者が免除の対象です。2年目に受けなかったり、また不合格になったりすると、免除は使えなくなるので注意しておきましょう。

同じ年度に国内と総合を受ける時の注意

国内と総合は、同じ年度に両方を受けることができます。ただし、同じ年度に国内に合格して、その結果で総合を一部免除で受けることは、受付の締切の関係でできません(JATA・ANTA)。

『今年国内に受かったら、そのまま免除で総合も』と考えていた方は、計画を組み直す必要があるかもしれません。同じ年度に受けるなら、総合では国内の合格による免除は使えない前提で準備しておきましょう。

研修で海外旅行実務を免除する方法もある

JATAの総合旅行業務取扱管理者研修の「海外旅行実務」を修了した人も、海外旅行実務が免除になります。令和8年度の試験では、令和7・8年度の研修の修了者が対象です。

ただし、この研修を受けられるのは、旅行会社に勤めていて、直近5年以内に3年以上の海外旅行業務の経験がある人です。一般の人は受講できません(JATA)。免除の全体像は総合旅行業務取扱管理者の科目免除で紹介しています。

独学でいくか、講座を使うか

海外旅行実務は、範囲が広く、計算・暗記・英語と性格の違う勉強が必要な科目です。テキストと過去問で独学する方もいますが、どこまでやればいいかの見極めが難しいと感じることもあります。

範囲の絞り方や、国際航空運賃の手順を解説で確かめたい時は、講座を使うのも1つの方法です。学び方の比べ方は講座の選び方でまとめています。

旅行業務取扱管理者ガイド

講座を使って効率よく合格を目指したい方へ

旅行業務取扱管理者試験は、法令・約款の暗記に加えて、運賃・料金の計算や地理など範囲が広いのが特徴です。独学で進めるか、通信講座やスクールで質問や模試の機会を得ながら学ぶか。講座の種類と比べ方、資料請求で確かめたい点をまとめました。

無料旅行業務取扱管理者の講座の選び方を見る

試験の日程・受験手数料は各試験の実施機関(JATA・ANTA・観光庁)の案内で最新情報を確認してください。

海外旅行実務でよくある相談

悩みは「地理」「英語」「国内免除の範囲」

海外旅行実務の相談は、海外地理の覚え方、英語が苦手な時の対策、国内の免除で受ける時の範囲に集まります。よくある3つに答えます。

海外地理が全然頭に入らない。どう覚えればいい?

総合の勉強中に、海外地理がなかなか覚えられない、という相談です。

国の名前と観光地の名前を、一覧で丸暗記しようとしていないか、一度見直してみてください。世界地図の上に書き込んで、場所のイメージと一緒に覚えると、選択肢を見分けやすくなります。

1回に覚えるのは1つの地域だけにして、翌日に白地図で思い出す練習をくり返してみましょう。思い出せなかった名前だけを別のノートに集めると、復習の量が減らせます。

英語が極端に苦手。英語以外で点を取れる?

英語が苦手だけれど、英語以外は自信がある、という相談です。

海外旅行実務の合格点は、200点の科目全体で60%以上です。英語だけで合否が決まるわけではないので、ほかのブロックで点を積む作戦も立てられます。

ただ、英語の問題をすべて捨ててしまうと、ほかのブロックで取らなければならない点が増えます。過去問の英文で、旅行の場面によく出る言葉だけでも覚えておくと、部分的に取れる問題が増えていきますよ。

国内の免除で受ける時、国内の問題は出ない?

国内の合格者として総合を受ける時、国内に関わる問題は出ないのか、という相談です。

国内の合格者は区分Eで、業法と国内旅行実務が免除になり、約款と海外旅行実務を受けます。国内旅行実務の科目そのものは受けません。

ただ、約款の科目には旅行業約款・運送約款・宿泊約款が入っています。国内の時に学んだ約款の知識はそのまま使うので、忘れないうちに復習しておくと安心です。

よくある質問

旅行業務取扱管理者の海外旅行実務は、何点取れば合格ですか?

海外旅行実務は200点満点で、合格点は満点の60%以上です。ほかの科目と同じく、この科目だけで基準を超える必要があります。

海外旅行業務取扱管理者という資格はありますか?

その名前の資格はありません。海外旅行を扱う営業所の管理者になれるのは、総合旅行業務取扱管理者の合格者です。

海外旅行実務だけ合格点を取ったら、どうなりますか?

次回の総合試験で、海外旅行実務が免除になります。業法と約款には科目合格の制度はなく、総合と国内の科目合格の間で相互の免除もありません。

海外旅行実務の勉強は、いつから始めればいいですか?

必要な期間は人によって違うので、試験日から逆算して決めるのがおすすめです。国際航空運賃は手順が身につくまで時間がかかりやすく、地理は毎日少しずつ覚えるほうが残りやすいので、この2つは早めに手をつけておくと安心です。

海外旅行実務の過去問は、どこで見られますか?

JATAが総合試験の過去5年分の試験問題と正解を公開しています。古い年度の問題は、法令などが改正される前の内容のことがあるので注意しておきましょう。

まとめ

この記事の要点
  • 海外旅行実務は総合試験だけにある200点の科目で、合格点は満点の60%以上
  • 「国際航空運賃」「出入国手続・旅券」「海外地理・観光」「英語」の4ブロックで点の取り方を決める
  • 令和7年度は、海外旅行実務を受けるかどうかで受験区分の合格率に大きな差があった
  • 科目合格は次回の総合試験で免除になり、2年に分けた計画も立てられる
  • 研修での免除は、海外旅行業務の経験がある旅行会社の人が対象

総合の科目全体の点の取り方は総合旅行業務取扱管理者の試験対策で、資格全体は旅行業務取扱管理者とはで紹介しています。

まずは過去問を1年分解いて、4つのブロックのどこで点を落としたかを数えてみましょう。

旅行業務取扱管理者ガイド

旅行業務取扱管理者ガイド 編集部

総合・国内・地域限定の旅行業務取扱管理者試験の仕組み、合格率と科目ごとの対策、過去問や講座を使った勉強法、資格を仕事に活かす方法までを、はじめて受験する人の目線で整理している情報サイトです。 公式サイト

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