国内旅行業務取扱管理者の実務対策|運賃・料金計算と国内地理の勉強法

国内旅行業務取扱管理者の実務を4つのブロックに分けて対策する方法を解説する記事のアイキャッチ

当サイトの記事は編集部が観光庁・日本旅行業協会(JATA)・全国旅行業協会(ANTA)などの公開情報を調べて独自に執筆しています。試験の日程・受験手数料・法令は変更されることがあるため、最新の情報は各試験の実施機関のサイトで確認してください。

旅行業法と約款はなんとかなりそうなのに、国内旅行実務の運賃計算と地理で手が止まっている。そんな方も多いはずです。

結論から言うと、国内旅行業務取扱管理者の実務は、範囲を4つのブロックに分けて「どこで点を取るか」を先に決めると、ぐっと進めやすくなります。

この記事を読むと、国内旅行実務の配点と合格基準、ブロックごとの勉強の仕方、電卓なしで計算する練習の段取りが分かります。

目次

国内旅行実務は、どんな科目?

先に結論

国内旅行実務は、運送機関や宿泊施設の料金と、旅行業務の実務処理を問う科目です。国内試験では100点満点で、令和7年度(2025年度)は60点以上が合格基準でした。

『国内旅行実務って、結局どこまでが範囲なの?』と迷いますよね。

ANTAの受験案内では、国内旅行実務の中身は2つに分かれています。1つは運送機関・宿泊施設の利用料金など旅行業務に関わる料金、もう1つは旅行業務の取扱いに関する実務処理です。

配点と合格基準

国内試験の国内旅行実務の配点を、令和7年度の出題例の正解と配点からまとめました。

比べる点内容
配点100点(4点×12問、2点×26問・令和7年度出題例)
合格の基準各科目60点以上(令和7年度)
試験の方式CBT(全国47都道府県のテストセンターでパソコンを使う)
試験時間全科目で120分(法令・約款・国内旅行実務を通して。途中休憩なし)
出題の根拠令和8年度は令和8年6月1日現在の法令・約款など

2点の問題が26問あるのが、この科目の特徴です。1問ごとの重さは軽めでも、数が多いので、取りこぼしが積み重なると響きます。

令和8年度(2026年度)の合格基準は、合格発表の時に公表されます。最新の日程や基準は、ANTAの受験案内で確かめてみてください。

総合や地域限定との関係

国内旅行実務は、総合と地域限定の試験にも出てきます。それぞれの扱いを並べてみました。

試験国内旅行実務の扱い
国内100点。運送・宿泊の料金と実務処理(国内地理を含む)
総合100点。国内の合格者は免除になる
地域限定40点(4点×10問・令和7年度)。航空運送の料金と本邦内の地理などは除く

国内に合格すると、総合では国内旅行実務が免除になります(施行規則第20条)。国内の勉強で身につけた計算力は、そのまま総合への足がかりにもなるんです。

国内旅行業務取扱管理者の実務を4つのブロックに分ける

範囲を4つに分けて、点の取り方を決める

国内旅行実務は「JR運賃・料金」「航空・貸切バス・フェリー」「宿泊と旅行業務の料金」「国内地理・観光資源」の4つに分けられます。ブロックごとに、計算で取るのか、暗記で取るのかを決めておくと迷いません。

『範囲が広すぎて、どこから手をつければいいか分からない』と感じますよね。

そこで、国内旅行実務の中身を4つのブロックに分け、それぞれの性格と勉強の仕方を表にしました。

ブロック主に問われること点の取り方勉強の仕方
1. JR運賃・料金距離の求め方、運賃と料金の計算、割引や特例計算の手順で取る手順を固めて、同じ型の問題をくり返す
2. 航空・貸切バス・フェリー運賃・料金の決まり、払戻しや取消しの扱いルールの理解で取る乗り物ごとに表を作る
3. 宿泊と旅行業務の料金宿泊料金の考え方、旅行業務の取扱料金計算とルールで取る例題で計算の流れをつかむ
4. 国内地理・観光資源温泉・名所・祭り・名産など暗記で取る地図と一緒に、地域ごとにまとめる
国内旅行実務を、JR運賃・料金、航空・バス・フェリー、宿泊と旅行業務の料金、国内地理・観光資源の4つのブロックに分けた得点計画の図解

ブロックごとの「得点計画」を立てる

4つのブロックのどれも満点を目指す必要はありません。科目全体で60点以上を取れればいいので、得意なブロックで稼ぎ、苦手なブロックは基本の問題を落とさない、という作戦も立てられます。

例えば、鉄道に乗るのが好きでJRの仕組みに慣れている方なら、ブロック1を得点源にできます。旅行が好きで地名に強い方なら、ブロック4が得点源になりますよね。

得点計画を立てる前に確かめること
  • 出題例を1年分解き、4つのブロックのどこで点を落としたかを数える
  • 計算問題と暗記問題の、どちらが得意かを確かめる
  • 得点源にするブロックを1つ決める
  • 苦手なブロックは、基本の型の問題だけは取れるようにすると決める
  • 試験日までの週数から、ブロックごとに使える時間を割り振る

ブロックごとの配点は年度によって変わるので、出題例で確かめてみてください。ANTAは年度別の出題例と解答を公開しています。

立場ごとに、得点源にしやすいブロック

ふだんの仕事や学びによって、入りやすいブロックは違います。目安として並べてみました。

あなたの立場得点源にしやすいブロック気をつけたいブロック
旅行会社の窓口で働いている宿泊と旅行業務の料金仕事で扱わない乗り物の決まり
鉄道・バスなど運輸の仕事をしているJR運賃・料金、航空・バス・フェリー国内地理・観光資源
ホテル・旅館で働いている宿泊と旅行業務の料金JR運賃・料金
観光や地理を学んでいる学生国内地理・観光資源JR運賃・料金

仕事で慣れている内容でも、試験はテキストの決まりどおりに答える必要があります。ふだんの社内のやり方と違う所がないか、一度は確かめておきましょう。

試験日から逆算する進め方の例

4つのブロックを、どの順番で進めるかの一例です。期間の長さは人によって違うので、自分の試験日に合わせて割り振ってみてください。

段階中心にすること並行してやること
前半JR運賃・料金の手順を固める国内地理を毎日少しずつ
中盤航空・バス・フェリーと宿泊の表を作るJRの同じ型の問題をくり返す
後半出題例を通しで解き、落としたブロックに戻る地理の「思い出せなかったノート」を見直す

JRを前半に置くのは、手順が身につくまでに時間がかかりやすいからです。地理は一度に覚えるより、毎日少しずつのほうが残りやすいんです。

ブロック1のJR運賃・料金は、手順で解く

JRの問題は、いきなり金額を求めようとすると混乱します。距離、運賃、料金、割引や特例の順番を毎回守るのがコツです。

国内旅行実務の中で、もっとも苦手にする人が多いのがJRの運賃・料金です。『表の見方が分からないし、例外が多すぎる』と感じますよね。

ただ、JRの問題はルールの組み合わせでできています。手順が身につけば、毎回同じ流れで解けるんです。

JRの問題を解く順番
  1. 乗る区間と経路を確かめ、どの路線を通るかを書き出す
  2. 運賃を計算するための距離を求める
  3. 距離から運賃を求める
  4. 特急やグリーン車などの料金を、運賃とは別に求める
  5. 往復や学生などの割引、特例が使えるかを確かめる

運賃と料金は別もの、というのが最初の大事なポイントです。割引が運賃にかかるのか、料金にかかるのかで答えが変わるからです。

具体的な計算の手順と、つまずきやすい所はJR運賃・料金計算のつまずきやすい所と練習法でくわしく紹介しています。

航空・バス・フェリーと宿泊(ブロック2と3)は表で比べる

乗り物と宿は「表にして比べる」

航空・貸切バス・フェリー・宿泊は、それぞれ決まりが違います。乗り物や施設ごとに同じ見出しの表を作ると、違いが見えやすくなります。

ブロック2と3は、計算よりもルールの理解が中心になる部分です。乗り物ごとにばらばらに覚えると混ざりやすいので、同じ型の表で整理してみましょう。

乗り物ごとに同じ見出しで表を作る

テキストを読みながら、次のような表を自分で埋めていく方法がおすすめです。中身はテキストの最新の内容で書き込んでみてください。

乗り物運賃・料金の決まり方割引払戻し・取消し子どもの扱い
航空テキストで確認して記入テキストで確認して記入テキストで確認して記入テキストで確認して記入
貸切バステキストで確認して記入テキストで確認して記入テキストで確認して記入テキストで確認して記入
フェリーテキストで確認して記入テキストで確認して記入テキストで確認して記入テキストで確認して記入

自分で書き込むことで、「航空にはあるけれど、バスにはない決まり」がはっきりしてきます。空いたマスがあれば、そこがまだ理解できていない所です。

航空の出題は、その年の6月1日に搭乗する際に適用される約款によります(令和8年度)。航空の運送約款は約款の科目でも問われるので、約款対策とセットで進めると効率がいいですよ。

宿泊と旅行業務の料金は、例題の流れをまねる

宿泊料金や旅行業務の取扱料金の問題は、計算の流れが決まっています。テキストの例題を、解説を見ずに最後まで計算できるかを確かめてみてください。

途中で止まったら、どの段階で止まったかに印をつけておきます。その段階だけをもう一度読むと、効率よく穴が埋まります。

よくある失敗

古い年度の問題集や参考書で、料金の決まりを覚えてしまうケースがあります。運賃・料金や約款は改正されることがあり、試験はその年の基準日の内容で作られます。教材は受ける年度に合ったものを使ってみてください。

国内地理・観光資源(ブロック4)はどう覚える?

地図の上で、地域ごとにまとめて覚える

国内地理・観光資源は、温泉・名所・祭り・名産などを地域と結びつけて覚える暗記のブロックです。都道府県ごとの一覧を丸暗記するより、地図の上でつながりを作るほうが記憶に残ります。

『国内地理が全然頭に入らない』という悩みは、とてもよく聞きますよね。

実は、地理が苦手な方の多くは、名前だけを覚えようとしています。場所のイメージがないまま覚えた名前は、選択肢が並ぶと見分けがつかなくなるんです。

地図とセットで覚える段取り

国内地理を覚える1回分の段取り
  1. 白地図を用意し、今日覚える地方を1つ決める
  2. テキストに出てくる温泉・名所・祭りを、地図の上に書き込む
  3. 同じ県の中で、近くにあるもの同士を線でつなぐ
  4. 翌日、白地図だけを見て書き込んだ名前を思い出す
  5. 思い出せなかった名前だけを、別のノートに集めておく

テキストに載っていた名所を、旅行の計画を立てるつもりで並べてみるのもおすすめです。

「この温泉に泊まって、翌日はこのお寺に寄って、帰りにこの名産を買う」と、1日の流れで覚えると、名前が場面と結びつきます。

出題例の地理は「傾向を見る」ために使う

『地理は毎年ちがう名所が出るなら、過去の問題を解く意味はあるの?』と思う方もいますよね。

確かに、同じ名所がそのまま出るとは限りません。ただ、どんな種類のもの(温泉・祭り・名産・史跡など)が、どんな聞かれ方で出るかは、出題例を見るとつかめます。

出題例で聞かれ方を確かめたら、テキストの同じ種類のものを地図に書き込んでいく。過去の問題は、覚える範囲の地図を作るための道具だと考えてみてください。

語呂合わせは、混ざりやすい所だけに使う

地理の名前を全部語呂合わせにすると、語呂の数が増えすぎて、かえって覚えられなくなります。

似た名前が並んでいて、どうしても混ざる所だけに使うのが効果的です。語呂の作り方は旅行業務取扱管理者の語呂合わせで紹介しています。

CBTで電卓が使えない前提の計算練習

計算はメモ用紙で解く練習をしておく

国内試験はCBT方式で、電卓・スマホは使えません。筆記用具とメモ用紙は会場で貸し出され、試験後に回収されます。家での練習も、電卓を使わずに紙で計算するのが本番に近い形です。

『計算問題があるのに電卓が使えないの?』と驚く方もいるはずです。

国内試験は、令和6年度からすべてCBT方式で行われています。腕時計や筆記用具を含め、持ち物はすべて試験室に持ち込めません。

計算は、会場で貸し出されるメモ用紙と筆記用具で行います。CBTの流れは国内旅行業務取扱管理者のCBT試験でくわしく紹介しています。

本番に近い練習のしかた

練習の段階やることねらい
1. 手順を覚えるテキストの例題を、時間をかけて紙で解く計算の流れを体に入れる
2. 速さをつける同じ型の問題を、時間を計って紙で解く電卓なしでの計算に慣れる
3. 画面に慣れる出題例をパソコンの画面で見ながら、メモ用紙で解く画面と紙を行き来する感覚に慣れる
4. 通しで解く法令・約款と合わせて、120分を通して解く時間配分をつかむ

ANTAのFAQによると、マウス操作ができれば受験でき、CBT体験試験で練習もできます。画面に慣れておきたい方は、一度試しておくと安心です。

パソコンの画面を見ながら、メモ用紙に筆算で計算している手元の写真

実務を免除で受けない方法もある

旅行業者で国内旅行業務に一定の経験がある人は、ANTAの国内旅行業務取扱管理者研修を修了すると、国内旅行実務が免除になります。受講資格は、旅行業者等に最近5年以内に3年以上従事し、今も従事している人です。

また、前の年度の国内試験で国内旅行実務の合格点を取った人は、次の年度に免除を受けられます。令和7年度の国内試験では、免除Aの合格率は60.2%でした。免除の仕組みは国内旅行業務取扱管理者の科目免除で紹介しています。

独学でいくか、講座を使うか

国内旅行実務は、テキストと出題例で独学している方もたくさんいます。手順を自分で作れる方なら、独学でも十分に進められます。

一方で、JRの計算でどうしても手が止まる時は、計算の流れを解説してくれる講座を使うのも1つの方法です。学び方の比べ方は講座の選び方でまとめています。

旅行業務取扱管理者ガイド

講座を使って効率よく合格を目指したい方へ

旅行業務取扱管理者試験は、法令・約款の暗記に加えて、運賃・料金の計算や地理など範囲が広いのが特徴です。独学で進めるか、通信講座やスクールで質問や模試の機会を得ながら学ぶか。講座の種類と比べ方、資料請求で確かめたい点をまとめました。

無料旅行業務取扱管理者の講座の選び方を見る

試験の日程・受験手数料は各試験の実施機関(JATA・ANTA・観光庁)の案内で最新情報を確認してください。

国内旅行実務でよくある相談

悩みは「地理」「合格点」「割引の計算」

国内旅行実務の相談は、地理の覚え方、合格点の考え方、割引の計算の順番に集まります。よくある3つに答えます。

国内地理が頭に入らない。いい勉強方法はある?

国内地理がなかなか覚えられず、勉強の仕方を知りたい、という相談です。

地理は、名前だけを覚えるのをやめて、地図の上に書き込むところから始めてみてください。場所のイメージができると、選択肢が並んでも見分けやすくなります。

1回に覚えるのは1つの地方だけにして、翌日に白地図で思い出す。この流れをくり返すと、少しずつ定着していきます。

合格点の6割は、3科目の合計で6割?

合格点は例年6割くらいと聞くけれど、3科目の合計で6割なのか、という相談です。

国内試験の合格基準は、令和7年度の正解と配点で「各科目とも60点以上」と示されています。3科目の合計ではなく、1科目ずつ60点以上が必要です。

国内旅行実務だけ点が低いと、ほかの科目がよくできても合格できません。だからこそ、苦手なブロックでも基本の問題は落とさない計画が大切なんです。

学割の計算は、一度大人の運賃を出してから割り引く?

運賃計算で学生の割引を使う時、どの順番で計算すればいいか、という相談です。

割引の問題は、まず割引が運賃にかかるのか、料金にかかるのかを分けて考えるのが出発点です。そのうえで、テキストの決まりどおりの順番で、割り引いてから端数を処理します。

順番を間違えると答えがずれるので、自分で手順を書き出して、毎回同じ順で解いてみましょう。JRの手順はJR運賃・料金計算でくわしく紹介しています。

よくある質問

国内旅行業務取扱管理者の実務は、何点取れば合格ですか?

国内旅行実務は100点満点で、令和7年度は各科目60点以上が合格基準でした。令和8年度の合格基準は合格発表の時に公表されます。

国内旅行実務の試験で、電卓は使えますか?

国内試験はCBT方式で、電卓・スマホは使えません。筆記用具とメモ用紙は会場で貸し出されるので、紙で計算する練習をしておきましょう。

国内地理はどこまで覚えればいいですか?

出題例で、どんな温泉・名所・祭りが問われているかを確かめてから範囲を決めるのがおすすめです。テキストに載っているものを地図と結びつけて覚えていきましょう。

国内旅行実務だけ合格点を取った場合、次の年はどうなりますか?

国内試験で国内旅行実務の合格点を取った人は、次の年度の国内試験で国内旅行実務が免除になります。令和8年度の試験では、令和7年度の国内旅行実務の科目合格者が免除Aの対象です。法令と約款には、この科目合格の仕組みはありません。

総合を受ける時、国内旅行実務はまた勉強が必要ですか?

国内に合格していれば、総合では国内旅行実務が免除になります。国内の合格者の区分では、約款と海外旅行実務を受けます。

まとめ

この記事の要点
  • 国内旅行実務は100点満点で、令和7年度は各科目60点以上が合格基準
  • 範囲は「JR運賃・料金」「航空・バス・フェリー」「宿泊と旅行業務の料金」「国内地理」の4ブロック
  • 得意なブロックを得点源にし、苦手なブロックは基本の問題を落とさない
  • CBTでは電卓が使えないので、紙で計算する練習をしておく
  • 国内地理は白地図に書き込み、地域ごとにまとめて覚える

旅行業務取扱管理者の資格全体を知りたい方は、旅行業務取扱管理者とはから読むと流れがつかめます。

まずは出題例を1年分解いて、4つのブロックのどこで点を落としたかを数えてみましょう。

旅行業務取扱管理者ガイド

旅行業務取扱管理者ガイド 編集部

総合・国内・地域限定の旅行業務取扱管理者試験の仕組み、合格率と科目ごとの対策、過去問や講座を使った勉強法、資格を仕事に活かす方法までを、はじめて受験する人の目線で整理している情報サイトです。 公式サイト

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